12 スモークの煙はどんな色に
テイワズ
1・雅一
2・カエデ
3・シマリ
ソウイル
1・アヤネ
2・ヒメ
3・キリ
アンサズ
1・カノン
2・シノミ
3・シモハル
☆
~アンサズ~
「カノン! あれ!!」
シモハルが上空を飛ぶ、飛行機を指さす。
「たぶん、味方ね」
「でもなんで?」
戦闘機は、上空を何回も飛行していた。
「たぶん、偵察だと思います?」
「なんで? 偵察??」
「もしかしたら、館山からの救援かもしれない」
3人は学校の校舎の中にいた。
それまでに散発的な戦闘は続いたのだが、1人や2人といった小規模だったために敵にはならなかった。
「それなら、校庭にスモークグレネードでも投げてみる?」
「それいいね」
「でも、それだと敵にばれませんか?」
シノミが的確に指摘する。
「ここで、持ちこたえれば大丈夫」
「カノンがそういうなら……」
「さっそく作戦開始」
カエデが校舎の3階部分から、校庭に向かってスモークグレネードを1個投げる。
校庭が緑色に包まれる。
☆
~ソウイル~
「キリ、あれ何?」
アヤネが雲の少し下らへんを飛んでいる戦闘機を見て言う。
「…F-15とF-2……」
「それなら、味方ね」
「何で味方とわかるのですの?」
「それは、F-15とF-2は米軍の機体で、相手の正規軍は入手が困難だからよ」
「あれは味方ですのね」
「……そう」
3人は橋を渡り住宅街に入ったところで飛行機を見たのだ。
「何しに来たのですか?」
「さぁ~~?」
アヤネが首を横に振る。
「わかりましたわ! 助けに来てくださいましたの。きっとそうですわ」
「助けにね~」
アヤネが空を見て、上空を旋回する飛行機を不自然に思う。
「それも、ありえるかもね」
「……それなら…あそこ」
キリは少し行ったところにある野球場を指さす。
「あそこなら、敵の襲撃を受けても防げるし、いいね」
アヤネが頷く。
「なんですの!?」
ヒメだけが良く分かっていなかった。
「野球場で、スモークグレネードを投げて、目印を作るの」
「目印。なるほどわかりましたわ」
ヒメが納得したような顔をしたのだが、少しわかっていないようだ。
「まぁ、野球場まで行きましょう」
「了解ですの」
「…了解」
3人は戦闘を起こさずに野球場に駆け込む。
野球場のスタンドのピッチャーが投げる所にスモークグレネードを投げる。
赤色の煙が上空にあがる。
☆
~テイワズ~
『上空に機影、数12』
「マサ! 上空見て!」
シノミに言われた後に、雅一は上空を見る。
「そうだな……たしかに戦闘機がここら辺を旋回しているのが見える」
「機種は?」
「分かる筈ないだろ!」
「私が見る」
カエデが上に登ってくるのだが、上部開閉口から戦車の砲塔部分から戦闘機を眺める。
「たぶん……F-16かF-2で、F-15もいるわね」
「それなら、味方なんでしょうね」
「ラッキーだな。助かるぞ!」
「いったい何を根拠に?」
「勘だ!!」
雅一が親指をぐっと伸ばして決めポーズをする。
「勘って……」
「いいんじゃない、かけてみましょう」
カエデがシノミに向かって言う。
「それなら、スモークグレネードでも投げて救援要請しましょ。あと、この戦車をかくさないと」
「何でだ?」
「敵の戦車だから、間違って攻撃されたらたまったもんじゃないわ」
「そりゃ、そうか」
「それじゃあ、あそこの広い駐車場をポイントにするわよ」
戦車は南西あった広い駐車場に入って行き、建物に突っ込む。窓が一斉に割れる。中にいい感じに入る。
「パチンコ屋か」
「ここに簡易防衛陣地を作らないと」
「スモーク投げました!」
黄色の煙が駐車場に漂った。
☆
~コンバットエンジェル~
「こちら、ランドシャッター1 緑色の煙を確認」
「こちらもです。赤色の煙を確認」
「こっちでは、緑色です」
RF-15Jからの報告があり、下を見ると、煙が出ている。
「エンジェル1より、各機へどう思う?」
「3つ上がってるので、味方だとは思いますが……」
「ビーナスシルク 応答してくれ」
『こちら、ビーナスシルク どうしましたか?』
「黄、赤、緑の煙が上がっているのだが、どう思う?」
『それは……味方じゃないですか? その場所を記録してください。そこに、ヘリを送りましょう』
「こちら、エンジェル1了解。 ランドシャッター各機、場所の測定を頼む」
「了解」×4
『作戦の爆撃をカットして、救出部隊を送ります。偵察部隊は帰還してください』
「こちら、エンジェル1 了解 全機聞いたな! 帰還するぞ!」
「ラジャー」×11
☆
~館山統合司令所~
マユミは、コンバットエンジェルからの報告を聞いて、作戦を立て直す。今回の作戦はうまくいくかもしれないと、嬉しくなった。
「こちら、統合司令所です。 今、救出するクランから、煙が上がり、場所の特定ができました。なので、爆撃は中止で、そのまま救出作戦を実行します。救出部隊は、至急準備に取り掛かってください!」
こうして、救出作戦が開始された。