10 死中にかつあり、ピンチに戦車が
テイワズ
1・雅一
2・カエデ
3・シマリ
ソウイル
1・アヤネ
2・ヒメ
3・キリ
アンサズ
1・カノン
2・シノミ
3・シモハル
☆
~テイワズ~
雅一たちは、学校へと着き東に進んで行こうとした。
校庭を渡って向かい側に向かおうとしたときに、轟音と共に、校舎の一部が吹っ飛んだ。そして、瓦礫がこちらに襲い掛かって来る。
「危ない!」
何とか当たらずに済んだ。
「何だ?」
「たぶん、戦車。南西の方から撃ってきてる」
カエデが校舎の破損具合から推測する。
「おいおい、俺たちの場所が敵に知られてるのかよ」
「屋上にいた奴の誰かが、連絡したのかも」
「どうするんだよ!?」
「走って、隣の倉庫に行くよ!」
3人はフェンスを飛び越えて、倉庫へと走って行き、息をひそめる。
戦車の移動する音が近くなってきている。道路や、瓦礫などの障害物を関係なしに来ている。キャタピラの音が、とても不気味に聞こえる。
少しずつ離れて行った。
「大丈夫……だよな……」
「たぶん」
3人がほっと一安心すると、轟音がして、地面が揺れる。
「うわぁ!!」
「隣の倉庫が撃たれた!」
「まじでか、ここもやばいだろ」
「逃げましょう」
「賛成」
3人は倉庫の壁を爆破して、裏側から出ていく。
その内、今いた倉庫も破壊される。
「ギリギリセーフ」
「まだ、セーフじゃない」
道路にはさらに戦車が回り込んでいた。
「囲まれた」
「どうするんだよ」
「しずかに! まだばれていないと思いますから。ちなみにあの戦車は、T-90です。ソ連の最新の戦車です」
シマリが雅一の口を閉じさせる。
「対戦車兵器はないのかよ」
次に、3階建ての建物に入って隠れる。戦車の他にも、数十人の武装して軍服を着た兵がT-90の周りにへばりついている。
「最悪の状況」
「悪あがきでもしてみるか?」
「バカですか? 戦車相手に勝てるはずないですよ」
T-90は、2両。東に1と、南に1だった。
「それなら、奪って見るか? 戦車? シマリ戦車は扱えるか?」
「はい、扱えますけど、どうやって奪うんですか?」
「倉庫を撃ってるやつを奪う事なら、たぶん出来るぞ」
「本当ですか??」
懐疑的な視線を見せる。
「大丈夫なの~??」
カエデまでもが懐疑的な視線で見てくる。
「大丈夫だって」
「それなら、行って来て!!」
カエデがGOサインが出る。
「随分軽いな」
「死亡フラグ立てた方が良かった?」
「いいわけないだろ!」
2人はこんな絶望的な状況の中で笑顔を見せた。
「わかりました。戦車を奪ってください。その後は私が操ってみますから」
シマリも同意する。
「それなら、移動開始だな」
3人は移動をし始めて戦車の裏側に来る。
T-90の乗員は3人。そして上にRPDを構えている兵が一人いた。
「カエデは、あの上にいる奴をよろしく。シマリ、一緒に行くぞ!」
「了解です」
「は~~い」
T-90が角を曲がろうとした時に、カエデのM21が火を噴き、RPDを構えていた兵が倒れる。
それと同時に雅一とシマリが走って行きT-90の上に登り、シマリが開閉口を開ける。
シマリがスタングレネードを投げ込み、また閉じる。激しい音と光が漏れていて、次に雅一がMP7を持って中に入り2人殺す。シマリがMAC-11で1人を殺す。
MP7は、サブマシンガンで、弾薬が貫通性のいいのを使っている。閉所戦においては、優秀な銃だ。
M AC-11は、アメリカのサブマシンガンで、連射力がよいが命中率が極端に悪い。サイズが小さいために隠し持って行動できる。さらに20世紀後半において、アメリカのCIAがよく持っていたために、CIAのおもちゃとも言われている。
「カエデ! 乗れ!」
中に倒れた3人を外に出す。そして、一定時間が経過すると血痕が消えてなくなる。
「私が運転します。なので、カエデは砲手を、マサは上で機銃をお願いします」
「あれ? 2人だけで操縦できるのか?」
「一応は、MCDに車長と操縦主を一緒にできるツールを作ってもらいましたから」
「誰にだ?」
「アヤネさんです。あの人、プログラミング系はすごい技術を持っているんですから」
「アヤネが……」
アヤネの特技がプログラミングと言うことに驚いた雅一だった。
シマリが、MCDを出して何やら設定をしてまた腰の所に戻す。
『敵周辺に戦車1 敵兵数多数 東北東に固まっている模様』
シマリのMCDから無機質な声がする。
「これは?」
「これは、車長の代わりをするAI。AIが周りの敵情報や、味方の確認なんかを瞬時に行って、操縦主と砲手に伝えるんです。最近の戦車には一般化されてきたけど、この時代じゃないからって、アヤネさんが勝手に作ったんです」
「アヤネって、すごいな……」
「さて、反撃開始します!」
シマリが叫ぶ。
「君のハートにドッカーン!!」
カエデがふざけた感じで反応する。
T-90は、そのまま敵の居る所へと奇襲する。
『敵前方に戦車1、左右に武器を所持した人が多数』
敵のT-90の砲塔とは、逆側から出て行ったために、すぐに対応できず。
「沈め!!
カエデが狙いをつけて、そのままT-90の後ろ側に直撃して大破。さらに、その破片などで周りの兵も巻き込まれる。
『戦車沈黙。武装兵、残存数14』
T-90を前に進めて、雅一が上から、RPKをばら撒く。そして、砲塔の横についている機関砲に攻撃と、125㎜榴弾を撃ち破片が散らばり敵が倒れていく。
敵もやけくそで、AK-47を撃ってきているが、戦車の装甲の前に跳ね返っているだけだった。
歩兵との戦闘は、あっという間に終わり。周りに敵はいなくなる。
『残存ゼロ。周辺に敵はいません』
「それじゃあ、戦車でドライブと行きますか」
T-90を動かして、東へと急いだ。
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