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~受諾~



 朝は早くてみんな6時おきだった。

「そういえば…マサって何でその恰好なの?」

 シノミが朝ごはんを食べている最中に突然質問し始めた。

 ちなみに朝ごはんは、トースト二枚にレーションの肉みたいな奴だった。

「そういやあ、まだ話してなかったな。」

「そういえば、そうね」

 カノンと雅一が納得する。

「それなら…簡単に」

 雅一は最初、カノンに説明した通り同じ内容をみんなに話す。


………………。


…………。


……。


「ご愁傷様」

「運が悪いとしかいいようがない!」

「……どんまい…」

「何だが俺の方が落ちこんで、いくんですけど……」

 雅一がうなだれる。



「それは置いといて、今後の事を話そう。」

「おいてくなよ!」

 雅一の突っ込みをスルーして、カノンが続きを話す。

「今置かれている状況は、生き残りをかけたゲームが始まって、何とかクランメンバー全員を集める事が出来た。そして、このタイミングで米軍…ようするに運営側いや、このゲームの主催者が館山まで行けと言ってる。私たちは何もする事が出来ずにいる。こんな所かしら。」

 カノンが要点要点でまとめる。

「う~ん、それなら、このまま流されるのもいいんじゃない」

 アヤネがそういうとみんなが驚いた顔になる。

「へぇ~~一番いやだと思ってたのに」

「そりゃあ、今すぐ抜け出したいけど、どうすることもできないし、それにいい考えがあるから」

「いい考え??」

「そうそう、でも今はまだ、ない・しょ!」

 アヤネがウインクをする。

「それなら、このまま館山に行くことでいい!?」

「いいですわ」

「いいですよ」

「いいよ~」

「もちです」

「……了解」

 各々が返事をして、今後の行動方針が決まった。



「それなら、今から解放軍のコミュに行くから……マサとシノミ来てくれる。他のメンバーは、今のクランの倉庫に保管してある武器弾薬のチェックをお願い。」

「クランの倉庫?」

 雅一が質問する。

「このゲームは、作戦中、MCDにアイテムをいれる事が出来ないの。だからポーチやベルト何かに収納していくんだけど、クランの倉庫は、ゲットーか米軍の基地に行けば、いつでも出せるような仕組みになっているの。だから、こういう時には便利なのかもね。」

「なるほど」


「それなら、一時解散!」

 カノンの声にみんながそれぞれの役目を持って行動する。

「シノミ、マサ行くわよ!」

 カノンが二人を連れて休憩所抜けて、人通りの多い道へと出てくる。

「ヒメの事なら大丈夫よ。みんながいるし……」

 先ほどから後ろを気にしていたシノミに声をかける。

「そうですけど…………」

 シノミは、やはり気にしている。

「ところで、解放軍のコミュってなんだ?」

 このゲームを始めてやる雅一にしてみれば謎だらけだ。

「コミュは、一種の情報室みたいな役割を果たしているの、そこで各ゲットーや基地ごとで情報のやり取りが可能なの。」

「へぇ~~」

 やたらこのゲームは細かい設定にこっているな、と思いながら雅一はカノンの後を追う。



 カノンがある部屋に入って行ったので付いて行く。

 中には、結構の広さがあり、真ん中にデカいモニターがあった。

「これは、生き残ったんですね。」


 3人の男性がいた。

「どうも~」

「あなたたちは、クラン組んでるの?」

 反応したのが、小太りでいかにもでかいサングラスをかけた男の人が答える。

「いえ、違います。我々は、フリーの傭兵で、この不測の事態に対処するために一時的に協力することにしたんです。名前を言い忘れましたが、私は山田曹長といいます。」

 そういうと、後ろにいた二人の男性も出てきて敬礼をしながら名前を言う。

「わたくしは、佐藤二等兵であります。」

 坊主頭でガリガリの体系の人だった。

「自分は、鈴木伍長です。」

 アフロに小太りの男だった。

「よろしく、私はカノン。クラン“月下の灯”のリーダーをしています。」

「俺は、ミノマサ」

「私は、シノミ」

 それぞれ自己紹介する。

「それで、カノン殿。貴方たちも任務を受けたのですか?」

 山田曹長と言う人が聞いてくる。

「そうよ、館山まで行かないといけないの」

「おぉ、それは私たちと同じです。」

「そうなんだ~」


「私が得た情報によりますと、東京湾にあるアクアラインを米軍が抑えたらしいので、そこを通れば簡単に行けるらしいです。」

 モニターを指さす。そこには、アクアラインの神奈川側に青いマークがついている。

「情報ありがとう。それなら、私たちもアクアラインを通って行きましょう。貴方たちは何時行くの?」

「私たちは、二日後を予定しております。」

「私たちもそれぐらいかな。」

「それで、カノン殿。一つ提案なのですが、米軍のハンヴィーを一括購入しませんか?」

「ハンヴィーね……ちょうどうちでも二台ほど買いたいと思ってたところなのよ。」

 ハンヴィーは、アメリカ軍が使っている高機動多用途装輪車両の事で、その民用品がハマーと言う名前で売られているのが有名な車だ。


「なぁ、カノン。何で一括購入するといいんだ?」

 雅一がカノンに小声で話しかけるとカノンの方から小声で返答が来た。

「このゲーム、一括で買うとかなり安くなる時があるの。そういう所はリアルよね。」

「それでは、カノン殿。ハンヴィーを三台購入します。」

「よろしく~」

 山田曹長がモニターで操作している。

「ハンヴィーのハンガーが11番と12番と22番です。私たちは、22番を使いさせてもらいます。」

「わかったわ~」

「それでは、ご武運を!」

「ご武運を!!」

「グッドラック!」

 3人は敬礼をして部屋から出て行った。


「ハンガーって何のことだ?」

 雅一がまたカノンに質問をする。

「自分の車なんかを改造できる場所のこと、ゲットーごとにあるわ。」

「なるほど。車庫のことか?」

「そんな、センスのない名前じゃあ、却下ね」

「センスがなくて悪かったな」


 カノンが一呼吸おいて

「それじゃあ、明日は、ハンヴィーの改造としましょう!」

 カノンがウキウキで出て行き、それをシノミと雅一が付いて外に出た。



“月下の灯”は、アクアラインを経由して館山と向かうのであった。



東京湾に浮かぶアクアラインという表現をしましたが、そのまんま東京湾アクアラインをモチーフとしていきます。



今は、戦闘シーンもなく、説明ばかりですが、今後ともよろしくお願いします。

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