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9 銃剣装備と危機的状況



「そういえば、この装甲車の名前なんだ?」

 雅一はでこぼこなコンクリートの道路の上をゆっくりと走っている装甲兵員輸送車に激しく揺られながらカノンに訊ねる。

「何だっけ?キリ」

「BTR―D」

「そうそう、BTR―Dだ。たしか……」

 雅一はいやな予感をしたが一歩遅く。

「ソ連の装甲兵員輸送車で空中での輸送できて、空中投下も可能だったはず。兵員室には完全武装の空挺兵十人を搭乗させて輸送できて。兵員の乗降は、天井の二か所のハッチと後部の大ハッチがあってそこから人の出入りができる。そして車体には二か所の銃眼があって。消火装置とNBC防護システムも設備されている万能な装甲車なの。そして、NBC防護システムっていうのは、Nが核兵器を意味するNuclearでBが生物兵器を意味するbiological。最後にCが化学兵器を意味するchemical。その頭文字をとってNBC。それらに対応できる設備が備わっているってことね。」


 またもや先ほどの銃撃戦より激しい口撃の嵐に雅一は、ちょっと引き気味になる。

 キリは、何もなかったかのようにして座っている。

「キリお前は大丈夫なのか?」

「…慣れた……」

 そのキリの言葉がすごく印象に残った雅一だった。

「あと二人って何て名前なんだ?」

 雅一は揺られるなか頭をぶつけないようにしてカノンに聞く。

「あと二人は、カエデとシモハルよ。二人とも狙撃が得意なの」

 前を見つつ雅一と話すという器用なことをしながら言う。

「ここのクランって結構バランスいいよな。狙撃が出来る奴や、近接戦闘が出来る奴、運転ができる奴もいるんだから。」

「そうね。集めたら勝手にそうなったのが正しんだけどね。」

 車内はエンジンと音と車輪が石を巻き込む音のみが聞こえてくるようになった。

 前を走っていた装甲車から無線がかかる。


「こちら、シマリ。こちら、シマリ。聞こえますか?」

 カノンが、無線のスイッチをオンにする。

「聞こえるわよ。どうしたの、シマリ?」

「もう少しで合流地点に到着するのですがここら辺で降りて徒歩で行きましょう。」

 シマリの提案に少し悩んだ後

「了解。そこの瓦礫の下に入れれると思うから、そこから徒歩で移動ね。」

「シマリ、了解。」

 無線の切れる音がする。

「二人とも聞こえたわね。」

「…うん」

「聞こえたぞ」


 がれきの下に装甲兵員輸送車を二両入れる。

「二人とも出ても大丈夫よ。」

 後ろにある扉から二人は出る。

「疲れましたわ。」

「ヒメ、大丈夫か?」

「肩が凝りそうね。」

 もう1つの装甲兵員輸送車に乗っている3人とも出てきて背伸びをしている。


7人が集まりカノンが口を開く。

「シマリとシノミとヒメはここで待機して。4人で合流地点に向かうわよ。」

「ありがとう。カノンさん」

 シノミがカノンに頭を下げる。

「もう、仲間なんだからカノンでいいわよ。」

「わかった」

「他のみんなもいい??」

「了解」×6 


 各自武器弾薬を再確認して合流地点へと向かう。

「ここから、どれぐらいかかるんだ?」

「そうね…30~40分ぐらいじゃない。」


 剣が折れてしまったために変わりの銃としてM4を持っている雅一がAK―47を二丁もっているカノンに聞いた。

 後ろからは、RPKを持っているアヤネとM4を持っているキリが後ろから付いて来ている。

 ちなみにキリのM4にはなぜか銃剣が装備されている。雅一のには、アンダーグレネードが装備されている。

「キリ、何で銃剣なんか装備してるんだ?」

 雅一が後ろに向き疑問に思ったことを聞く。

「……弾薬がないから…」

「弾薬がない?」

 キリの言葉にはてなマークを浮かべる雅一だった。

「キリは、銃剣が弾薬も関係なしに使えるからいいって言う事よ。」

 カノンが代わりにこたえる。

「なるほどな」

 雅一は、きらりと光る銃剣を一目見て前を向き直り進む。



 数十分歩いていると。

 突発的に銃声音が鳴り響く。

「このパターンは……」

「まったく、あなたは本当に疫病神みたいね。」

「それは、言わない約束だろ!!」

 4人は走りながら銃声音が鳴り響く場所に向かう。



 いって見ると想像通り二人の少女がビルに立てこもって抵抗している風景が広がる。

「敵がおおいかしら」

 アヤネが、状況把握をする。

「それなら、シマリに連絡して車を出せる準備をさせないと」

 カノンは無線でシマリに連絡を取る。

「シマリ、緊急事態よ。あと3,40分したらそっちに向かうから、車をいつでも出せるようにエンジンを温めておいて。」

「わ、わかりました。」

 シマリが慌てた様子で無線を切り、カノンがみんなの顔を見渡す。


「ミノマサだっけ? 名前。あなたのスキルでこの状況をどうにかできないの?」

「無理だな。さっきの時でスキルを使い切って一日たたないと回復しないし、なんせ剣まで折れちまったからな。」

「使えない疫病神ね。」

「ほっとけ」


 カノンが銃撃の音を聞きながらその様子を見て、

「それなら、私と疫病神が二人の所に行くから、二人はここで待機して。」

「俺の名前は疫病神かよ…」

「わかった」

「…了解」

「へいへい、わかりました。」


2人はビルへと向かうために飛び出した



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