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開店準備

4月29日改訂









日本、新田家。


義雄がスミスさんに連れられて家を出て行った後。夏休みが終わり、一週間がたった平日の放課後。短髪で部活の夏合宿で日焼けし、女子高生にしては引き締まった体で走って来たのだろう。息を切らせ健康的な汗をにじませ、新田家にやって来た。 

彼女の名前は、”秋葉 優” 義雄の幼馴染だ。 

彼女の母が心配するぐらい性格が男っぽい彼女が、物心ついた頃から義雄とはじめと彼女で毎日遊んでいた。


彼女はいら立っていた。

何故なら夏休み突然義雄が泊まり込みで禁止されている筈のバイトに行くと連絡があったきり音沙汰がなく。

学校が始まって見れば先生は「新田君はアメリカに留学しました」と隣に住んでいる私でさえ知らない事をほざいたのである。思わず優は、教室で「は?」と声をあげてしまった。みんなの視線が痛い。


先生を問い詰めても「私もビックリしたのだけど、校長先生に今朝聞かされたので、何も知らない」と言うだけで何も分からず。 

放課後校長室は、さっきまで誰か居たのかエアコンの涼しさが残ってはいたが、もぬけの殻で。

はじめを捕まえて問いただしても何も知らなかった。

その日急いで家に帰り。義雄の母と友達である母に聞いてみたがバイトの事は、聞いていたが留学の事は知らなかった。


義雄の家に行って見たが共働きの新田家では,誰も居ない。義雄の母の店は、新装開店したばかりで店も忙しい。毎晩遅くまで仕込みをしているらしく帰りが遅い。朝は寝ている。


義雄の父と兄は常連のお客さんで、いくつもマンションを所有している金持ちが、夏休みに使う軽井沢の別荘をリホームする為に出張に出ている。

山の中なのか携帯もつながらない。流石に別荘の電話番号まで調べる事は出来なかったが、そんな日々が一週間続き。

義雄の母が経営するレストランの定休日に義雄の母を捕まえる事が出来た。はじめと待ち合わせをして義雄の家に来ている。


「おばさん!どう言う事ですか?いきなり泊まり込みで校則違反のバイトに行ったと思ったらそのまま留学なんて… 義雄やお兄さんにも携帯もつながらないし」


優は瞳を潤ませながら義雄の母に詰め寄る 


「落ち着け、優」


はじめがなだめる。


おばさんは「ごめんね、優ちゃん。義雄には、優ちゃんに連絡するように言ったのだけど…」と言い“おばさんが知っている事実”を話し始めた…。


だが私は、後になって知る。おばさんの知る事が真実でない事に…。





ボーダー城下町。 



義雄達は、店を買った次の日。店に行き掃除をしながら馬車を運び転送用の魔法陣(ステンレス板)を地下室に運び。いつでも転送できる準備を昼前には終えた。モニカさんが差し入れを持ってきてくれた頃には一通り掃除が終わった所だった。

差し入れを美味しく頂き、俺とスミスさんブラウン中尉で午後から馬車に乗り買出しにでた。ミゲルとバーク少佐は無線機のアンテナ設置の為、店に残った。


その日に仕入れたものは、



レンガ(ガラスの溶解炉用)、薬草図鑑(冒険者の採取用)、薬屋にあった薬全種類、初級の魔術書、大陸の地図(大まかな)、この世界の服、自炊用の食材、など。



俺は、買い物しながらも店主や店員と日常会話しながら情報をこつこつ集めていた。情報屋なんて都合の良い人が居れば苦労はしない。

買い物を終え、帰りにギルドに来ている。アース商会の従業員をギルドで募集する為だ、受付に行き手続きをしたのだがこんな感じだ。




依頼主:    アース商会


仕事内容:   交易品販売  製造販売


募集人材:   1.装飾職人 鍛冶職人 又は経験者

        2.販売店 店員

        1. 2. 長期できる人 人種不問


報酬:     1.月々 銀貨 50枚 能力しだいで優遇

        2.日給 銀貨 1枚+歩合


勤務地:    ボーダー町・ギルド裏通り


参考:     新規店舗オープン。 詳しくは面接で



ギルドに手数料を払い、これでギルドを経由し面接に人が来るはずだ。何かハローワークみたいだよね…。手続きが終わり、参考に他社の募集を見ようとギルドの掲示板に行くと人集りが出来ていた。 

よく見るとみんな何か1つの依頼を見て話しているようだ、商人風の人達がほとんどだが。中には腰に剣をぶら下げた、傭兵風の人達も混じっている。


「食料の行商でこんな高報酬初めて見たぜ」


「殺されに行くようなものだろう」


「こんな依頼受ける奴いるのかよ?」


などと話していた。俺は興味が湧き、ギルドの商人用の掲示板に貼られた依頼書を見る。 



  □



依頼主:     ガルシア商会 ボーダー支店


依頼内容:   1.緊急行商依頼 薬と食料の輸送販売

        2.商団の護衛(詳しくは傭兵用掲示板で)


報酬:      出張料 金貨200枚+販売利益


行商先:     ナバーラ王国 ガルシア商会 王城仮設店


条件:     1、馬車所有者 商人ランク:E 以上 出発は3日後朝5時 


参考:      ルイス騎士団護衛あり

         片道1週間予定往復で30日を超えた場合

         追加報酬 10日ごとに金貨100枚

         支払い方法 帰還後ギルド報酬窓口(販売料金は現地)

         馬車7台で締め切り 2台未満で中止


   □ 



普通なら破格の依頼である、ナバーラ王国が戦争中で王城に篭城していなければ…。 

護衛のルイス騎士団は、ルイス将軍率いる騎士団でルイス将軍は魔王との戦争で勇者と共に四魔将の1人を共に倒した英雄で、大陸で5本の指に入る名将なのだ。

彼の指揮で大国、神聖デント王国とここまで戦争で互角に渡り合い今も戦争を続けている。

(ルイスには借りが有ったな、それに相手は…)義雄は、依頼を受ける為ギルドの受付に向い歩き出す。



○ ○



その日の夜、アース商会・本店。


設置した無線機で、ホフマン大佐と連絡を取り(距離の関係でしばらく無線連絡できなかった) 地下室に設置した魔法陣を使い、物資の運び込みと今日仕入れた薬などを送る。 


本来であればこれでホフマン大佐とスミスさん達は、今回の探索を終え帰還する予定だったが。 

義雄が設置した結界魔法陣が優秀で、安全が確保された事と植物の採取と生き物の捕獲があっさり成功した事で、米国本土から新たな命令が下された。 

異世界の基地に常時米軍の駐屯。司令官にホフマン大佐、それと… 

大統領の特使が転送魔法陣を使いホフマン大佐と視察に来たのだ。 

ホフマン大佐が来るとブラウン中尉は人が変わったように率先して働き出した、この人って… しかも動きが機敏だ。

スミスさんは特使と共に一時帰国でバーク少佐とブラウン中尉は俺の店に常駐するそうだ。ホフマン大佐いわく「何をやらせてもいいからこき使ってくれ」との事、ホフマン大佐やスミスさん達が帰還すると思っていた俺は、あの依頼を受けた事を話していなかったので、スミスさんが怖いから特使が来たときに話した。 あっスミスさんが睨んでる視線が痛い…


「その依頼はかなり危険なのだね?」


特使が俺に話す。


「はい 常識で考えれば 死に行くようなものです ですが…僕なら平気です」


「ほぉ…何故平気なのだね? それに無理しなくても金は稼げると思うが」


スミスさんが激しくうなずいている。 


「僕には、地球で研究した魔術がありますから。いざとなったら魔術で逃げられます。これは、前世で受けた戦友への借りを返す為です。反対されるのは理解できますが 僕はなんと言われようとも行くつもりです」


“戦友への借りを返す為”と俺が言った時にホフマン大佐とバーク少佐の表情が変わった気がした。ブラウン中尉は僕の後ろで視界に入っていない。

特使は黙って少しの間考え込んでいる。


「新田君、恐らく君が考えているより,我が国は君に期待している。その証拠に私が今ここに来ている。君の覚悟は分かった、君の言う事を信じよう。だが…護衛にバーク少佐とブラウン中尉を連れて行くのが条件だ。 確かに君の今の立場は民間企業の代表だが、我が国と契約関係にある事を忘れないで欲しい」


「ありがとう御座います特使」


俺と特使は握手をして夜の街を案内した。しかしブラウン中尉は、物資の整理とガラス溶解炉の製作でホフマン大佐が連れてきた部隊の指揮をする為に留守番を任された。ホフマン大佐が居ないところで愚痴っていたのは、黙って居てあげよう(笑)

特使は、街の視察を終えるとそのまま直ぐにスミスさんと共に帰還した。


ガラス溶解炉は、ブラウン中尉と兵士達のおかげで次の日の夕方には完成していた。

その間ミゲルと俺は、昨日運ばれた商品を棚に並べ。値段設定をして。昼には、だいたい値段設定は終わったので俺はバーグ少佐と二人でナバーラに運ぶ食料などを仕入れに市場に行き。仕入れを終えて帰って来た時には、日が傾いていた。 


  □


商品は、

コップ、ビー玉、瓶、ルーペ、自作杖(魔道具)、指輪(魔道具)、ネックレス(魔道具)、石鹸、ろうそく(この世界にない)、香水(小瓶入り)、胡椒、砂糖、紅茶葉、緑茶葉、飴、炭、網(魚業用)。


  □ 

  


こんな感じだ、最初から飛ばすと目立つので地味にスタート。ナバーラ王国から帰還しだい、いろいろやって行こうと思っている。しばらくはミゲル店長に任せる、面接も経営も。ミゲルの実力を試すのに良い機会だ。

それに俺が出発する日にスミスさんが戻ってくる予定なのだ。転送魔法陣は、ミゲルに使い方を教えたので一日一回ぐらいは問題ない、それ以上は魔力が厳しい。バーク少佐とブラウン中尉の代わりの兵士も滞在する事になっている。



○ ○ ○




神竜大陸西端のとある村近くの畑。


農夫である彼はその日、野菜の収穫の為にご機嫌で毎日通う畑へ向う道を木製のリヤカーを引いていた。


「今年は豊作だぁ~なぁ~ 神竜様のおかげだっぺ」と独り言をつぶやいていると突然あたりが一瞬暗くなる。 

農夫は何がおこったのか分からず、反射的に空を見上げる。「…神竜様」と言うと腰を抜かしその場に尻餅をつき、神竜様が飛んで行った西の海の方を拝んでいた。













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