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ミゲルの家

4月24日改訂




モンスターや盗賊に襲われている、お姫様や奴隷商人に捕まった美少女に会う事無く。無事にボーダーの城下町にたどり着いた。期待してたのに・・・。


町は海以外壁に囲まれており、門は完全に開いていた。交易都市だけあって、面倒な手続きなど無く。何事も無く門を通過する。ちなみに関税は、入国時に支払う。その為の関所も国境にあるが入国すれば関係ない。ここは交易都市いろんな人が絶え間なく出入りしている。

そんな人々をチェックしていたら物量が停滞する。流石に賞金首や怪しい人間は呼び止められるが、馬車などに隠れていたら分からないだろうな。


そんな中、デジカメを握り締めブラウン中尉が写真を撮りまくっている馬車の中から撮っているので目立ちはしないが… 

仕事なのは分かるが。ブラウン中尉は、日本のアニメをこよなく愛するアニオタで。虎人の亜人を見ると『ネコミミ~』と日本語で言い興奮していた。彼は魔術の訓練も一番熱心で今回の任務も志願して来ている。これでも米軍のエリート士官なのだが… 多分あの撮り方は半分趣味だな。いや、全部? 

見かねたバーク少佐が何かブラウン中尉に言っている。スミスさんは町を観察して何かメモをしている。


街中は交易都市らしく、多種多様な民族が行き来している。 エルフ、ドワーフ、虎人などの亜人の見受けられる。勿論義雄のような、アジア系の人間も数多く居る。神竜大陸の住民は大半が見た目はアジア系の人間だ。

この大陸でも黒髪黒い瞳は少ないが珍しくは無い。露天の客引きの声が聞こえてくる。そんな活気のある露天街を抜けてミゲルの家に向う。


ミゲルの家は港の近くにあった。潮の香りと微かに波の音が聞こえる。ミゲルの自宅は2階建ての屋敷で、そばには倉庫が並んでいる。


すると倉庫から茶髪で中肉中背の男が出てきた。


「ミゲルじゃねぇか…」


「父さん,ただいま」


「心配かけやがって」


そう言うとミゲルを抱きしめる。


「ミゲルこちらの方は?」


ミゲルの父はミゲルを放し俺達の方を見てそう言った。


「彼女はリーザ。彼はヨシオ。バークさんとブラウンさん。道に迷った僕を助けてくれた人達だよ」


「家の馬鹿息子を助けていただきありがとう、俺はエランド商会の商会長をしているビリー・エランドだ」


「いえ,たいした事はしていませんよ」


背後から買い物でもしてきたのか野菜が入った籠を持った茶髪の女性が走ってくる、


「はぁ、はぁ、あぁやっぱり,ミゲルなのね」


そう言うと瞳に涙を溜めてミゲルに抱きつく。


「母さん,ただいま」


ミゲルも瞳に薄っすら瞳が潤んでいる。スミスさん達も温かい目でその様子を見ている。

俺は前世の記憶のせいで、こんな時でも一歩引いて見てしまう。他人に対して心の底から喜んだり、悲しんだり、感動したり、出来なくなっている。そして自分の感情を無意識に隠している。 


俺達はミゲルの家に通されリビングでミゲルの父,ビリーさんと話している。

ミゲルが今まで何をしていたかは事前に打ち合わせしておいた事をミゲルが説明していた。山で薬草を探していたら、リザードマンに襲われて逃げたのは良いが、怪我をしてしまい。その時に頭をぶつけ記憶を失い。俺達に助けられ。一緒に旅をしていたが記憶が戻り帰ってきた。と言うストーリーだ。

怪しさ満点だがどうやら信じたようだ。


「なるほど そうだったのか大変だったな… ホントに息子がお世話になったようで申し訳ない それでヨシオ達はもう宿は決めたのか?」


「いえ,まだ決めていませんこれから探そうと思います」


「それならわざわざ金を使う事はない家を使ってくれ,家のモニカが作る料理はボーダー1旨いぜ」


自慢げにビリーさんは言うとモニカさんとミゲルがうなずいている。


「それは助かります、お言葉に甘えて…そうだ、流石にタダでは申し訳ないのでこれを差し上げます」


俺は袋から赤ワインのビンを取り出すとテーブルに置く ラベルは付いていない、事前に剥がしてある。中身はカルフォニア産の赤ワインだ。


「これは何だ?」


そうこの世界ではガラスが無い。窓も木製で出来ており、ワインはビリーさんが作る葡萄酒と作り方は同じだ。


「これは僕の国の葡萄酒で、この容器はガラスの瓶です」


俺はそう言うとソムリエナイフでコルクを抜く。持参のワイングラスに入れてビリーさんの前におく。


「どうぞ、ビリーさんの作る葡萄酒には劣ると思いますが」


ビリーさんはグラスやワインを真剣な表情で見て香りをかぎワインを一口飲む。しばらく味を確認して一気に飲み干す。


「これは旨い、俺の作る葡萄酒とはまた違う味だがこれは飲みやすくて良いな。それにこの透明な容器まるで水晶のような綺麗なものだな」


「そうですね…このワインは5年前にこの容器に入れたものです」


「…5年も容器に入っていてこの鮮度凄いな」


この世界ではワインの熟成や保管は樽でしか鮮度は保てない、陶器などで保存は効く蓋などの問題でどうしても空気が入り鮮度が保てない。


「実はこの容器に使っているガラスをこの大陸で作ろうと思っています」


「父さん俺、ヨシオと一緒に商売をするよ。良いだろ?」


話すタイミングを見ていた、ミゲルが言う。


ビリーさんは黙って何か考えているようだ。


「ミゲル、冒険者はどうするんだ?」


「ギルドの仕事を失敗したし、今更だけどやっぱり冒険者より商人の方が性に会っていると思う。それに今回の事で懲りたよ」


真剣な表情で父ビリーに話す。


「分かった、若い頃は何でもやってみろ。だが途中で投げ出すなよ。父さんに出来る事は何でも相談してくれ、それにこのガラスと言う容器はうまくいけば良い商売になる」


この日の話は、これで終わり。モニカさんの手作り料理を堪能し、葡萄酒で夜遅くまで飲み明かした。


ん?俺も飲んだよ。この世界では未成年でも普通に酒を飲んで良いんだよ。あれ?まだ、誰かに言い訳を… 大丈夫かな、俺?









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