開発②
次回は新契約の話と魔術師試験に入る予定です、ハーフエルフの男が登場か!
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ナバーラ王国、レオン領。
開発は順調に進んでいた、外壁は義雄が切り出した石でゴーレム達が印にそって並べていく。定期的に石を補充したり、ゴーレムを補充する事で24時間体制だ。こんなに長時間ゴーレムを運用できるのは、義雄が開発した魔法陣のおかげだ。この世界の基準では普通20分動かすだけでランクCの魔術師が魔力を使い果たす。
ならべられた石と石の間を村人がモルタルで埋めていく、それを繰り返して最終的に外壁の高さを4~5メーターにする予定だ。完成すれば巨人が来ても大丈夫、まるで…、
むっ…今…天声が聞こえてそれ以上は言うなと…。壁の上に上水を流す事も考えて壁を作っている。
基本壁は、義雄が付けた印にそってならべて魔法陣にする、全ての印を壁にすると壁だらけになるので数箇所のブロックにわけて壁を作り。邪魔になる所は道にする。この時故意に誰も入れない場所を作っている、魔法陣でしか出入り抱き無い空間だ。元は何も無い平地で水場も遠く、人も住んでいない。
次に農家を中心とした建築経験の無い人間にレンガを作るために粘土を集めさせ、村の窯でレンガを焼いて作ていく。出来たレンガで新しい窯でさらに焼いていく、粘土運びが間に合わなくなるとゴーレムを使い運ばせる。燃料の心配はない、魔法陣で火を出している。
「こんなにいっぱいレンガを何に使うだ?」
ギムが俺に向かって聞いてきた。
「まずは、下水を作る。地面を掘ってレンガを筒状にしてモルタルで補強して埋める。それで川の水を引いて上流から下流に流れるようにする」
浄化の方法は検討中だが、流しながら微生物で浄化する予定だ。日本のように完璧には無理だろうがやらないよりマシだろう。上水も整備する予定だが現在川から水を汲み、使っている事から下水から先に作る事にした。
上下水が出来てから本格的に住宅建設に移る予定だ。各家にトイレと水道を前提に家を作りたいからな、後からだと2度手間だ。
「なるほどな、流石男爵様だ」
感心したようにギムが言う。
「所で男爵様、下水って何だ?」
俺はずっこけた。
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後日。
突然の来客があった、リーザ、スミスさんが事前の連絡無しに訪れた。物資と共に移送されてきたのだ、ちなみにミゲルが魔法陣を使って移送してきた。
「お久しぶりね、新田君」
「…いえ、急にどうされたんですか?」
「新田君が突然、ギルドの依頼を受けて居なくなったから顔を見に来たのよ」
「はっはっ、すいません…。でも契約通り、米国との貿易は順調だと思いますが…」
「ふっふっ冗談よ、頼みが有って来たの。勿論本国からの頼みよ」
「頼みですか…」
(…ロケットに関しては、話さないだろうな。まぁ”神々の雷”なら、この世界の住民なら知っている筈だしな)
魔物除けの魔法陣と使い魔を使い、監視している。それと従業員に情報を物資と一緒に送るよう命じているからだ。
神々の雷は、古代帝国の遺産で空中都市の防衛システムで。魔王の城に行く時の最大の障害だった、討伐パーティーはリナに乗って行けたが、護衛のドラゴンの中には盾になって死んでいった者いた。だいたいの雷は、防衛魔法と魔道具でしのいだが…。勇者の伝説に出てくる有名な話しになっている、ミゲルから聞いた話で知った。
「正確には、新たに契約し直す事かしら。今は契約が有効なので、お願いになるのだけど」
今の契約を分かり易くまとめると。
① 異世界との貿易を仲介する事。(アース商会が米国の物資提供を見返りに、異世界の物資を米国に輸出する事)
② 魔法陣の提供、魔術の師事。
③ 魔法、魔術を含む、異世界の情報提供。
④ 異世界の貿易は、アース商会を通す
⑤ 米国は、契約中政治的介入をしない。
⑥ 契約は3年間、両方の合意で更新可。
他に細かい内容もあるが、まとめるとこんな感じだ。
「新しい契約ですか…」
「ええ、そうよ」
「…まだこの世界に来て2ヶ月位しかたって居ませんが、もう新しい契約の話ですか」
ここで「え?どんな契約ですか?」なんて聞いたら相手のペースになる、スミスさんと出会ってから、今まで米国ペースで来ているからな。俺をただの16歳のガキだと思っている節がある。まぁ必要以上に警戒されても困るが、あまり軽く見られると俺を無視して暴走しかねない。今暴走されると厄介だ、今はだが…。
「…結果的にそうなるわね、でも状況が変わったのが大きいわ。具体的には、貴方が領主に成ったのと異世界の予想以上の有用性ね」
(状況が変わったから契約を見直しするなら、契約の意味が無い。そんな事、スミスさんも理解しているだろうに)
「なるほど…ですが、僕は少なくても3年は、このままで行きたいのですが?」
「…最初は追加契約でお願いするつもりだったのだけど、米国が正式に異世界に対する組織を作る事になって。契約自体を見直した方が良いとの上の判断ね。それに新田君にもメリットは大きいと思うわ」
「…なるほど、そう言う事でしたら契約の内容を見せていただきましょう」
「分かったわ」
リーザが書類の束を机の上に出す。
「これが契約書よ、確認をお願いするわ。それとこれ」
今度は手紙を差し出す。
「これは…、ミゲルからか」
手紙に書かれた、差出人を見ながら義雄が言う。
(しかし、リーザさんから手渡しか…)
「ええ、何でも魔術師試験の受験票だそうよ」
(領地開発で忘れていたな…、適当な魔法陣を売れば金になるしこれは受けないといけないな)
「契約書の確認に時間を下さい、そーですね…10日ほどで良いです」
「分かったわ、10日後にまたくるわね」
そう言うと早々に帰っていった、勿論義雄の魔法を使い、義雄が開発した魔法陣で。
○ ○
ミゲルからの手紙を読み、次に契約証を開き、取りあえず目を通してく。
「フぅ~、これで一通り目は通したぞ」
義雄が読み終えた時には深夜で、部屋に戻るとリナがソファーで義雄の帰りを待っていたのか。ソファーで寝ていた、リナをベッドに運び布団をかぶせる。
「熟睡してるな…、これなら平気か」
じーとリナを見ていた義雄が言う。義雄は用意していた偽銀と契約証を入れた袋を片手に空中に魔法陣を作り、地球に消えていった。翌朝リナが目を覚ます頃には、眠そうな顔をして戻っていた。そんな眠そうな義雄をみてギムがヤラシイ笑顔で「男爵様。女はほどほどにしといてくれよ、仕事が山ほどあるからな」と言っていた。勿論華麗にスルーだ…。
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6月14日修正、




