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レオンの町

改訂中





ナバーラとの物資のやり取りを相談してボーダーの店員を1人ナバーラに派遣する事になった。


ミゲルとスミスさんとの話を終えた俺は、ミゲルと職人達にステンドグラスを作るのを最初の目標に頼み。俺が書いた本に作り方が書いてあるので見るようにと指示を出す。ナバーラに行く準備をしようと思った時、ミゲルが話しかけてきた。


「ヨシオ、言い忘れていた事があるんだ」


「ん?何」


「転送魔法陣の事なんだけど、ギルドに登録した方が良いと思うんだ」


転送魔法陣はこの世界でもかなり貴重で、使っているのは、ギルド、1部の国、ごく1部の商会ぐらいで、それぞれオリジナルの魔法陣を使っている。

みんな同じものを使うといろいろ不味い。A国が王族の逃走用に陣を作るとそこにギルドや他の国人間が出入りできる事になる。

商会なら間違ってA国に商品を送って知らない顔されるかもしれない、暗殺者や盗賊が侵入される事もある。


ギルドに登録すると仮に後から偶然同じ魔法陣が開発されても所有権が認められる。

何処からか情報が漏れたりしてギルドに登録されると、魔法陣が使えなくなる。

偶然魔法陣がかぶっても登録すれば、所有権を主張し魔法陣を破壊して使わないように言える。

従わなければ賞金首なる。勿論ギルドも追放、仕事が出来なくなる。所有権の売買も可能だ。


逆に転送防止の魔法陣や魔法も存在する。

登録するには、魔術師ランクC以上必要だ。ミゲルから説明を受ける。


「ミゲルだと登録できないのか… 試験は誰でも受けれるのかい?」


「魔術師の推薦があれば出来るよ。推薦だけなら俺でも出来る、次の試験は3ヵ月後、学園都市であるよ

ミゲルが申し訳なさそうに答える。


「そうか…受けてみるよ。推薦頼むよ、ミゲル」


「うん、推薦状書いておくよ」


「それと…米国スミスさんたちの行動を見ていて欲しいんだ」


「え?どうゆう事」


「地球では米国は最大最強の国なんだけど、地球のあちこちで自国の利益の為だけに国を滅ばしたり、裏から支配しようとしたりしてるんだ。人間の権利を大事にしてるくせに、ミゲルの実験みたいな事もするから心配なんだ。もし人が足りないなら雇ってもいい、スミスさんも祖国には逆らえないだろ?祖国には家族も居るし」


ミゲルは柄にも無く真剣な表情になり。


「考えたくないけど…ヨシオがそれで安心するなら調べてみるよ。リーザさんがそんな事、しないと思うから何も無いよ」


(ミゲルはもしスミスさんが裏切ったら、どうするだろう…。俺からも調べておくか…とりあえず、使い魔と魔方陣で監視だな)









ナバーラ王国、


ナバーラに物資を転送させて俺とリナ、バーク少佐とブラウン中尉でナバーラに来た。


「お帰りなさいませ、旦那様お城から使者が来てお帰りになりしだい登城されるように、との事です」


「ただいま、ホセ。早速、城に行ってくる、馬車の用意をしておいてくれ」


「かいこまりました」


ホセは頭を下げて返事をする。


城まで徒歩5分、まだ篭城の影響か住民の姿が見えない。まぁ城の近くだからかも知れないが。


城に入り、謁見の間に通される。他の部屋は、篭城戦で兵士たちが寝泊りしてたのでまだ片付いていなくて使えない。


「お待たせしました、閣下。私がレオン領にご案内させていただく、ルイス騎士団のサントス・ベルムードともうします。サントスとお呼び下さい」


サントスは20代前半ぐらいで身長は185cmぐらい、赤髪、蒼い瞳。騎士らしく筋肉質でイケメンだ、持てるだろうな…。


「よろしく頼むよ、サントス」


サントスの案内でレオン領に行く事に、サントスはレオン領の村出身で、ルイスに憧れて騎士になり、神聖デント王国との戦争で活躍して小隊長に昇進した。


サントスの小隊が護衛でレオン領に行く、俺が領主として落ち着くまで駐留してくれるそうだ。大臣から領地の引渡し証を受け取り、いったんサントスと共にナバーラ支店に戻る。


ボーダーから持ってきた物資を馬車に積み込む。転送魔法陣だけではミゲルの魔力の制限があるので出来るだけ持っていく。


「ホセ、すまないなかなか時間が取れない。君に任せるからこれを資金に店を出してくれ、ボーダーから1人こっちに来る。その店員とミゲルに商品の事は相談してくれ」


金貨100枚の入った、袋を渡す。


「かしこまりました」


「後は頼んだ、行ってくる」


ナバーラの王都を出た俺達は、王直轄の街道を通り。旧街道に出た。

王直轄の街道は、戦争直後にもかかわらず、治安が良く何事も無く通れた。


旧街道に入って突然、ゴブリンやオークに襲われるようになり。道も狭く荒れている。バーク少佐に「あれがオークだよ」と教えるとオーク亭のことを思い出して顔が青ざめていた、ブラウン中尉はけろりとしている。


神聖デント王国軍の残党が盗賊になり、襲ってきたりしたが、サントスが全て危なげなく倒していく。俺の出番は無かった。


俺は道中、馬車の中でレオン領の地図や資料を見ていた。


(うーん、領地は広いのに農地が狭いそれにしても山が多いな、レオンの町の近くに大きな川がある水には困らないか…、まずは現状確認だな)


レオン領に行く途中、周辺の村にも立ち寄ったが、ほとんどの村が焼かれ、小屋を作って村人達が住んでいる。ルイス騎士団の活躍で、ほとんどの住民は避難して無事だったがその分食糧、家、全てが足りないのが現状のようだ。


リナは立ち寄った村の子供に飴を一粒ずつ、あげていたがなくなってしまい、子供達に何度も謝り。その時のリナの表情と子供達の笑顔が目に焼きついた…。サントスやバークさんも複雑な表情だ。


ナバーラ王都から1週間の旅路でレオンの町に着いた。

いや、町だったと言うべきか…、町の建物はほとんどが崩れ落ちるか焼け落ち、瓦礫はそのままだ。町の人々の表情は暗い、自分の家だった場所に小屋を建て野宿同様な生活をしている。


前レオン男爵は神聖デント王国との戦争で亡くなり、家族も臣下達も皆殺しにされ。食料は山菜やモンスターの肉で今までしのいできたそうだが、現状では餓死しないでしのげる程度でかなり苦しい。


俺達は焼け残った古宿を借り切って仮の役所にし、転送魔法陣のステンレス版を置き、情報収集と現状把握に取り組んだ。町の代表を呼び、話を聞き、町で食糧を配った。


翌日には、転送魔法でボーダーに戻り、鍛冶屋で農具を発注して、食糧を買ってレオンに戻る。食糧の配布をサントスに任せ、町を見て回り、それが終わると、町の周辺を見て回る。


「サントス、明日は領内と村を見て見たいのだけど、町の食糧は大丈夫?」


「はい、当分は平気です。町民は喜んでいますよ」


レオン領には、3村、1町ある。


「…ヨシヒコ、私に何か出来る事は無いですか?」


リナは自分から何か積極的に行動するタイプじゃ無い、どちらかと言うと控えめで、やさしい子だ、嫌なことでもため込んでしまうところがある。


前世の頃は妹の様な存在で本当は彼女に魔獣と戦わせたくなかった。

その影響か彼女に何かやってもらうのに引け目を感じていて、今まで何も頼んでいない。


「リナ… 俺は」


「ヨシヒコ、私はヨシヒコや子供達の役に立ちたいのです。16年間も休んでいたの、働かせて下さい」


村の子供達とのやり取りで、リナはリナなりに何か思うところがあったのだろうか。


「あぁ、わかったよ。でも無理はしないでくれ、俺はリナに幸せになって欲しいんだ。リナは何時も自分の事は二の次だから……。 リナも少しは大人になったんだな」


何故かリナが不機嫌になり「私は子供じゃありません!」と言ってふくれている。








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