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束の間

作者: 村雲


それが過ぎて


アイデアは彼を侵食して


小難しい単語を並べて


例えばそれを芸術だと自惚れて



それが過ぎて


稚拙な問答で着飾って


いつかやる喧嘩に備えて


今日も彼は画面の前を離れずにいて



それが過ぎて


空腹は脳裏を一変させて


思いつく罵声をノートに残して


夜が進むにつれ呟きも饒舌になって



それが過ぎて


なんかやらなきゃと思い立って


明日からの計画を練って


明日も同じことをすると知って



それが過ぎて


剃刀はいつかナイフに変わって


自分の腕以外の場所で


その意義を証明するようになって



それが過ぎて


アイデアは少しずつ背骨を沿って


どうか思い出して


彼とイコールになるその狭間で



それが過ぎて


今日も誰も入ってこない戸に鍵をして


どうにも遣る瀬なく画面を見つめて



言わない口で


奮わない手で


気づいて


そう言って



いつかそれも過ぎて


それでも続くと知っていて


だから昨日と同じ振りをして



その左腕


悦楽を伴って


自虐という名の生きる糧


死ぬ勇気があるなら生きて


その決まり文句は言ったもん勝ちで



一体全体どうしたんだって


心配そうな素振りをして


それがサヨナラの合図なんだって


知ってるくせにこの様で


冷静と無知を装って


小難しい単語を並べて


息を止めて


そして。




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