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第二章【法律は、所詮人間の暮らしのモラル】

わしは78歳になって、「人としての道」も「森の中で人が歩く道」も踏み外した。


 赤い足跡は見ていて痛々しかった。

「痛かったな。すぐに治療するからな」

足を引きずって森の中へ向かう血液に寄り添いながら、その隣をゆっくりと歩く。



「今はたしか、水のドラゴンの時期だな……20年周期で現れると言っていたな」 

ハンター経験のないわしは、少し前に情報屋が出す掲示板で見た、にわかな情報を整理。



とはいえ、ドラゴンの大きさが分からないことだけは不安だ。




 ガサガサ



 人の通る道ではないため、草たちで混雑していた。身体を無言で押しながら前へ進む。


時々草たちの足元を覗き込み足跡を確認。



ーー 1時間後 ーー



居た… 猫のように丸くなって寝るのか。



 グルルルル…


いびきと似て異なる低く唸る声で体内の細胞を動かされる。


「こりゃ、驚いた…」


 わしはハンターこそ経験していないが、この巨大のドラゴンは初めて見た。


感心した。 まるで広大な大海原を見ているような気分。



詳しくはないが、全長は15、6メートルほどはあるだろうか


水のドラゴン

海のように、青い色が特徴的だな。



普段は襲われでもしない限り、この至近距離で会う事はまずない。

まず大前提、こんな寝ている姿は滅多に。


「さて、わしに任せなさい」 白衣の腕をまくり、ドラゴンを優しく見つめた。


 気を失っているのだろうか。ドラゴンの周りを一周したが目を覚まさない。


一冊のノートとペンを取り出し情報をまとめる。

・頭部

 1.目視できる範囲で、頭頂部付近外傷あり

 2.両目(まぶた及び眉付近) 外傷なし


・胴体 

 1.目視できる範囲で、広範囲に切り傷を確認。一か所のみ深い切り傷を確認、出血がひどい。

 2.腹部 寝る姿勢により目視できず

 3.両翼 外側。損傷は見受けられず(内側は確認できず)


・脚部 

 1.寝る姿勢により一部目視できず  

 2.左の足の裏切り傷



 こんなところか


果たして人と同じ治療で治るのか?

手の届く範囲で切り傷に対して塗り薬で処置で様子見だな。

出血もひどい。輸血も必要かもな。


「また来るからな」


 そう言うとその場を後にした。


 ー 医院 ー

ドラゴンに輸血するとはいえどうやって…

法を犯している以上、誰も協力してくれるとは…

わし1人の血でどうにかできるとも思えん。

 

 

 ーー 翌日 ーー

手当たり次第の薬と少しばかりのわしの血液の溜まった小瓶を5本を持ち出し荷造り。

「エサはやはり肉かの…」

独り言を呟きながら箱の蓋を閉めた。

 

ー 肉屋 ー

肉屋に立ち寄る。


「いらっしゃい!おっ!ワシマカの爺じゃねぇか!」

肉屋の店主が気前よく声を掛けてきた。


「あっ……あぁ良い肉は入っとるのか?」


「鶏肉が今日はいいな!どうする?」


「それをくれるか?」

1つ指を立ててお願いをした。


「また来てくれや!」


店主の声を背に、罪悪感を覚えながら町を後にした。



ーー 2時間後 ーー


「まだ目は覚まさぬか…」

ドラゴンの目の届く範囲に生肉をそっと置いた。

 昨日と何も変わらない様子。地面を見ても何も変わらない様子。



 傷口は…



見間違いで無ければだが、こころなしか傷口が塞がっているように見えた。


「人間と同じでよいのか?」

カサ…


 一歩下がった拍子に声が聞こえた。足元の小さな声に耳を傾けた。


ヤショリの葉……薬草か…

現在では、ヤショリの葉を乾燥させ薬丸(やくがん)にする。

飲む量を間違えると酒と同じ様に泥酔するが、酒と異なるのは酔が覚める事なくそのまま死に至ると言うこと。



 そういや塗り薬の成分に、ヤショリの葉と相性の良い物があったよな…


ヤショリの泥酔させる成分を打ち消す…



 これだ




 塗り薬を塗る。ヤショリの葉をしっかり揉み、塗り薬の上に押し当て貼り付けた。


 ぐるルルル…………!!



 威嚇するように唸った




危ない!



しかし目を覚まさずいびきのような声が安定。



……ふぅ


 口を尖らせ肺に溜まった緊張を吐き出した。

「輸血はどうしようか」目を覚まさぬ患者に問うた。

針を試すも折れてしまう。

 

ーー 2時間後 ーー


 よし。全て終わった。



足元のヤショリの葉だけではさすがに足りなくなると思い近くを探したら群生していたので助かった。

輸血は、ドラゴンの胴体にある深い傷口に直接流し込んだ。小瓶の5本を使い切る。

輸血だけは博打だ。感染症を引き起こさなければ良いが。

 

わしは、ドラゴンが目を覚ます事も覚ました様子もないまま3日間同じ治療を繰り返した。

次回は、【2025年06月21日 14時00分】 に投稿します。


最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。


 まだまだ魅力に欠けると思っております。

読者様の正直な、お気持ちで結構です。

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