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秘密のクロマル  作者: はなまる
第五章 クロマル強奪
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幕前

 その事件は、良く晴れた日のある夕方に起きた。


 いつも通りの部活の帰り道。僕は、ハラペコで騒がしい胃を押さえながら、自転車を走らせていた。


 ああ、ハラヘッタ……。今日は給食のお代わりが、二回しか出来なかったからなぁ。三回目はジャンケンとか、マジでキツイ。


 ペダルを踏む足にも力が入らなくて、ヘロヘロと惰性で進んでいた。


 ふと見ると、道の反対側を歩く女子高生たちが何やら指差して、きゃあとか、かわいいとか、華やかな声を上げている。


 制服の彼女たちが指差す先には、見覚えのあるラジコンジープが、歩道の真ん中を爆走していた。


 エクーが魔改造してくれた、僕のお古のラジコンジープだ! でもカナリさんは、家の中でしか使っていなかったはず。


 運転席にはこれも見覚えのある、ぐでたまのぬいぐるみ。中身はエクーかカナリさんか……。どちらにしても、きっとタダゴトではない。


 僕は両手のブレーキを握り込むのと同時に、左足を軸にして、力づくで自転車をUターンさせた。


「カナリさん? エクー? 何かあったの?!」


 運転席のぐでたまが、人目も気にせずに勢いよくその頭を後ろに跳ね除けた。


 肩までの茶色い髪が、ふわりと風に広がる。


 カナリさんだ!



「シュウくん! クロマルが……クロマルが連れて行かれちゃったの!」



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