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秘密のクロマル  作者: はなまる
第四章 二人目のマスター
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幕前

 朝、クロマルが猫用ドライフードを、カリカリと齧る音で目が覚めた。


 もともとアラームとは無縁の生活だけど、今日は少し寝坊してしまったみたい。


 おろしたての靴を初めて履いた日のような、わくわくする良い朝だ。


 思い切り伸びをする。


 昨夜はベッドにも入らず、クッションの上でクロマルと、重なるようにして眠ってしまった。


 でも、覚えている。


 私は誓いの儀式を済ませて、クロマルの正式な契約者(マスター)となった。

 存在力とやらが足りない問題はあるけれど、何もわからずに小さくなっていた昨日までと比べたら、なんて素敵な朝だろう。


 私が目を覚ましたことに気づいたクロマルが、少し照れ臭そうにみゃーんと鳴いた。

 

 

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