第10話 王都に行く前に1
『さてとこれから準備をするぞ!!先ずは買い出しだ。』
アイテムボックスのお金を見ると・・金貨100枚、大金貨50枚 白金貨10枚・・・。
(いくらか入れたと言ってたが・・・まっいっか!お金はあったほうがいい!ありがとうお爺さん)ありがたく頂く。
4人に金貨20枚渡して買い出しを頼む。金貨20枚に興奮していたが大丈夫だろうか?
(次はあの2人だな・・)
ロウとエルを部屋に呼ぶ。
『ハヤトさん改まってなんでしょうか?』
『率直に君達はこれからの人生設計はどうするつもりかな?』
『僕達は・・』
2人は顔を見合わせて頷き、俺の顔を真っ直ぐ見て『『冒険者になりたいですっ!!』』
同時に元気に言い放った。
俺はなんだか楽しくなって笑みがこぽれていた。
『分かった!!俺は君達の覚悟が聞きたかったんだ!!』
『覚悟ですか?』
『そうだ!さっきエルちゃんの周りに魔力が漂っていたから【鑑定】させてもらった!』
『エルちゃん、君の職業は【精霊使い】、ロウ君は【ドラゴンテイマー】だったんだ!!』
『2つとも鍛えれば上位職に化ける職業なんだ!!君達は無能なんかじゃない!将来この国の宝になる人間なんだよ!!』
2人共泣きながら肩を抱き合って喜ぶ。
そして2人共俺の顔を見る。
もう言う事は分かってる。
だから、
『ロウ!エル!俺の弟子になってくれ!!』
泣きながら
『『はい!!喜んで!!!』』
ここで俺はスキルを取得した!
【育成・極】
これを持って指導すると、基礎値、熟練度、スキル取得率が5倍になる。これは教える側にも反映される。
さらに教える側のステータス上昇の影響を弟子に反映できる。
『ロウ、エル、ギエン達と合流しよう!』
ロビーに降りるとギエン達が冒険者に絡まれていた・・・。
ギル『おいお前ら、女と有り金置いて消えな!!』
ゴラン『お姉ちゃん達一緒に遊ぼうよー』
『俺達はお前らなんかに構って居られないんだよ!!』
『あんた達なんかと一瞬でもいたくないわよ!!』
『邪魔です!!どいてください!』
ジンは無言で睨みつける。
他の冒険者も相手が悪いので見ているだけだ。
ザーク『俺達はAランクの『鬼人の斧』だぜ!お前ら雑魚がどう逆立ちしても勝てないんだよ!!!』
ギル『お前らは俺達に奉仕する為に居るんだよ!!!さっさと寄越せ!!』
ギルがギエンを突き飛ばす。
ゴランがエマの腕を捕まえてる。
俺は階段の上から覚めた目で見下ろす。
そこへイレーナさんが注意しようと動いたが階段の上の俺に気付いて、改めて鬼人の斧に声を掛ける。
『貴方たち、悪い事は言わないからその子達を解放した方がいいわよ。』
ギル『あぁぁぁっ!!うるせんだよ!俺達はAランクなんだぞ!!ギルドには必要だろうが!!これぐらい見逃せや!!』
イレーナさんは俺が既にギエンの側に居るのを見て、
『私は警告しましたよ?後は貴方達の責任ですからね?』
『だからうるせーよ!!とっとと消えろ貧乳が!!!』
イレーナさんと目が合う
無言で意味ありげに頷く。
他の冒険者も『アイツら死んだな・・』
『馬鹿な奴らだ・・・』
『3人だから5秒かな・・』
すると俺の存在に4人が気付いて、
『師匠!!ごめんなさい。こいつらが・・』
『あぁ。一部始終見ていたから分かってるよ。』
ギル『なんだぁぁぁーー!!このひょろひょろが師匠だぁぁぁー!!!ここのギルドはガキが師匠になれるのかぁぁぁ!!
落ちぶれたなぁぁぁ!!』
俺周りから魔力が溢れだす。弟子達は急いで後ろに下がる。
『その口を閉じろ!』
3人の両腕が宙に舞う。
『よくも俺の弟子達にやらかしてくれたな?』
3人は何が起きたかわからない。時間差で足元に腕が転がる。でも血は一滴も出ていない。ハヤトから殺気の篭った魔力が溢れ出す。3人は叫ぼうとするが声が出ない。
ハヤトの魔力に当てられて大量の汗と股間を濡らしながら震えている。
『貴様らに奉仕する為に居る?強い者は弱い者から奪っていい?ふざけるなよぉぉぉ
ぉ!!!』
一気に魔力が溢れ3人は痙攣し出す。騒ぎを聞いてゴルドンが慌てて来る。
『ハ、ハヤトその辺にしてやってくれないか?そいつら死ぬぞ・・・』
『こいつら、この世に要る?』
『まぁ、何かの役には立つかもな・・多分・・』
『ふぅ。』俺は魔力を収めて皆の所へ行く。
『ギルドマスターがそう言うのであれば
お任せします。そいつらが起きたら腕は1人大金貨2枚と納得のいく謝罪で治してやると伝えてください。』
『わ、分かった。伝えておく。』
『それと護衛に後2人追加してもいいですか?』
『あぁ構わない・・・。』
『ありがとうございます。』
そしてため息を一つ・・
『さあ、買い出しに行こうか!!』
皆んなに笑顔が戻る。
俺達はあらかた日用品の買い出しを終わらせて皆んなとお茶している。
『皆んなに俺の決意を聞いて欲しい。』
皆んなが真剣な面持ちになる。
『俺はさっきみたいな理不尽な力が弱い者を痛めつける姿が我慢できない。
皆んなから弟子にして欲しいと言われた時はどうしたらいいか正直わからなかった。
実はロウとエルには俺から弟子になってくれと頼んだ。』
それは、君達を弟子として本気で受け入れて理不尽な力に負けない力を、弱い者を護れる力をつけて貰う為だ!!』
『皆んなついて来てくれるか?』
『師匠!皆んなそのつもりで着いて来てるんだ!改めてよろしくお願いします!!』
皆んなが頭を下げる。
『分かった。ありがとう!
それでは今日から師匠として自覚を持ってビシビシ鍛えるから覚悟しておく様に!!』
『『『『『『はい!!』』』』』』
『では、早速だか装備を整えようと思う。おすすめの武器屋があれば案内してくれ。』
ギエンが真っ先に手を挙げてる。
『任せてください師匠!』
『うん!頼むよ。』
店に入ると以外と広くて整理されている。
店主はありがちな鍛冶職人風、女性店員さんもいる。
『皆の装備を見繕って欲しい。予算は1人大金貨2枚だ。』
『おいおい、1人大金貨2枚だぁ?お前合わせたら大金貨14枚だぞ?お前みたいな子供が出せるのか?冷やかしなら帰ってくれよ!!』
皆んなが殺気立つ・・・。
俺はアイテムボックスから大金貨を20枚出してカウンターに静かに置く。
店主が固まる。
『もう一度だけチャンスをやる。やるのか、やらないのか?』
『す、すまねぇ・・。全員分の武器と防具だな。やらせてくれ!!』
『それじゃあ頼んだよ。今後俺達がここを使うかどうかはあんたの腕次第だよ。
それと俺のは要らない。その分弟子達に使ってくれ。』
『皆んな、俺は野暮用をすませてくるからちょっと行ってくる。』
『『『『『『行ってらっしゃい』』』』』』
俺はギルドに向かう。
『イレーナさんゴルドンさん居る?』
『いつもの部屋に居るから入って!ハルト君さっきはスッとしたわ!!ありがとう!』
笑顔で答えて部屋に行く。
『おっハヤトどうした?』
『実はお願いがあって、馬は要らないので、古くてもいいから馬車を貸して欲しいんです。』
『おっ?あぁ、いいぞ!表まで出す様に言っておく。一体何に使うんだ?』
『弟子の修行です。』
『そ、そうか。あっ、それとあの3人なんだが相当後悔してる様子でな金はアイツらの借金という事で一時ギルドで払う。謝罪は改めてさせる。そこで謝罪しなければその時は好きにして構わない。だから腕を治してやってくれないか?』
『ゴルドンさんがそこまで言うなら治してあげますよ。』
部屋に入ると3人共土下座状態で震えていたた。
ギル『す、す、すまねぇ・・・。もうあんな事はしねぇから・た、助けてほしい・・。』
ゴラン『わ、悪かった!俺が悪かった!助けてくれ!!』
ザーク『すまねぇ、すまねぇ、すまねぇ、助けてください・・・。』
『ギルドマスターに頼まれたからな腕は戻してやる。戻ったら弟子達に謝罪しろ!その時納得出来なかったら・・・分かっているな?』
『わ、わ、わ、かりました!!!ありがとうございます!!』
ギルが顔を上げて答える。
3人の腕を治して武器屋に戻ると見違える程かっこよく仕上がっていた。
『師匠!!どうですか!!』
『皆んな見違えたよ!!女性陣も可愛く仕上がってるね!!』
女性陣はなんだかモジモジして赤くなってる。
『どうだい?気に入って貰えたか?』
『あぁ、気に入ったよ!!所で金は足りたのか?』
皆んな気不味そうに笑う。
『分かったよ、店主いくらだ?』
『白金貨1枚だ・・・。』
『ぐはぁぁぁぁぁー!!』




