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#2 不思議な大木と不思議な空間

黒猫のモフモフ感を堪能しつつ、神社までの階段をひたすら上っていく。


この階段は何度も上ったことがあるということ、中高でバスケットボール部で走りまくっていたという事があり、それほど苦にはならない。


何度も上ったことがあるというのは、ここの神社には猫のたまり場があるのでたまに顔を出しているのだ。


「今日はどの位にゃんこが集まっているかな」


何故ここまで猫好きになったのかというと、小学校1年生の時、初めての夏休みでテンションが上がりすぎていた結果、道路に飛び出して車と衝突。


反射的に後ろに逃げたのだが、サイドミラー部分に頭をぶつけてしまい、入院とまではいかなかったが、自宅療養という形になった。


やることもなく一日中庭で呆けていると一匹の猫が迷い込んできて、何となく一緒にいるだけで気がまぎれ、癒された。


きっかけは些細な事だけ、今となっては俺にとっての大事な一ピースとなっている。


そんな猫に癒されつつ、階段を上り続けること数分ほどで神社にたどり着いた。


可愛い巫女さんが竹箒で掃除をしている、という事はなく、60歳程のお爺さんがいるだけなのだが、今日は姿が見えない。


一応娘さんはいるらしいのだが、県外の大学に行っているらしく、長期休暇にしか戻ってこないとのことだ。


「とりあえずいつもの大木のところに行くか」


ここの神社には一本だけ一際大きい大木がある。


樹齢100年はいっている(神社のお爺さん談)とのことらしく、何となく神々しい感じはする。


いつもならそこが猫のたまり場となっているのだが、珍しく一匹もいなかった。


「いつもならいるはずなんだけどな。それにしてもなんか風が強くなった気がする」


さっきまではほぼ無風場だったがここの大木に近づいていくほど強くなっている、そんな気がする。


そう感じながら一歩一歩大木に近づいていくと抱きかかえていた黒猫が胸から飛び降り、大木に向かい歩いて行った。


黒猫が大木の下にたどり着くといったところで一際強い風が吹き荒れた。


あまりにも強い突風だったため目を開け続けることができず、右腕で目を隠し、突風が過ぎるのを待った。


突風が止み右腕をゆっくりと下ろすと、目の前には真っ白な空間が広がっており、周囲を見渡しても神社も大木もない白い空間に来てしまっていた。


真っ白な空間にいること体感で20分程度経った。


未だになにも変化はない。


「暇すぎる」


全く動くことができないこの空間では出来ることがないため、正直もう我慢の限界だった。


とは言っても何もできないため、目の前をなんとなく見ることぐらいしかできない。


ふと目を凝らして見てみると、黒い何かがこっちに近づいているような感じがした。


確かに黒い何かは動いているのが確認できるため、少し待つことにした。


「……いや、早くこっち来いよ、ってうおっ」


なかなかこっちに近づいてこないため、愚痴を言った瞬間、黒い何かが目の前までやってきた。


まるで俺に吸い込まれるようにな、そんな感じだった。


目の前まで来た黒い何かは人の形をしており、身長的には1mあるかぐらいだった。


人の形をしてはいるが、それが実際に人の形を模しているのかは定かではない。


とりあえず目の前の、黒い何かを人影と心の中で命名し、会話を試みることにした。


「えーと、俺の言葉、通じてますか。聞こえていますか」


『ああ、通じているし、聞こえているぞ』


話は通じたが、目の前の人影から聞こえてきた気がしない。


この空間自体から、もしくは、直接脳に語り掛けられているような、言葉を流し込まれているようなそんな変な感じだ。


「ここは一体どこなんですか。そしてあなたは誰なんですか」


『ここは何もない、何も起こらない。そして、ここからはどの世界、時間にもつながっている。まあ、観測点とでも言っておこう。そして私は……』


人影は一拍置いて、言い放った。


『神的な感じのやつだ』


「……えっ」


思考がフリーズした。



初めてブックマーク登録頂きました。

拙い文章で申し訳ないですが、時間つぶし程度になるように作品を書き続けていきますので、これからもよろしくお願い致します。


+黒神猫+

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