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1.『仙千山上下半身切断事件』

初めての投稿、という訳ではないのですが、まあ大体初めてです。

深夜に書いたので台詞とかはグダグダになってます。許してください。

予約投稿って素晴らしいですね。

深夜、そして新月。

「はぁ…はぁ…」「はぁ…はぁ…」

辺りも寝静まった頃、光のない夜道の中、荒い息遣いと、二人の話し声が聞こえてくる。どうやら、光のない新月を狙い、研究所から抜け出して来たようだ。

「もう、もう嫌だ、やってられない…こんな場所で生きてるくらいなら、死んだ方がマシだ…」

少し小柄で肥満気味の男、田所(たところ)がそうボヤく。顔はやつれ、口調は荒く、かなりのストレスが溜まっているようだ。

「俺たち二人が逃げても状況は変わらねぇよ…」

田所とは違い、少し痩せ気味で長身な男、和平(かずひら)も同じようにボヤいていた。こちらは田所とは違い、顔に少しの余裕が見られる。まだ発狂状態ではないようだ。

「ああ、ああそうだ…。例え俺たちみたいな下っ端がいくらいても、奴ら一体にも勝てやしねぇんだ…。…乗せられた…完ッ全に乗せられた‼︎俺たちはただの捨て駒だったんだ‼︎時間稼ぎに使われるだけだ‼︎」

余程の緊迫した状況下の中、ストレスも相まってか、田所は今まで以上の大声を上げる。流石にこれには、普段あまり表情を変えない和平も顔をしかめる。

「…おい、あんまり大きい声出すと、誰かに気づかれ」

「誰も気づきゃしねぇよ‼︎もう基地も遠い‼︎それともここに奴らがいるってのか!?ああ!?」

「そうは言ってないだろ、少し落ち着け…」

最早彼に自制心はなく、子供のように喚き散らしていた。二人はそのまま言い争いながら山を降りて行く。…悲しきかな、この声を聴いているものは和平だけではなかった。





10分後、彼らは山の麓に着いた。


「よし…さっさと、車、タクシー手配して、どっか遠く、早く行こうぜ…ハァ」

「わかった、今電話する…ハァ」

ようやくこの場から離れられることに安心したのか、田所は先ほどよりかは落ち着いていた。

「もしもし…、はい、そうです、タクシーお願いします、はい」

「…」(これで、これでようやく…あいつらの恐怖から逃れられるのか…)

田所はそこで、自分が涙を流していることに気づいた。余程のストレスが溜まっていたのだろう、帰ったらビデオでも見ながら久しぶりに酒を飲もう、と思ったのであった。

そんな田所を見ながら、ただでさえ感情の少ない和平でさえ無事に帰れることに喜びを抱いていた。だから自然と、タクシーを呼ぶ声も震えていたのだろう…。

「はい、えーと…場所は、仙千山の…麓です、はい、そこです」

ここで田所は時間を問う。

「一応時間も確認しといてくれないか?」

一刻も早く帰りたいようでかなりソワソワしている。

「えーと、後なんですけど、大体どの位かかります?………ああ、はい、分かりました、では、お願いします、はい」

和平はそんな田所を見ながら至って冷静に応答する…。

「どうだった?」「10分もしないうちに来るそうだ」

「そうか…」

田所は10分もしないうちにここから離れられることをとても嬉しく思った。側から見れば、その素ぶりは子供のようだと思われてしまうだろう。だが、そんなことは田所には最早どうでもいいことだ。もうすぐ念願の家へと帰れるのだから……。

しかしそれは叶わない。





ーーー7分後

仙千タクシーを運転しながら、ややくたびれた男は一人考え事をしていた。それは電話の主についてである。

「こんな時間に仙千山行く人いるんだなぁ…物好きな人だ…」

それもそうだろう。既に午前2時を過ぎている。かつ山からの電話である。不思議に思うのも仕方のないことであった。

数分もしないうちに麓に到着した。

「着いたなー…降りられる場所つったらここしかねぇもんな」

しかし、そこには人はいなかった。

「…あり?だーれもおらんなー…」

「もしもーーーし‼︎タクシー会社の者ですけどーーー‼︎和平さんー和平さんはいらっしゃいませんかーーー‼︎」

運転手は声を張り上げ、電話の主を呼ぶ。しかし返事はない。

「いないなぁ…いたずら電話だったんか?…暫く待ってみっかー…」

もう帰ろうかと思ったが、もしかしたらトイレに行っているかもしれない。そう思った運転手は待つことにした。ここで待っていたかいないかで、今後の展開は大きく変わっていただろう。




ーーーどのくらい時間が経っただろう、運転手は少し先に何者かが倒れているのが見えた。暗闇に目が慣れ始めたのと、車のライトのおかげだろう。

「…ん?…人だ、人が倒れてる!」

「おい!あんさん、大丈夫か!あんたが和平さんか!………!? か、かか、体が…」

男の遺体は上下が完全に離れていたのだった。

「け、警察だ、警察に連絡しなきゃあ…!」

運転手は腰が抜けそうになりながらも、必死の思いでタクシーに乗り、その場を離れた。その場面を見ていたのもまた、運転手だけではなかった。


その後、警察が駆けつけ、調べにより、和平、更にもう一人田所という男の死亡が確認された。二人の男、特に田所という男の顔は、この世の者とは思えない、恐怖で染まった顔をしており、図らずとも、多数の警察にトラウマを植え付けてしまった。更にどちらも上半身と下半身が離れた状態で発見され、どちらの遺体も、現存するどの刃物とも似つかぬ切り口、そして一つの指紋、一滴の血液も残っていないことから、警察の頭を悩ませた。




ーーー事件の数日後、市の警察署に不審な手紙と小包が届いた。


『君達はまだ事件の犯人が分からないようだ。そりゃあそうだ、人ではないもの。驚いたか。わはははは。

こういうのって劇場型犯罪って言うんだっけ?…まあいい、あまりにも君達がトロいからヒントをやろう、それじゃあ、また会う日まで』


手紙の内容はこのようなものだった。そして、小包には、一つのカメラが入っていた。市の職員達は中身を見て、全員が更に頭を悩ませたという。何故ならそこには、犯人目線からの和平、田所殺害の瞬間、そして人には見えないが、確かに人の形をしたーーー




()()()の姿が写っていたのだった。





警察側はこれを公表、初めこそ、誰も信じようとはしなかったが、市が仙千山の中で極秘に研究を行っていたことを発表すると、爆発的に話は広がっていった。

いつしか市は県に、県は地方に、地方は国全体に注意喚起を促した。

しかし、その後もサラダによる被害は増え続け、数年後、事態は外国にまで及ぶようになった。

更に被害は増え続け、サラダという謎でしかない存在によって万の命が奪われた時、世界は、千山市という小さな市で起きた実験のためだけに対サラダ部隊を結成するに至ったのだった…。


これが、今から始まる話から5年前の出来事である。












どうでしたか?サラダが主体という話についてこれますか?楽しんで頂けたなら幸いです。

次の投稿は出てきた人物紹介です。ほとんど人出てきてないけど。紹介する理由は続きを書くのがめんど、話のネタって考えないといけないじゃないですか。

という訳で、是非次も見てくれると嬉しいです。

人物紹介いらないよって人はその次からでも来てください。

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