言えず言わずに結局言えない
掲載日:2018/07/11
ずっと、言えなかった言葉がある。
たった2文字のくせにそれは私にとって強敵で、両親にも兄妹にも、恋人にだって言えた試しがない。
『す』から始まる、大切で特別な言葉。
言えなかった。言わなかった。言いたかった。
いつか言えるよという貴方の優しさに甘えて、ずっとずっと言わずにいた。努力しなかった。
もう疲れたと貴方が言うまで、気づこうともせずに寄りかかって。態度で示せていると、言わなくても分かってくれているとバカみたいに。
別れたいと言われてなにも言えなかった。ごめんと何度も謝らせてしまった。最後の最後まで、言えなかった。
沢山努力して言えるようになった今でも言わない。言えるわけがない。
だって貴方はもう前を向いて、愛しい人とあんなにも楽しそうに暮らしている。
あぁ、でもやっぱり、
…『好き』って、大切で特別な貴方に言いたかった。
導入部分とか設定しか思いつかないのは私だけでしょうか…




