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語り部草子

第四語 消えない記憶

作者: calm

皆様、こんにちは、こんばんは。

皆様は”忘れたい記憶”って、ありますよね?

でも、そんな記憶は忘れようとするほどに、”忘れられない記憶”にすり変わっていきます。


今回の語り部は、そんな記憶に関するお話。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



あるところに、一人の少年が居りました。

その少年は、笑い、悲しみ、喜び、そして恋をして、日々を楽しく過ごしている、とても快活な青年でした。


ある日のこと、彼は、思いを寄せる女の子と偶然、街で出会いました。

嬉しくなった彼は、女の子に話しかけました。

しかし、彼女の顔はいつもに比べ蒼白く、どうやら、具合が悪いようでした。

彼は、「大丈夫?」と、心配しましたが、彼女は、「大丈夫」と答えます。

それ以上聞けなかった彼は、とりあえず、救急車を呼び、彼女を連れて行ってもらいました。


しかし、


誰も思ってもみなかったでしょう。

彼女と数名の救急医を乗せた救急車が大型トレーラーに突っ込まれ、救急車に乗っていた人々は全員死亡するとは。


その日から少年は自責の念に潰されそうになります。

自分が救急車を呼んだから、自分が彼女を救急車に乗せたからと、彼女の死は自分のせいだと思い続けました。いっそのこと、自分も死んでしまえばいいと思った時もありました。


時には、彼女のことを忘れようともしましたが、そういう日には夢で、彼女が死ぬ瞬間を、自分はただ傍観している夢を見るのです。その度に、また思い出し、記憶に深く深く刻まれていくのでした。


そのうちに、彼は狂ってしまいました。

動きはギクシャクしたような動きで、時には突然奇声をあげ、見えない誰かに話しかけるような仕草を取るようになりました。


その後、彼がどうなったか。それは誰にもわかりません。

ただ、もしかしたら、彼が話しかけていた見えない誰かは、彼女の霊だったのかもしれません。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



どうでしたでしょうか?

”記憶の廃棄(デリート)”は大切ですね。

あとに引きずり続けても、その結果は変わらないし、変えられません。

彼も、彼女のことは忘れ、新しい運命の人を探せればよかったですね。

以上で、今回の語り部は終了です。

では、次の語り部まで、

Au revoir(さようなら)

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