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説明しよう!

「は…え?」


上を見ると雲ひとつなく晴れ晴れとした綺麗な青空

下を見ると遥か下方に広がる何処までも続く青い海

横を見ると中年イケおじ執事にお姫様だっこされている。


なんだこれ、どこだこれ、なにが起こった!?


「いやぁ~焦ったよ、まさか飛び降りるとは思わなかったから思わず力加減できずにこんな所まで転移しちゃったよ。まいったまいった。」


そしてイケおじは顔に似合わずお茶目っぽく反省をしている。

どういう理屈かマジックか分からないが状況的にこの出来事はこいつが起こしたらしい。

あり得ない…こんな…


「ーーっはなせ!下ろして!いやあああ!」


もう理解の範疇を越えてしまっていて、完全にキャパオーバーな私は腕の中でおもいっきり暴れることしか出来ない。

怖い、怖い、怖い!これは夢?実は私はまだ愛しのお布団にくるまって惰眠を貪っているのではないだろうか?寧ろそうであって欲しい。


「痛い、痛いから殴らないで!いて!まだ足場形成してないから下手したら海に真っ逆さまだよ?」


「は、え…」


その言葉に改めて下を見る。

高さは、これたぶん飛行機飛ぶ高度位あるのでは?乗ったことないから分からないが、これはいくら下が水でも落ちたら助からないだろう。全身骨折バキバキ天国行き確定だ。


「あ、う、ぐぅ」


取り敢えず一旦中途半端殴り体制で固まってしまう。

これ八方塞がりじゃない?

このままこいつといてもデッドエンド。

仮に逃れて海に落ちてもデッドエンド。

終わりしかない。

未来がみえない。


「ふぇ、えっぐ、やだぁ、死にたくないよぉ…ふえええ」


もう泣くしか出来なかった。


「ええ、泣かないで!あのね、いきなりでこっちも言い方があれだったかも知れないけどね、だからね?えーーとね?」


困った様子でこちらを覗きこみながらお姫様だっこのままだった私を一旦片手で抱え込み直し、部屋でやった時と同じようになにやら文字を書く動作を行った。

すると一瞬だが足元が光ったような感じがした。

それを確認したおやじは私を抱えていた手から力を抜き


「え!まって!落ちちゃう…あれ?」


海に落下しなかった。

まるで足元に見えない透明な床があるかのようにしっかりとした安定した足場があったのだ。

これはどんなマジックなのか、魔法なのか?こいつはなんでもありなのか?でも、これならー


「あ、ちなみにあまり私から離れると落ちるから逃げようとしても駄目だからね?」


あ、バレてた。

くそ一か八か走って逃げようと思ったがやはり無理か。

うん、知ってた。


「うーむこのままじゃ味気ないな」


なにか物足りないのかまた指を動かしなにかを空中に書くと一瞬の光と共に今度は目の前にお洒落なテーブルや椅子、それとよくカフェ等でみるスコーンに紅茶のセットが出てきたではないか。


「折角こんな格好をしているからね。取り敢えずそれっぽい物を出してみたよ。」


自らが着ている服を指差しウインクしてみせた。

普段の私なら「いや。可愛くないから」とツッコミ出来ただろうがもう目の前で起こっている事をただただ呆けていみるしか出来なかった。


「さぁ、席に座って。お茶にしよう。そして説明しよう」


「なに、を」


まるで執事がエスコートするように手を差し伸べて




「私が君を殺さなければならないその理由を」





私はその手をとった







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