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棘だらけ 傷だらけ
心の破片が牙を剥く先は
ひたすらにここであった
この身体であった
危うい鼓動の心臓と
陽の光に馴染めぬ青白い肌であった
鮮血は私を目覚めさせ
綱渡りな人生でも
たどたどしい歩みでも
確かに続いてきたことを知らしめてくれるのだけど
他者のそれは受け入れられない
異なる紅をこの瞳に
焼き付けるなんて怖いよ
怖いよ
ましてやそれが自分の為だなんて
ああ やめて
気が狂いそうになる
棘だらけ 傷だらけ
心の破片が見せる色は
いつだって虹色の輝きだった
受け入れられない陽の光を
表面ばかり味方につけた
そうやって私の色を隠した
隠していたのに
あなたが解いた
解いてしまった
もう隠せない
綺麗なその指先に傷まで負って
私を震えさせた 怯えさせた
異なる紅を見せつけてくれるとは
一体なんの拷問かしら
あなたのせいよ
あなたのせいよ
醜い恨み節をまだ聞きたい?
磨けばそれなりに光るけど
宝石になんて到底なれないの
棘だらけ 傷だらけ
ちっぽけな心の破片の価値なんて
ガラクタ以上 宝物未満
お菓子の空き箱に納まるのがお似合い
それくらいで十分だと訴えるのだけど
「価値なんて僕が決めればいいさ」
ああ
正気の沙汰じゃないわ




