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迷子。

作者: 長居 桂子

ここはどこ。


人がたくさん歩いてる。

早い人も遅い人も、

大きい人も小さい人も。


それは本当に人?

人のように見えるもの?


音が聞こえる。

ざわざわも、きゃあきゃあも、

こつこつも、ひそひそも。


それは本当に音?

私にだけ聞こえるもの?


私よりずっと大きいマネキンが並んでる。

チカチカと目がおかしくなる極彩色の道。

音はわんわんと響き合い、私の中を駆け巡る。



ここ、は、ドコ?


いつもの地下街いつもの人混みお婆さんを抜かして向かいから来る男の人のショルダーバックにぶつかられて女子高生がケタケタ笑ってホームレスが座っていてパン屋の前は香ばしい匂いでケーキ屋には行列ができていてティッシュ配られて階段登ったらヒールが響いて外の風はまだ冷たくて車がびゅんびゅん走って交差点で見上げた空は青とオレンジのグラデーションでいつも通りの道のりで、



でも。



ここ、は、ドコ?


痛かったのは私の肩で笑い声が気になったのは私の耳でいい匂いを嗅ぎ取ったのは私の鼻で風を感じたのは私の肌でいつも通りの道のりで、



なのに、


ここ、は、ドコ?



私は私?


わたしは、わたし?


本当に、わたし?



ワタシ、ハ、ダレ?

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