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6、気分はブルー、でもなんとか到着


 “俺ステータス”には、基本能力・特技の他に体力表示・やる気ゲージなどがある……これらは以前、俺の周りでブームになった野球ゲームから拝借している。わかりやすいし面白いので、友人達とはこの“俺ステータス”で自分の状態を伝え合っている。

 その中でも使用頻度が高いのが“やる気ゲージ”という自分の精神状態を表すものである。“やる気ゲージ”には全部で五つの状態があり、好調な順からピンク→赤→黄色→青→紫となっている。

 現在、俺のやる気ゲージは5ランク中最悪の“紫”である。この精神状態に禁煙が加わり、俺のストレスはかなり熟成されていた……。



 そんな俺の状態とは裏腹にバスは順調に運行している。このまま行けば、予定よりもかなり早い時間に到着しそうだ。

 ――あれから三度の休憩を挟み東京へ入る高速バス・ムラマサ号。バスの旅もいよいよクライマックスを迎えるわけだが、今回のイベントはこれからが本番。早くこの状態から回復せねば……。

 さすがは日本の首都、日曜日という事もあるが高速道路なのに大渋滞。ノロノロと進むバスに俺のメンタルダメージは増える一方で、一服程度では回復できないくらいにテンションが低下していた。

 この状況を打破するため俺は海月にメールを打つ。しかし、夜勤明けで爆睡中の海月からは返事が来ない。

 疲れが溜まってるから仕方ないか。それこそ海月は休む間もなく働いているのだから……。


 バスは渋滞をなんとか切り抜け王子に到着。だが降りる客はいない。おそらく終点の新宿まで誰も降りないだろう。バスは一分もしないうちに発車する。

 それにしてもすごい渋滞だ。バスは予定より一時間以上も早く東京入りしているのだが、どうやらこの渋滞を計算に入れている様だ。

 ここからが長いというわけか?

 やる気ゲージが紫の俺にとって、このノロノロ運転はかなり痛い。まぁ、仮に待ち合わせ時刻より早く着いても知加子が来るまでは身動きが取れないんだけどね……。

 バスは渋滞の中、路駐の車をうまく避けながら走る。ここら辺の運転テクはさすがだね。俺は内心、運転手の技術に喝采を浴びせた。

 窓から外を見るとやはり人が多い。俺の住む街とは大違いだ。次の目的地・池袋はもっと凄いんだろうなぁ……田舎者丸だしの俺はこの人の群れを見て東京に来たんだと実感した。

 そんな感慨に耽る俺をよそにバスは池袋に到着する。

 予想通り降りる客はいない。そして、さっきより人が多くなっているのを感じた。

 こりゃ、渋滞はさらにひどくなっていく気がするなぁ。

 相変わらずテンションの低い俺は、苛立ちと禁煙と渋滞のトリプルパンチに終点の新宿まで気力が持つのか本気で心配になった……。

 だが、神は俺を見捨てなかった。俺の悲観的な不安を払拭するかの様にバスは順調に走り出したのだ!

 日頃の行いの賜物か?

 思わず自画自賛してしまうほどバスは軽快に進んでくれる。


 ――14時を少し回ったところでバスは終点・新宿駅新南口に到着。予定到着時刻よりも30分以上早い到着に限界ギリギリだった俺のやる気ゲージは1ランク回復する。それでもまだ青なんだが、紫のままでいるよりはかなりマシだ。

 待ち合わせの時間にはまだ早いが、バスが停車したと同時に俺はムラマサ号を降りた――。


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