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28、食後のまったり癒しタイム

 

 「――ごちそーさまでした」

 お前はいつの時代の人間だ、と自分につっこみたくなる様なセリフとともに手を合わせて箸を置く。

 「どーいたしまして」

 知加子は俺の態度に気を良くして笑顔で応じる。特に手の込んだ料理ではなかったが、なかなか美味しくいただきましたからこの反応は当然の事ですよ。

 やっぱり朝食はシンプルでいいのだ。

 海月の料理も負けず劣らず美味いのだが、惜しむはこのシンプルさが無いところかな。美味しいが飽きが来るので今回は知加子に軍配が上がった。

 ……なんのこっちゃ?



 茶化さず素直に料理の腕をほめられた事が余程嬉しかったのか、知加子はご機嫌よろしく鼻歌を歌いながら食器を洗っている。

 以前はすぐに食器など洗ったりしなかったのに。そこら辺のところは成長している様だ。

 俺は、そんな知加子に感心しつつ、床にゴロゴロ転がりまったりとくつろぐ。これ、サイコー。

 もし、これで煙草が吸えるのなら……朝の至福を味わえたのに。しかし、残念な事に知加子の部屋には灰皿がない。

 一応、喫煙者のたしなみ“携帯灰皿”を常備しているが、さすがに煙草を吸わない人の部屋で喫煙するほど俺は非常識ではない。それにヤニで壁やカーテンが汚れちゃうしね。

 よって、ここにいる限り至福の一服はお預けになる。

 ひたすらゴロゴロ転がってテレビを見ていると、片付けを終えた知加子が戻って来た。

 「……ヒロ、何してるの?」

 まったりしている俺を呆れ顔で見下ろす。

 「見てわからんのか? 転がってんだよ」

 平然と返す俺。この極上のリラックスを体感できる“浜名式まったりストレッチ”を知らないとは……。

 いや、知るわけないか。俺オリジナルだからな。

 「あ、そ。じゃあ、しばらくそのまま転がっててね」

 転がる俺に冷たい言葉を投げつけて部屋を出る知加子。

 リアクションが冷たいとなんだか空しくなるなぁ。一人でゴロゴロ転がっているのが急に切なくなってきた。

 こっちは客なんだから、ちゃんと相手してくれよ。そんな訳のわからない理屈を心の中で呟き、ヒマを持て余す俺は知加子のところに行ってみる事にした。


 どこにいるかな。何してるかな。ちょっと気になる身のなる木……妙なテンションで知加子の元へ。

 廊下に出るとドアの向こうから物音が聞こえる。

 おそらく洗面所か何かだろう。食後だから歯磨きか?

 何の疑問も無く俺はドアに手をかけると洗面所に飛び込んだ……。








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