挑戦!モンスター肉の調理!!
「もっとスローに暮らしてもいいと思うんだよね」
バウ?
ウリが不思議そうな顔をしている。
「神様ポイントの使い方をさ。何にしようかって話さ」
戦闘力に振る?ウリを強化?それもいいかもしれない。
でも、それだけじゃ何のためにこの世界に来たのかわからない。
「やっぱり、スローライフを送るべきだと思うんだよ」
バウバウ!
「おーそうか!ウリもそう思うか!ってことで……調理スキルと食肉解体スキルをゲットだ!」
いつものアラーム音が鳴る。
ピコンピコン!スキルを獲得しました。
よーし!ウリ!今日は森の方にいるっているつのうさぎを捕まえに行こう!
わんわんわーん!
◇
「行ってきます守衛さん」
「行ってらっしゃいロハンくん」
正門であいさつをして森の方へと歩いていく。
ついでに薪も拾ってこようかな?気分転換になるし。
「そっか……隠れている動物を見つけるスキルも手に入れないとか」
歩きながら神様ショップを見てみる。
「お?これなんかよさそうだな。気配探知ポチ!」
ピコン!スキルを獲得しました。
いやあ、余裕があるっていいことだね。
◇
いたぞ……つのうさぎだ。今日の食材はアレでいいな。
気配を消してそっと後ろから近づく。
「ウリ?やれるね?」
バウ!
小声で話し合う。
左右から同時に飛び出して捕まえる作戦だ。
「えい!ウリ!そっち行ったよ!」
ワオーン!
ウリの体当たりが炸裂した。
バコン!つのうさぎが木にぶつかって跳ね返る。
「やったねウリ!」
わおーん!
「さあ、肉を持って帰ろう。……あれ?解体って道具が必要?ナイフ?」
ショップにあるかな?小刀。
「あった。10ポイントで小刀が買えるみたいだ」
さあ、早速解体しようか。
木に紐でくくった食材を掛けて解体していく。
ザク、ザクザク
迷いなくナイフを入れることができる。
スキルの恩恵はすごいな。やるべきことが次々に達成されていく。
さすが女神さまの加護だ。
「血抜きと解体はこれで完了か。思ったより簡単だったね。さあ、かえって調理しよう」
◇
絵を買った報酬でコンロと炭と食器あとは机を手に入れていた。
「宿の庭先を使う許可は貰ったし、あとは調理するだけだね」
炭に火をつけていく。
「火魔法の魔導書も買ってみようかな?初級があるらしいけど」
非が強くなるまでの時間で下処理をする。
ハーブと塩コショウのシンプルな味付けにすることにした。
鉄板のが熱くなってきた。
「よし、頃合いだな」
お肉投下!
ジューーーといい音を立てて肉が焼けていく。
香ばしさがあたりをゆっくり染めていく。
「匂いで宿の客が起きなきゃいいけど……
まあ、酒場に行けば飯が手に入るのだから勘弁してほしいね」
わんわーん!
「焼けたかな?」
調理用の端で肉をつついてみる。弾力があるね。
肉汁があふれている。食べごろだろう。
食器にウリの分と自分の分を盛り付ける。
今日はパンと牛乳とつのうさぎの香草焼きだ。
「よし。いただきます」
わん!
「もぐもぐ……うん!おいしい!火もちゃんと通っている。
何より触感が良い。新鮮だからかな?肉がやわらかいや」
わんわん!
「ウリもそう思うかー!おいしいね!」
今日はいい一日になったな。
絵画を描くのも楽しいけれど、こういうスローな生活をするのも悪くない。
「効果付きの絵画、かあ。荷が重い気がするねえ」
わんわん!
「励ましてくれるのかい?ありがとうね」
予感がしていた。あんまり有名になりすぎると、仕事に追われる生活になると。
芸術スキルでお金を稼ぐには知名度が必要……
しかし、その名声は商品を作り続けなくてはいけないという呪いになる。
そう思って、以前の世界を思い出す。
「毎日仕事するのには慣れているけれど、この世界ではゆっくり暮らしたいね」
わん!
「ウリもそう思うか」
やれやれ。女神の加護とは言え才能を持つって大変なんだな。
天才の苦悩をちょっぴりわかった気になってみたロハンだった。




