依頼を受けたぞ!動く人物画だって?できらぁ!
「というわけなのじゃ」
「へえ、人物画を書いてほしいってわけだ」
「そうなのじゃ」
「男爵の妻の絵ですね。さぞ美人なのでしょうね」
ロハンは思った。ルウのあの絵も人物画で女性の絵だったなと。
「さっそく会いに行きましょう!」
やる気にあふれるロハンだった。
◇
「こんにちはご婦人」
「気安く声を掛けないでちょうだい平民」
「へへえ……」
ずいぶん高飛車な態度だとロハンは思ったが貴族なんてそんなものだよね。
ワンワンワン!
「あら?かわいいわね。特別に触ってあげましょうか」
その体毛はもふもふしていた。
「ちゃんとブラッシングをしなさい。もうそろそろ換毛期でしょうが」
「はい……」
いまからこの女の絵を描くのだと思うと気が重かった。
「で、ポーズなんですが」
「時間がかかるのでしょう?椅子に座って待たせてもらうわよ」
「はい」
小さな椅子に腰かけてスカートをいっぱいに広げている女性だ。
美人はどんなポーズをしても似合うと思うが、ひときわ目立つ瞳の色に
気を取られそうになっていた。
「色気がありますね」
「当り前よ!貴族の娘を舐めないで頂戴、平民」
キャンパスとイーゼルを前にモチーフを確認する。
人物画、室内、背後には窓で外には川が流れている。
服装は貴族らしいドレスで一枚の布で織られたかのような
上下一体のスカートと長袖のワンピースのような服装だ。
なんていう名前の服なのかは知らない。
黙っていると絵になる人だな。と思った。
旦那がこの人の絵を残したいと言った訳もよくわかるというものだ。
絵はしゃべらないからな。
スッスッ……と筆を走らせる。
描き始めてみれば、これほどそそられるモチーフもそうないだろう。
なんて言ったって美人だ。地球で一番とは言わないが。
◇
3時間後、見事に描き上げた作品を見る。
今使える最高の道具、最高の技術を詰め込んだ。
当然、魔法の技術もだ。
はたして絵は動き出すのか……調べる方法はある。
「鑑定」
備考:動く絵。美人を描いている。及第点。
「あら?できたのかしら?」
「ええ?見ますか?」
女が自分が書かれた絵を見る。
「へえ。思ったよりもやるじゃない」
「ありがとうございます」
笑顔で絵を覗き込むと絵が小さく微笑み返した。
ともすると、現実の女よりも美人に書いてしまったかもしれない。
でも、満足そうだし。いいか……
ロハンは仕事を完遂した。
数日後、絵を披露する晩餐会を開くとのことだ。
大仰だなとロハンは思った。
しかし、多くの人に自分の絵を自慢されることは幸福なことだと思うことにした。
ワン!
ウリも元気そうだ。
ピコン!ファン100人が増えました。
神様ポイント2000ポイントゲット
「あれ?もしかしてとんでもないことになってないか?」




