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報われなかった少年のスローライフ~神様ポイントで加護ゲット!?~異世界で忠犬とのんびりと暮らします。  作者: LostCun


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1/6

死と別れと再会と


「ううっ手が痛い。今日の荷馬車はいっそう重いな」

毎日一生懸命に働く少年がいた。

今日は街中で荷馬車を引いて荷物を届ける仕事だ。

「精が出るわね!」「頑張れ少年!」

「ありがとう!あと3件荷物を運んだら今日の仕事は終わりだよ」

少年の両親は敬虔な耶蘇教徒で街には親切にしてくれる人が多かった。

お金を稼いで美術館に行くんだ……

そしてあの絵を……!

少年には目的があった。

とある有名画家ルウが描いた伝説の絵を眺めることだ。

いまより小さいころに両親に連れられて行った美術館で一目見て惚れてしまったのだ。


今日稼げば週末には美術館に行ける……

季節は12月。冬になり始めた時期だ。

風が冷たく、肌に突き刺さるようだった。

少年は白い息を吐いた。

かつて少年にはパートナーがいた。

輝く毛並みを持った忠犬だ。


仕事が終わってとぼとぼと帰路についていたときである。

美術館の前を通りがかると……扉が開いていた。

不用心だな、と少年は思った。

少し、魔が差した。

「扉が開いていることを知らせに行ったついでにルウの絵が見られるかも」

浅慮だった。

「警備員さーん。いませんかー!」

ガタンゴトン

何かが動く音がした。

少し進むと、音の正体が分かった。

絵を運び出しているようだ。

そうか。そのために扉を開けていたのか。と少年は思った。

「おい!何を見ている!」

「そんな少年気にせず!さっさとズラかりましょうぜ!」

「この絵を運んだらさっさと逃げよう」

会話の内容が穏便じゃなかった。

まさか?泥棒?

「チッ!お前ら2人で運んでおけ!俺は少年をヤル」

キラリと何かが男の手元で光った。

ナイフだ。研ぎ澄まされている。

「え、ちょまって……え?」

少年は、ナイフで刺されて、致命傷を負った。



「寒い……」

ずるずると体を引きずっていた。

血液が体から流れていく。

もう戻ってはこない。不可逆の変化だ。

「もう少しだけ……」

ルウの絵に少しでも近づきたいと思った。

指先が針に刺されたかのように冷たくなっていく。

「死ぬのは、いい。だけど、この絵を見られなくなるのは、いやだ」


死の間際、ふっと1か月前に死んでしまった忠犬のことを思い出す。

「神様、願わくば先に死んじまった忠犬ウリと一緒の世界で楽しく過ごせますようにお願いします」

スウッと体から力が抜けていく。

天使が空から降ってくる。お迎えが来たようだ。

少年の魂は天へと昇って行った。



「ここは天界の門である。汝を地獄行きか天国行きか決める」

死後の世界?まさか、本当にあったんだ。

あれ?しゃべれない。何かふわふわしている。いや、体がない?


ボフっ!


何かが体当たりしてきた。

なんだろう?しっぽのようなものをすごく振り回している。

「少年ロハンとその忠犬ウリよ。汝らは天国に行きじゃが……不服があるようじゃな」

「はい、神様。ボクはまだちゃんと自分の人生を生きていないと思います。現世でもっと修行を積みたいのです」

「その意気やよし。あいわかった。知り合いの異世界運営をしている神に連絡を取ろうじゃないか」

「神様の友達……!?」

「かみともじゃよ」

「かみとも!?」

わんわんわんわん!

「ウリは元気だねえ」

「じゃあの、よろしく伝えておいてくれ。神は元気じゃ、と」

ヒューンと気が遠くなった。


次の瞬間、不思議な空間に立っていた。

自分の姿に形がある。人の形だ。

隣には……犬の形だ!

「ウリ!ウリー!」

バウバウバウバウ!

「かわいいなあ!」

「オホン、ところで、私、神なんだけど?」

「あああ!神様!申し訳ありません、再会の喜びで……つい楽しくなってしまって」

「サクッと説明するわね」

「よろしくお願いします」


「異世界に体を得て転移することができるわ。そこで生活しなさい。

生活の中で世界を神にとってより良い形にすることに貢献すると、

神様ポイントを授与するわ。それで好きにスキルなり道具なりをそろえなさい」


「良いこととは具体的にどのような?」

「住民の悩みを叶えていけば自然とポイントが集まるようになっているハズよ」

「良心に従えばいいのですね」

「大体そんな感じ」

「じゃあ!肉体の形成を開始するわ!準備はいいわね!」

「はい!お願いします!」

ジジジジジと足元から少しずつ肉の塊が形成されていく。

それに伴い、痛覚が戻ってくる。

むず痒い……

チン!

「肉体の形成に成功したわ!」

わんわんわんわん!

ウリも元気そうだ


「転移させるわよ。あとはこの世界の中で学んでいきなさい」

行ってらっしゃい!

女神はそう言ってロハンとウリを転移した。

これから数々の受難を乗り越えながら楽しく過ごしていくのだ。

とロハンは心に誓った。

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― 新着の感想 ―
輪廻転生の流れが分かるような気がした
腐乱ダースのワンちゃんがよぎったーwww   神だちーーwww
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