第94話:お勉強も大切山おろし
「だからこの時の問題はこっちの公式を使ってですね」
「……マキノ。……授業は受けてるんだよね?」
ホムラとマキノに、カホルとコヲリがマンツーマンで指導している。俺も勉強はしているが、特に何でもなく気楽なものだ。
「ところで人公はいいのか?」
「さあ、そういえば気にしていませんでした」
「あー、あの産業廃棄生物」
マキノがあんまりな言葉を使う。図書室での勉強も、慣れたものだ。ホムラとマキノの指導ポイントも分かってきたし、このままなら平均点くらい取れるだろう。俺は俺で受験に向けて勉強をしていた。正確には次の全国模試。今更期末テストの範囲など勉強するまでもない。
「アクヤ様……」
だから学校で様付けはだな。
「えーと。九王くん?」
「はいはい」
「こっちの英訳ですが……」
「そこはだな――」
俺とカホルだけが全国模試に向けて勉強している。っていうか勉強できるヒロインって素敵だ。
「む。今何か不快な信号をキャッチしたような」
「あーしも感じたし」
ゲ〇ター線のお導きじゃないか? 俺は何も知らない。
「あ、ちょっとわかったかも」
で、カホルに指導されているホムラが物理に理解を示し始めた。今の段階でも赤点はとらないけど、それでも成績がいいに越したことはない。
「……ほらほら。……マキノさんも頑張ってください」
「うぅ。勉強嫌い」
「……アクヤ様は頭のいい女性が好きですもんね?」
「そうだな。間違いない」
「じゃあ頑張るっしょ」
それでいいのか。お前のモチベーション。そうして五人で勉強して、そのまま勉学に理解を深める。ある程度休憩をしながら、モチベーション維持を最優先に俺とカホルとコヲリが、ホムラとマキノを指導する。
「ふむふむ」
「ほうほう」
ちょっととっかかりさえあれば理解を促進するのは難しくない。というか本来は学校の授業なんて教科書読めばわかる程度のモノでしかない。もちろん、そうとわかって無理だから教師という職業が存在するのだが。
「くあ……そろそろ帰るかー」
「「本当!?」」
嬉しそうなホムラとマキノ。まぁ勉強が終われば嬉しいのはコイツ等だろうな。
「ここだと糖分も補給できないし」
暗にまだ勉強はするぞ、といいながら、だが俺も集中力を欠いている。
「ケーキでも食べに行くか」
「「わーい」」
万歳するホムラとマキノ。
「今日の食事係は……」
「……私です」
コヲリがそっと挙手する。
「じゃあ今日は軽めのモノで頼む」
「……そうめん……とかどうでしょう」
「ふむ。それくらいならケーキの後でも入るな。すまんが調整よろしく」
「……承りました」
「じゃあ行くか」
ヒロイン四人と図書室を出て、そのままちょっとだけ距離を取って、一人で帰ってますよオーラを出す。
「おい。花崎さんと二條姉妹だぜ」
「可愛いよなぁ」
「俺は断然花崎さん推し」
前方の三人は、学校中から噂されていた。まぁ実際に可愛いし。これは納得。
「アクヤ~。うへへへぇ♡」
で、一人。平然と俺とイチャイチャできるマキノが俺の腕に抱き着いて喜んでいる。俺と一緒に帰れるのがそんなに嬉しいか? まぁ嬉しいんだろうな。
「なぁ……九王だが」
「もうすぐ新月の夜が来る」
「実は俺、芻〇呪法が使えて……」
ほらー。ヘイト買ってるもの。俺は何も悪くないのに。
「というわけで呪殺だな」
「不可能犯罪もアリじゃない?」
「探偵マンガ読んでるから殺人トリックには詳しいぞ」
まさに俺を殺さんとばかりに提案し続ける愛すべき学友。
「アクヤはあーしのこと好き?」
「好きだぞ」
「えへへぇ…………………………………………へ?」
「好きだぞ」
「あ、う、そ、その、本当に?」
「嫌いになる方が難しい気もするんだが」
「えっと。そんな直球で来るとは思わないじゃん?」
「おっぱいが大きいのも加点対象」
「そっかー。アクヤはおっぱいが好きなのかー」
「というわけで明日からテストの三日間だから。気を抜かないようにな」
「あ、もしかしてモチベ維持のための誉め言葉?」
「いや。お前が好きなのは本音」
そうして五人で電車に乗って、ケーキ屋へと歩く。喫茶店も兼ねているのでお茶も出る。
「ケーキ美味しい」
「……ですね」
「はぁあたしもう」
「すっごいバエじゃん!」
ケーキと紅茶のセットを頼んで、費用は俺持ち。マキノはケーキと紅茶を並べてパシャパシャと写真を撮っていた。後でSNSに上げるらしい。まぁ今すぐ上げたら特定民が動き出すだけだろうけど。今のところストーカーは出てきていないけど、それも考えないといけないんだよなー。一応電車に乗るときはマスクをするように指導しているが。
「はー。ケーキ美味しい」
「……ですです」
「太っちゃう」
「アクヤはいいよねー」
筋トレしているからな。今日も欠かさずストレッチ。そうしてケーキを食べ終えて紅茶を飲み干すと、帰路につく。今日は無理矢理マキノを泊らせた。寝る時間は確保するつもりだが、ギリギリまで知識を詰め込ませておきたい。とはいえ夜十時には寝るつもりだが。
「じゃあコヲリ。よろしく」
「……はい。……そうめんですね」
そんなわけになったのだった。
「ホムラとマキノは勉強な」
「あたしは次の歌の収録が……」
「あーしも撮影に臨むにあたって……」
「べ・ん・きょ・う・な?」
「「……はい」」
撃沈。そうして明日から始まる期末テストを考えて、相応の点の取り方を教え込んでいく。俺の性欲か? 四ラウンドKO。今日は流石にカホルの相手はしてらんないというか、カホルの方が俺の相手をしていられないだろう。それでもカホルが抱かせてくれるから心に余裕が出来ているんだよな。今日はコヲリと寝るのでそもそもカホルが相手しようがないし。バレるわけにもいかないしな。
「……アクヤ様。……お背中を流してもよろしいでしょうか?」
「ああ、任せる」
コヲリは献身的に俺に尽くしてくれる。まぁ俺の機嫌次第で二條家が終わりなのだから、丁寧にもなるだろう。早々に愛スール先生と不動ミヨに大金を稼いでもらって借金を支払い終わり身軽な立場になって欲しいのだが。そうすれば人公との純情な愛も出来るようになるだろう。
「……いかがですか? ……アクヤ様」
超気持ちいいです。ソープってこんな感じなのか?
すっげーコヲリに失礼だが。




