第37話:お風呂と添い寝
「ふっ! ふっ! ふっ!」
腕立て千回。
腹筋千回。
鍛えれば鍛えるだけ、九王アクヤの身体は応えてくれる。俺にとっては嬉しいことだ。マジでアクヤに転生して感謝だ。コヲリの手料理を食った後、そのエネルギーを筋力に回す。プロテインもセットでな。やはりタンパク質こそ至高。
もちろん勉強もするし、アニメも見る。というか筋トレはアニメを見ながらしている。そこは只野ヒートとしてのオタク根性が俺の性根を支えている。
「楽しい? 筋トレ?」
「超楽しい」
二つある部屋の一つで、テレビを見ながら筋トレ。それから風呂に入って、勉強をするのが俺のジャスティス。ところで。
「筋トレで流した汗を舐めたいんだったな?」
「そだよー」
俺のアニメ視聴に付き合って、今期アニメを見ているマキノだったが、それはそれとして俺への興味もあるらしい。汗だくになって体を鍛えている俺を少しうっとりした目で見ている。ちょっとエロい目だということは言わないでおこう。
「……アクヤ様。……あまり汗をおかきになられては……」
「大丈夫。水分補給はしっかりしている」
で、今日は火曜日なのでヒロインは全員予定なしだが、今日の御奉仕のメインはコヲリだった。飯を作ったのもコヲリだし、俺の体調を心配するのもコヲリだ。
「ところでだが。コヲリ」
「……なんでしょう?」
「頼まれた作業は出来ているか?」
「……いえ……まだです。……終わっていないというか……イメージが固まっていなくて」
「まぁ別に焦っているつもりはないが、頑張ってくれよな」
「……はい。……ご期待に添えてみせます」
期待……というか、ホムラのプロデュースに関わることなのだ。
「何かあるの?」
俺は腹筋をし、ついでにアニメも視聴しつつ、答える。
「ホムラをプロデュースしようと思ってな」
「グラビアアイドル?」
「いや。それはマキノだけ」
「あー……」
「いや、おっぱいの有無は関係ないぞ?」
別に貧乳だからできないってわけでもないし。探せば胸の小さいモデルなんて幾らでもいる。むしりファッションモデルとしてならば、爆乳のマキノより需要があるくらいだ。
「ただ別方向でプロデュースしようと思ってな。ふぅ」
で、腹筋千回を終えて、俺は筋トレを終了。プロテインを飲んで、一息つく。
「アクヤ~。汗が美味しそう……」
「おう。いくらでも舐めろ」
「えへー。じゃあ遠慮なく」
そうして汗だくになった俺の身体を舐めまわすマキノ。腹筋がバッキバキに割れているので女子受けがいいらしい。実際にホムラが言うには六組で魅力的な男子は九王アクヤらしい。まぁ成績最低辺のクラスなので、勉強でマウントを取る奴はいないだろうが。俺としては勉強もおろそかにするつもりはない。風呂に入った後は三年生の分野にも手を出すつもりだ。そもそも転生前は受験間近だったし、ほぼ高校の授業は習った範囲でもある。
「ペロ。ん。美味しい。アクヤの汗」
「…………」
ちょっと変態っぽいが、まぁ妥協しよう。
「じゃ、風呂に入るか」
「だねー。本当に水着着用?」
「そうしないと俺の息子が納得しない」
「むしろ全裸の方が納得するんじゃ?」
犯されたいのかテメーは。あ、孕みたいとか言ってたな。それは人公とやってくれ。寝取り竿役がやっていい段階には無いんだよ。
「ふいー」
で、シャワーで汗を流して、シャンプー、ボディソープ、そうして清潔になって風呂に入る。その俺の入浴のすぐそばでマキノがシャワーを浴びていた。
今日はコヲリの番だが、それはそれとしてマキノも俺と一緒にいたがる。
これは光栄なことなのだろうか?
マキノも美人だし爆乳だしで、俺の息子がビンビンになるのだが。一応俺も水着は来ているが。そそり立った息子がテントを張っていて、これはなんという羞恥プレイなのか自問自答したくなる。
「あのさ。アクヤのって……絶対大きいよね」
ネットで調べた日本人男性のアレが平均で(※検閲)センチ。ということは俺はそれを(※自重)センチ上回っていることになる。まぁ竿役だし。人公からヒロインを寝取るポテンシャルとしてはこれくらい大きくて当然ではないかね?
「ちょっとあーしとしては我慢がきかないんだけど」
「そこは自重しろ」
「あのさ。しゃぶっちゃダメ?」
「ダメです」
「ちょっとだけ。口付けるだけ」
それは普通、男が先っぽだけって懇願する場面じゃないか? 俺はしないけど。
「もう。マジでアクヤの童貞はバグレベル! こんなおっぱいがいっぱいなのに揉まないし」
揉めるなら俺だって揉みてーわ。問題はこの世界で俺が主人公じゃないってことに起因してだな。
と言えればいいんだろうが。
ソレを言ったらこの世界での俺は異端。本当に、俺がヒロインを抱くわけにはいかないのだ。
「お前も本当に好きな人と初めてをしたいだろ?」
「じゃあ楽しみにしてる」
ああ、きっと俺じゃない素敵な人がいるはずだ。楽しみにしていろ。
「……そういう意味じゃ……ないんだけどね」
困ったようにマキノは苦笑した。なんなんだ?
そうして二人して風呂をあがる。コヲリは自室の風呂に入っていて、そのままパジャマ姿で合流。その後は勉強を一時間半。そうして夜の時間になると勉強会を終えて、今度は寝室へ。そうして寝る準備に入るわけだが。
「コヲリ。コヲリ」
俺はコヲリとマキノと添い寝をするのだが、今日の比重はコヲリだ。明日は水曜日。コヲリが人公アルシを起こしに行く担当。ちなみに昨日のカホルは鬼電で無理矢理起こして、一切人公アルシとは顔を合せなかったらしい。まぁあんなことされると女子としては許しがたいよな。俺としても男としてどうかと思う。尾行してよかったと思う反面、人公にヒロインを託していいのか疑わしくもなっている。だがこの世界の主人公がアイツである限り、俺のヒロインを抱く権利はない。ただ童貞としての純情かもしれないが。こんな童貞にラブコメは無理だって。
「はあ。コヲリっていい匂いするよな」
「……ボディソープとシャンプーの匂いですよ」
「女の子って感じ。マジでマスト」
「……その……おっぱい吸います?」
「気が向いたら」
「……もう。……アクヤ様はそればかり」
仕方ないでしょ。俺は童貞なんだから。
「でもおっぱいアイマスクは出来るよな」
「……一応Dカップはあるので。……あ、でもホムラちゃんには言わないでくださいね?」
「俺はちっぱいも差別しないんだが」
「……それでもです」
「ああ、でも、これは、ダメになる」
「……アクヤ様。……お眠りになられるのはいいですが、……こんなに興奮させられると私はシャドーボクシングするしかありませんよ。……1ラウンドKO」
「あ、それはあーしも。ちょっと我慢できないっていうか発情してるし」
コヲリとマキノのG行為か。それはちょっと見てみたいな。
眠いけど。




