第20話:アクヤとマキノの関係
「あー。待ってる人いるから。散った散った」
俺が学校に登校すると、校門で小比類巻マキノが待っていた。で、男子に声をかけられていたが、ウザったそうに追い払って。そのまま登校してきた俺を見つめ、破顔する。
「アクヤ♡」
そうして俺に嬉しそうな顔を見せて、俺の隣へ。俺が校舎まで歩いて、その隣にマキノもいる。
「おい。小比類巻さんが九王と……」
「っていうかなんでアイツと?」
「クソゥ。俺狙ってたのに」
以上が小比類巻さんに対する困惑の御言葉。俺は別にどうでもいいとまでは思っていないけど、マキノとはビジネスライクな関係だし、それならそれでいいんじゃないかと思っていたが。
「腕とか組む?」
「それは……ちょっと……」
俺には出来ないかもしれない。ギャルっぽい見た目のマキノと腕を組むとか、俺の陰キャ根性が許さない。
「と・こ・ろ・で~」
男子なら即堕ちするだろう妖艶な笑みを浮かべて、マキノが言う。
「その、グラビアの件だけど」
「受ける気になったか?」
「アクヤ言ってたよね? おっぱいが大きいのも才能だって」
「まぁグラビアアイドルには向いているよな」
「じゃああーしがエッチな写真撮られたら、アクヤも捗る?」
「間違いないな」
「そっかー」
なわけで、お前には向いていると思うぞ。制服の胸元が苦しそうで、そのHカップの爆乳がタユンタユン揺れている。おそらくだが下着選びも苦労しているのだろう。
「エッチな衣装で取られるのはいいんだけどさ。それであーしはどうすればいいわけ?」
「とりあえず親父に連絡して、お願いだから名刺切って……と頼む」
「聞いてくれるの?」
「多分だがな」
そのための説得材料をこっちは持っていて。
「じゃあエッチなお仕事をするためにも、アクヤには頑張ってもらわないと」
「グラビアアイドルだぞ?」
エッチではない。いやエッチか。
「はい。じゃあ。アクヤ」
彼女は俺の腕にスルリと鮮やかに抱きしめて、まるでラブラブバカップルモードで俺を歓待した。金色の髪のギャルギャルしい女の子。ついでに九王アクヤとは金の関係。でもこいつも最後は人公の愛に絆されて真実のラブに覚醒するんだよなぁ。そのまま、アクヤとして教室に入ると。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
不審な目で俺を見るクラスメイト。もちろんセフレですなんて言えるはずもなく。なので俺は黙って彼女とクラスの定位置へ。マキノは窓際最後方。俺はその隣。ついでにホムラがその隣。
「で、さて」
今日も勉強だーと思っていると。
「…………ヒソヒソ(アクヤ。アクヤ)」
小さな声でマキノが呼んだ。そっちをチラリと見ると、彼女はスカートの端を持ち上げて、俺にパンツを見せてきた。しかも煽情的なエロい奴。
「…………ヒソヒソ(どう?)」
「…………ヒソヒソ(滾る)」
そうしてマキノのパンツを眺めながら、俺は勉強にスイッチする。
「…………」
朝のホームルームが終わって、そのまま授業。ウチは最低成績クラスなので授業に関しても考えられており、難しい話をそのままに、というわけにはいかないらしい。俺は転生前の通りに普通に勉強を進めていて、授業に関しても予習は怠っていない。だがそれはそれとして、隣に座っているホムラとマキノが俺にポーッと視線を向けているのも事実で。何か熱っぽい視線を感じる。
「アクヤ。集中してる?」
「そこそこな」
だから邪魔だけはするな。それは自然な言い様で。俺としては授業を受けるのは栄養摂取にも匹敵する。そうして勉強をしていたのだが、表層意識が俺なこともあって勉強の理解もスムーズ。そのまま俺は快調に勉強を進めていた。
「ところで九王さん。この問題は分かります?」
教師からあてられる。
「――――」
あっさり答える俺。一応正解だったらしく。
「よくできました」
ちょっぴり驚いて教師は、だが俺を褒めた。これくらいなら計算しなくても暗算で出来る。とはいえ、さすがに理解の及ばないところも無いわけではないわけで。
「ふむふむ」
週末の全国模試に向けて、俺は邁進するのだった。
「何ていうか。アクヤ。キャラがブレてるよ」
「どういう意味だ?」
「六組の生徒があんな真面目に授業受けるなんて」
「いいだろ別に。迷惑でもかけたってのか?」
「かけてはいないけど……勉強楽しい?」
「そこそこな」
「次は体育だね。男子はバスケだっけ?」
「そうだな。女子はバレー」
「カッコいいところ見せてくれると嬉しいなぁ」
「善処しよう」
そんなわけで、どうしたものか。俺に何を期待している。
「ふっ!」
ガツンとダンクを決める。
「ふわー。さすが九王くんってスポーツ万能だよねー」
「九王くん成績までよかったら無敵じゃない?」
「天に三物は与えられないとか?」
スポーツは出来るが勉強ができない。それが俺の評価だった。
「でもさぁ。腹筋バッキバキらしいよ?」
「男らしいよね」
「実はちょっと推しかもしれなくて……」
そんなことを聞いたからか。
「むー」
マキノがムスッとしていた。
「何か不興でも買ったか?」
「嫉妬しております」
「ほう。それは如何様な理由で?」
「アクヤはモテるんだなって。イケメンだし、スポーツ万能だし」
「だからって俺がどうのでもないだろ」
今更俺に言うことでもあるまい。
「アクヤは……その……スポーツしないの?」
「興味ない」
それは事実だ。マジで俺は何とも思っていない。
「言っとくけど。マジでアクヤがカッコいいとあーしは心配なのよ」
「どういう意味で?」
「寝取られ」
俺の腹筋に手を添えて、そうして彼女は俺に興奮する。マジで俺の割れている腹筋に性的興奮を覚えているらしい。
「舐めていい?」
後でな。他に言えねぇ。




