第100話:朝起きて、そうして二人目
「……ん……むに」
「あ、起きたっしょ。アクヤ。おはよー」
俺がモゴモゴとしているとおっぱいがマキノの声で朝の挨拶を……っていうかマキノのおっぱいアイマスクだった。俺は彼女の胸の谷間に埋もれていた。
「……………………………………………………………………………………ども」
すっごい現実の認識に時間がかかった。
「アクヤ。エッチかったね」
「……マジでやってしまったのかよ……昨日の俺」
「大丈夫だって。処女だから」
その代わりにアソコとかアソコとかアソコとかを使って。っていうかアレに入るのってすごくねーか? 九王アクヤの全力だぞ? 受け止めきれるか普通……。
「見えないところで努力してたから」
そういう問題でもないような。痔になっても知らんぞ。
「大丈夫だって。ちゃんと受け入れたっしょ?」
「まぁそうだが」
「はー。やっとアクヤの女になれたなー」
嬉しいか? ソレ。
「超幸せ」
さいですかー。で、おっぱいから頭部を離して、そうして起き上がる。飯にするか。
「そだねー。今日は火曜日だから全員集まってるよー」
「ああ、そうだったな」
なわけで、俺はダイニングに顔を出した。
「アクヤ様。おはようございます。コーヒーをお持ちしますね」
カホルがパッと笑顔になって俺にコーヒーを運んでくる。そのまま受け取って飲みだす。
「……アクヤ様。今日は焼き鮭ですけどよろしいでしょうか?」
「最高です」
俺としても文句はない。
「アクヤ様。アイロンをかけておきました」
「ありがとな。ホムラ」
「頭を撫でてください!」
「いい子いい子」
俺はホムラの頭を撫でる。
「えへへぇ」
そうして朝飯を食って、学校へ。駅までは車。そこから電車。駅に降りて徒歩。そうしてラリルトリオが仲睦まじく歩き、そのちょっと後ろでマキノと俺がラブラブで歩く。
「アクヤ♡」
「はいはい」
「大好き♡」
「はいはい」
もうね。こうね。童子切安綱を抜こうとしている生徒が見える。小比類巻ガチ恋勢だろう。そのマキノが俺にデレデレしていたら、それは男子生徒たちには面白くないわけで。俺はこのHカップの爆乳を昨日存分に味わったんだぜ、とかいうと焼き討ちになりかねない。それこそ漫画版デビ〇マンのヒロインの扱いも同然になる可能性がワンチャン。
「ね~ぇ。アクヤ♡ キスしよっか♡」
「遠慮する」
「恥ずかしがらなくてもぉ。あーしとアクヤの仲っしょ?」
まぁたしかにレディとレディファイトはしたんだが。ところで俺の液体って美味しいのか。吐いた唾が飲みこめないように、男からするとなんだかなぁな対象なんだが。
「アクヤ以外のは飲みたくないかな?」
まぁそういう結論になるよな。
「こ、ここ、小比類巻さん!」
で、俺と腕を組んでラブラブしているマキノに、声をかける男子生徒。赤面して純情そうな少年だ。
「好きです! 付き合ってください!」
「お断り~。あーしはもうアクヤの女だから」
「そんな!」
「色々したっしょー。想像できる?」
エッチな表情でマキノがそう言うと、男子生徒は股間を押さえてうずくまった。理解したらしい。いや、一応処女ですよ? 大丈夫だよね? 人公氏。
「なわけでゴメンねー。もうあーしは染められちゃったの」
「生徒指導に言いつけてやるー!」
そんな負け惜しみを言って、男子生徒は去っていった。
「それで。風紀的な問題なんだが……」
難しそうな表情の生徒指導の教師が、生徒指導室で俺とマキノにコーヒーを振る舞って。今朝の男子生徒は本気で俺たちのことを告げ口したらしい。その男気は買うが。
「小比類巻さん。ちょっと自重しないか?」
「何をですか?」
「君は可愛いしアイドルでもあるから、男の子の気を引くのは……」
「でも、あーしはアクヤが好き!」
「九王はどう思ってるんだ?」
「キープ」
最低最悪なことを俺は言ったが、あながち間違ってもいないという。
「そういう関係なのか?」
「いえ。抱いてません」
平然と嘘を吐く。というかここで暴露するメリットもないだろう。
「本当か? 小比類巻さん……」
「まだ処女でーす」
「そういうことは言わなくていいんだ。俺がセクハラで減給されたらどうする」
でも女子に確認を取るってセクハラでは?
「とにかく。学校では清く正しく美しく。健全な恋愛をしてくれ」
「承知しました」
「うっけたまわりー♪」
そうしてマキノは俺の腕に抱き着いてくる。あわわわ。Hカップの爆乳が。
「じゃあ行こ♪ アクヤ♪」
「本当に大丈夫なんだろうな?」
「孕んだら責任取るんでよろしくお願いします」
「どうやってとるんだ?」
「まぁ結婚?」
「じゃあすぐ孕ませて♡」
俺と結婚するためなら妊娠することも厭わないらしい。まぁ九王グループの庇護下に産まれてくるなら親ガチャとしては当たりの部類ではあるが。マキノとねぇ。
「アクヤ。あーしのおっぱいどう?」
「大丈夫でーす。間に合ってまーす」
「ちなみに今日のパンツはね」
「あとで見せてくれ」
「お前ら。独身の生徒指導教師に喧嘩売ってんのか?」
いえ。そういうつもりでは決して。
「なぁ。どうやったらモテると思う? 相談に乗ってくれ。九王」
「清潔感が大事ですよ。それさえあれば、後は養ってくれる男を女性は探していますから」
と、ネットの記事で見かけたことがある。ソース? 何ソレ。
「そうか。清潔感か。わかった。実践してみる。杉谷先生……俺に振り向いてくれ!」
社内恋愛をする気か。社内ではない……わけでもないか。法人だし。でも同僚と恋愛かー。教師の出会いが少ないって本当なのかね? まだ生徒の俺には何とも言えない。
「アクヤ。今夜もする?」
「マキノは生徒指導教諭をこれ以上挑発するな」
俺の内申点がヤバイ。まぁ別に学力試験だけで国立に受かる自信はあるけど。あと今日はコヲリと寝る。
「あーしは何時でもいいからね?」
「要熟考だな」
アソコとかアソコとかアソコとかを使って、俺の性欲を発散させる。たしかに処女は守れるのだが汚れちまった悲しみに。では、発射プロセスをもう一度見てみよう。いや、再現しませんよ? さすがにコヲリとホムラは……ね?
俺の最後の希望だ。あるいは人公の。




