パーティ結成!?③
「却下」
リュネがノリノリなテンションになってきたファルじいさんの言葉をさえぎった。
「正式なパーティ登録は、初心者ダンジョンを攻略したあとにしか出来ないし、攻略したあともパーティを続けるかなんで分からないんだから、名前はパーティとして活動するって決めてからね。
それよりも初心者ダンジョンに挑むなら、お互いのスキルや能力の確認が先でしょう?
それと確認だけど初心者ダンジョンに挑める人数は最大4人。もう1人仲間にする当てがある人はいる? 私はいないわ」
「近所の子供達に当たればあと1人くらいは可能じゃろうが。流石にもう1人分の資金がのぅ」
と、ファルじぃさん
「誰も仲良くしてくれねぇからな! いない!」
これはリノの発言。ドワーフだからか? 街の方の冒険者学校は種族差別があるんだろうか。貧困街の方は実力が大事で種族問わず強い人が尊敬されて、僕みたいに弱い人が差別されてたな。
「僕も心当たりはないです」
「じゃあ、この3人で挑戦ね。来週の日曜でいい? 予約状況を確認しないとだけど、たぶん大丈夫でしょ」
リュネが僕に尋ねてくる。リノの予定は把握してるのだろう。
「う、うん、大丈夫」
「じゃあ日程は来週の日曜で決まり。
次はリーダーだけど、それはルックあなたがやって」
「え? リュネがやらないの!?」
「私は無理。間違いなく魔法を使うので手一杯になるわ。そもそもちゃん魔法が打てるかも確認しないといけない状態なんだし、大きな声も私は出せないわ。で、リノはリーダーとかそういうの一切、向いてないから。だからあなたがリーダー。
次は私のスキルと魔法を説明するわ。使えるスキルは魔力感知、魔法解析、虚弱体質の3つよ。虚弱体質はマイナスのパッシブスキルね、このスキルせいで、レベルを上げたとしても体の弱さは克服できないはずよ。
魔力操作を付与された状態ならって条件付きになるけど魔法は火球、光球、エアカッターの3つ。魔力量は33。魔力消費については火球と光球がだいたい3、エアカッターが6よ。
リノ、あなたも説明して」
「はい! あたしは、リノクク。お父さんとお母さんは街で鍛冶屋をやってます!
好きな食べ物は、お肉!お肉!お肉!!
嫌い食べ物は、ないです!!
あ、、、スキルの話だっけ?
スキルは『強打』と『踏ん張る』のふたつ。武器は棍棒みたいなやつで殴るだけじゃなくて打つのも任せろ! それに物を投げるのも割と自信あるぞ!! 苦手なのは、かけっこだ。自慢じゃないけど学校で1番、遅い!!」
リノは、えっへんといった感じで語った。苦手なことまで自信満々なのはどうかと思う。それと棍棒みたいなものっていうのも気になるな。
次は僕が説明する番だ。
「えっと、、ルックです。孤児院で生まれて育ちました。クラスは付与魔術師。冒険者学校は進級できなくてF級冒険者です。
スキルは特になくて、魔力・体力・生命力の3つの譲渡ができます。付与魔法が視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の強化。強化の効果は下がるけど五感まとめての付与も出来ます。
あとは強化タイプの付与。武器の強化付与は、硬化、鋭さの強化まで出来るけど、メガネにしか付与できないから剣や盾には使えません。筋肉強化はメガネをつけた人に対して効果が出るから問題なく使えます。それと魔力操作の付与もできます。付与の重ね掛けは2つまで、同時に付与できる数は3つまでです。魔力量は129あります。
今、新しく探知系の付与も練習しているのでダンジョンに挑戦する前に覚えれるように頑張ります。よろしくお願いします」
僕はこう説明して頭を下げた。
「え? 魔力量129? 魔力量129っていったらLV15相当よ? 付与の効果時間もめちゃくちゃだし。ほんと、噂とはずいぶん違うわね。
あとは武器とか持ち物の話や連携についても話し合いましょう」
リュネをまとめ役として色んな話と対策を練った。
ファルじいさんはパーティ名、パーティ名と時折、言ったきてたが、パーティ名について話し合うことはしなかった。