表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/14

エピローグ 〜 クリアな世界 〜

 寒い冬の早朝。吐く息も白い。防寒着どころかまともな服すら持っておらず、靴も薄皮の靴だけで寒くて寒くて仕方ない。


 昨日、日が暮れる前に、ほんのわずかな厚みしかない水たまりに置いておいておいた細工の品を確認する。予想した通り寒さで、水たまりには、うっすらと氷が張っている。これなら大丈夫なはず。


 細工といっても木の枝を2本、水たまりに突き刺し、突き刺した方の先端に8の字を横に倒したような形にツル草のツルを絡ませただけの簡単なもの。


 持ち上げようとするとパキパキと軽い音で周りの氷が割れていく。ツルでできた丸の中の氷を割らないように周りの氷の膜を指先で砕いたあとに、2本の木の枝をゆっくりと引き抜いていく。


 そのまま、そっと両耳に2本の枝を掛けて氷の膜を通して周りを見渡す。


 耳や頬は冷たいし、氷は濁りすぎて景色が歪んでるし、むしろ何も見えない。



付与魔法・視力強化エンチャント・ビジョン



 下手くそ、ど底辺と言われた僕の付与魔法。

それでもひょっとしたらと望みをかけて唱えた呪文。


 歪んだ景色が変わっていく。

 透き通った氷。いつも以上にはっきりと見える景色。


 朝焼けの空と草原がこんなにも、こんなにも、はっきりと視えるなんて。




「・・・なんて綺麗なんだ」








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ