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第6話「寄居真理子さん大救出作戦」


 「急げ、早くしないと・・・」

 

 「わ、分かってる」

 

 俺は烏に変化しているブラックと共にカラオケ店内を疾走中!

 

 早く皆の所へ行かないと・・・半獣が・・・

 

 「はぁはぁはぁ」

 

 ああ・・・階段キツイ・・・

 

 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

 「なんだ?もうばてたのかもやしっ子」

 

 「はぁ・・・誰が・・・もやしっ子・・・だぁ・・・はぁ」

 

 うぅ・・・さっきの緊張のせいか、足が震えて上手く走れない・・・

 

 「信良、ツッコミにキレがないぞ」

 

 「うるさい黙れ・・・はぁ」

 

 ヤバイ・・・酸欠。

 

 「・・・っ!!信良、一旦ストップ」

 

 「は?」

 

 「・・・誰かいる」

 

 その時、誰かの靴音が・・・

 コツッコツッコツッ

 

 「・・・え?」

 

 な・・・もしかして生存者!?

 

 そして、それは目の前のかどから現れた。

 

 コツッコツッコツッ

 

 「・・・あ」

 

 そこに現れたのは、若い男性。

 

 「あの、もしかして生存者の方・・・ですか?」

 

 結構なイケメン・・・180センチはあるであろう身長、長い足、頭には黒いニットぼう。

 

 「あんた・・・誰?」

 

 「あ、俺、川口って言います。こっちは・・・さっき店内に迷い込んできた野生の烏です」

 

 「カァ!!」

 

 おおっ!ブラックが乗ってくれた!!

 

 「川口・・・」

 

 「あ、はい。川口信良です・・・。あの、今ここ凄く危ないんで、早く逃げた方が・・・」

 

 ヒュっ!!

 

 「信良ふせろ!!」

 

 ぐいっ!

 

 「うわっ!!」

 

 その時、俺の頭上を何かが横切った。

 

 スー・・・

 

 俺は勢い余って地面に倒れた。痛い・・・

 

 「チっ・・・」

 

 「な、何!?」

 

 え!!若い男性の手元には・・・銀色の・・・長細い何かが二本。

 

 「・・・次で仕留める・・・」

 

 男性は二本の何か・・・ってアレ、まさか日本刀!?

 男性は二本の日本刀を構え、ギロリと俺を睨む。

 

 こ、怖い・・・

 

 「・・・そう言えば、まだ名乗ってなかったな」

 

 は!?何武士みたいな事言って・・・

 

 「俺は川越豹太、じゃ、いくぜ」

 

 「え!!ちょっ、まっ、え〜!!」

 

 素人でも分かる、明らかな殺気・・・

 

 「え、何なん!!」

 

 次の瞬間、豹太の日本刀が俺の首を捉えた。

 ほんの一瞬、かなり速い斬撃、目に見えなかった・・・

 

 「うわっ!!」

 

 「首取った」

 

 その時!!

 

 ガキ〜ン!!

 

 「え・・・!?」

 

 「な・・・!?」

 

 俺の目の前には、綺麗に真っ二つになった灰皿

 

 「いや〜危ない危ない・・・」

 

 「あ・・・」

 

 俺の後ろ、そこには数枚の灰皿を持った人間姿のブラックが・・・

 

 「俺が灰皿投げてなかったら今頃アンタ死んでたかもな、信良」

 

 「ブラック・・・」

 

 ブラックはニヤリと笑う。

 

 「よう豹太、相変わらずだな」

 

 「烏森黒夫・・・厄介な奴がいたもんだ」

 

 「へ・・・?」

 

 何?この久しぶりの再開的な雰囲気は?

 

 「信良ぃ!」

 

 「え!?」

 

 「コイツは俺に任せろ、アンタはさっさと寄居ん所行きな」

 

 「はい!?」

 

 なんだこの状況!?

 

 「コイツ・・・川越豹太は半獣だ」

 

 「・・・え!?」

 

 な、なんですとぉ〜!

 

 「さっさと行け、もやしっ子」

 

 「だ、誰がもやしっ子だ!!」

 

 そうツッコミつつ、俺はダッシュ!!

 

 「行かせはしない」

 

 豹太は直ぐさま反応、一気に俺に斬り掛かるが・・・

 その時、豹太のニットぼうがずり落ち、黒い髪が見えた。

 

 そして、頭部からはミィみたいな猫耳・・・いや、豹耳が二つ・・・。

 

 「あ・・・」

 

 しめた、豹太がニットぼうに気を取られている僅かな隙に、俺は一気に豹太の横を突っ切った。

 

 「ちっ・・・」

 

 豹太は直ぐさま俺を追う体制に入ったが、豹太と俺の間にブラックが入り込んだ。

 

 「行かせはしないぜ、豹太」

 

 「烏森・・・」

 

 「NO、今は烏森黒夫じゃない、ブラッククロウソードだ」

 

 「・・・中二か、そのネーミングセンス」

 

 少しの静寂・・・

 

 「・・・豹太、お前の目的はなんだ?」

 

 「・・・・・」

 

 「まさか、まだあの会社に所属してんのか?」

 

 「・・・・・」

 

 「やめとけ、あんな場所。今ならウチで雇ってやってもいいぜ、豹太」

 

 「・・・・・」

 

 「第一、あんな後ろじみた場所よく・・・」

 

 「・・・・・」

 

 シャキッ!!

 

 日本刀をひと振り。

 

 「・・・危ねぇな」

 

 「・・・俺は動物戦闘屋の一員、川越豹太。上からの命令だ、あんたら動物恋愛相談所の一味を抹殺する」

 

 「なっ・・・」

 

 「いくぜ、構えろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ブラック、大丈夫かなぁ〜?」

 

 俺は走りながら思った。 

 つーか、何かすごい事件に巻き込まれた気がする・・・

 

 そして、しばらくして俺らがいた部屋、201号室に到着した。

 

 「・・・ごくっ」

 

 唾を飲み込み、ドアのとってに手を掛ける。

 

 深呼吸よ〜し、いざ、オープン!!

 

 ガチャ!!

 

 

 

 

 「・・・っ」

 

 そこには・・・誰もいなかった。

 

 「・・・遅かった」

 

 ヤベー!!どうしよう・・・真理子さん!!

 

 真理子さんだけじゃないし、秀勝に幸也、孝明に千姫、新座・・・

 

 「あ〜どうしよう」

 

 ま、まさか半獣に喰われたとか・・・

 

 「やばいよ〜!!」

 

 「そうですわね、ヤバイですこと」

 

 「ああ、やばいよ〜・・・ん!?」

 

 振り返る。クルッ。

 

 「・・・誰?」

 

 目の前には、スーツをきた太いオバハンの姿ありけり。

 赤い三角ふち眼鏡を掛けて、髪はオダンゴ、いかにも語尾に“ザマス”って言いそうなオバハンの姿ありけり。

 

 「何で容姿の感想が古文風になってるザマスか!?ありけりって何ザマスか!?」

 

 ザマス言った・・・つーか人の心読めんのコイツ!?

 

 「ゴホン、わたくし、動物戦闘屋の秩父蜂乃と申します」

 

 丁寧に名刺を差し出す秩父さん。

 

 「あ、どーも・・・ん?動物戦闘屋?」

 

 その時、突然目の前に蜂が!!

 

 「うわっ!!」

 

 何とか追い払う、あれ?この時期に蜂って・・・ってうわっ!!

 

 「気付くの遅いザマスねぇ、信良ちゃん!」

 

 気付くの遅かった・・・・・

 

 俺が気付いた時、この201号室の中に・・・大量のでかい蜂が所狭しと羽ばたいていた。

 

 「え!?何これ!?」

 

 いつの間に・・・ってか蜂居すぎでしょコレ!?

 

 「わたくしは動物戦闘屋。今回のターゲットは貴方ザマス」

 

 「・・・俺?」

 

 脳内パンク寸前。

 何がどうなってんのコレ!?

 

 「そうザマス。今からわたくしの部下であるこの蜂ちゃん達が、信良ちゃんの命を奪うザマス!!」

 

 蜂・・・部下・・・

 

 「・・・まさか」

 

 「ふふっ、わたくしは蜂半獣、女王蜂ザマス!」

 

 やっぱり・・・

 

 「ささ、蜂ちゃん達、信良ちゃんの命を奪うザマスよ!!」

 

 「なっ!!ちょっとタンマ!!ってか何で俺がターゲットなんだよ!!」

 

 なんか怨まれるような事したっけ・・・否、していない!!

 

 「行け、蜂ちゃん!」

 

 ブ〜ン!!

 

 大量の蜂が俺目掛けて突っ込んで来た〜!!

 

 真理子さんとのデートの夢、ここで散った・・・

 

 

 

 

 その時だった!!

 

 「息止めろ信良!!」

 

 プシュ〜・・・!!

 

 「なっ・・・!?」

 

 「何ザマス!?」

 

 室内に白いガス状の気体が、部屋の入口から放たれた。

 

 「う・・・・」

 

 な・・・この独特の臭い・・・まさか殺虫剤!?

 

 「なぁ・・・ヤバイ・・・ザマス・・・」

 

 辺りの蜂が力無く床に落ちていく。

 

 そして秩父も・・・

 

 「大丈夫?信良?」

 

 俺は殺虫剤でしょぼついた目を擦り、部屋の入口、声のした方に目をやった。 

 そこには・・・

 

 「お前らか・・・」

 

 「なんだその顔!!せっかく来てやったのに」

 

 「全くだわ!!」

 

 ポチ太郎とミィの姿がそこにあった。

次回、カラオケもはやカラオケではないが・・・・・佳境突入!!


信良は真理子を救えるのかっ!?

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