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第1話「強気な猫とツッコミ少年」

この小説は不定期更新です。そこの所よろしくお願いします!!

 ハロー皆さん!

 

 突然ですが質問です!

 

 貴方の好きな動物って何ですか?

 

 んで、もし貴方の好きな動物が擬人化して、しかもめっちゃ自分好みの異性として貴方の目の前に現れたら、どうする?

 

 え?そんな事は絶対にない?

 

 まぁそう言わずに想像してみて下さいよ。

 

 知的でクールな犬耳ボーイや、キュートで愛らしい猫耳ガール。もちろん尻尾付き!

 

 え?発想がキモい?

 

 そんな事言ったってしょうがないじゃん。

 

 だって今、俺の目の前には・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁとりあえずは自己紹介でもしておこう。

 

 俺の名前は川口信良。

 現在15歳、中学三年生。

 好きな食べ物はフルーツ全般。

 得意な教科は数学。

 ゲームや漫画大好きの普通な中学生だ。

 

 そんな俺には今、少し気になっている人がいる。

 同じ松山中三年三組の寄居真理子さん!

 勉強ができて、スポーツもできて、おまけに超可愛い!

 まさにクラスのアイドルだ!

 

 本当は真理子さんといろいろとお話したい、一緒にデートしたりしたいんだけど、超内気な俺では真理子さんに話し掛ける事すら出来ない。

 中三と言えばまさに高校受験真っ只中。

 それが追い打ちをかけ、受験勉強で忙しそうな真理子さんに声を掛ける事が何だかアウト的な感じがしてならない。

 

 「もうすぐで中学卒業・・・真理子さんとは別の高校だから、いい加減話し掛けないとな・・・後々後悔しそうだし」

 

 学校からの帰り道、俺が一人で下校をしていると・・・

 

 「にゃ〜おん」

 

 足元から声が。

 

 「んあ?」

 

 足元を見ると、そこには一匹のトラ柄の猫が。

 

 「にゃお〜ん」

 

 猫は俺の足に擦り寄ってくる。

 

 「何だ?猫か?」

 

 俺はその場でしゃがみ込み、猫の頭を撫でてやった。

 ぐるぐると喉を鳴らし、気持ちよさそうに目を細める猫。

 

 「かわええな・・・」

 

 猫愛好家の俺は猫の顎や頬っぺたを軽く撫でてやる。

 相変わらず気持ち良さそうにしている猫。

 

 「さて、そろそろ帰らないと」

 

 俺は猫を撫でるのを中断し、その場で立ち上がる。 

 「じゃあな猫」

 

 俺はそう言って立ち去ろうとした。

 

 その時・・・

 

 「アンタ、今片思いしてるでしょ?」

 

 どこからともなく声がした。

 俺はその声にビックリ、辺りを見渡す。

 すると・・・

 

 「顔を見りゃ分かるのよ、アンタかなりのオクテみたいだし」

 

 「だれ?」

 

 「しかもルックスは微妙だし、髪もモサッとしてるし」

 

 「あ、もしかして神様!?天の神様の声!?」

 

 「おまけに男のくせに猫好きだし」

 

 「神様ぁ〜!男でも猫好きは沢山いるんですよ・・・ってオワッ!!」

 

 俺はその一瞬で腰を抜かした。

 

 「あ・・・ああああああああああ!!」

 

 今、俺は見た。

 

 確かに今、この両目で見た。

 

 「まぁよし、ではこの私がアンタの恋に一役買いますか」

 

 今俺の目の前には一人の少女がいる。

 

 しかし、その少女は・・・猫だ。

 

 え?何言ってるか分からない?

 

 では、分かりやすく単刀直入に言おう。

 

 今さっきまで俺が撫でていた猫が・・・人間に変身したのだ。

 

 「あわわ〜・・・!」

 

 化け物!って言おうとしたけど、あまりの驚きと恐怖で声が出ない。

 

 「・・・ねぇちょっとアンタ、話聞いてる?」

 

 少女はしりもちを着いて硬直している俺に向かい、軽くガンを飛ばしている。 

 しかし、俺の頭の中では違う事を考え中。

 

 (ね、猫耳に猫尻尾・・・ってか、エーーーっ!!!!!!!)

 

 俺は気を失いそうになった。

 意外や意外、その少女が結構可愛いのだ。

 

 「私はミィ。動物恋愛相談所の一員で・・・」

 

 少女は何やら説明を始めたが、俺の耳には入って来ない。

 

 その時

 

 ズサッ!!

 

 「ギャー!!」

 

 頬に走る鋭い痛み。

 

 俺は右手で頬を触ってみた。

 何だか軽く濡れている感覚・・・ってこれ、血だー!!

 俺は少女の方を見る。

 

 少女は少しイラついた目をしていて、その両手からは鋭い爪が見えた。

 

 「とりあえずアンタ、人の話を聞きなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「この世界に生を授かる動物の中には、極稀に人間の姿に変化出来る“半獣”と、言われる動物が生まれる事がある。

 犬、猫、鳥、馬、牛、鼠、蛇、狐、鯨、熊、猿、虫、魚、豚、狸などなど、この世界中の生物で、人間以外の全ての生物に“半獣”が生まれてくる可能性がある。

 半獣は自らの気を集中させる事で、個々の生物から人間の姿に変化する事ができる。

 しかも、半獣の知能は人間並にあり、その半獣が生まれた土地の語源なら、動物の骨格状不可能でも話す事ができる。

 しかし、多くの半獣は人間の姿にならず、獣のままで一生を過ごす事が多い。 自らが半獣だと自覚していない事が多いからだ。

 その場合、その半獣は人間に変化する事をしないので、さらに自分が半獣である事を知る機会がないのだ。

 人間に変化出来る半獣のほとんどは、まだ小さい時に何らかの理由で人間の姿になり、それがきっかけで自分は半獣なんだと自覚させられる場合が多い」

 

 そこまで言うと少女―――ミィは手元の本、表紙には(半獣について)と書かれてある本を閉じた。

 

 「今のが半獣の基本知識。えっと、次は・・・」

 

 「説明が長ぁ〜い!」

 

 俺は思わずツッコミを入れる。

 

 「お前、読者なめるなよ、ほとんどの人は説明文長いと読むのやめて違う小説読み始めちゃうんだぞ」

 

 「ったく、人がせっかく丁寧に説明してあげてるのに、うるさいガキだ!」

 

 「うるさいとはなんだ!つーか突然“半獣”とか言われても混乱するだけだ!!」

 

 「馬鹿ガキ(小声)」

 

 「今お前人の事バカって言ったな!絶対言ったなバカって!!」

 

 「バカじゃない。ウマシカだ」

 

 「知るかーー!!」

 

 ぜぇぜぇと息が荒くなるのが分かる。

 とりあえず落ち着こう俺・・・

 

 確か学校からの帰り道で猫に出会い、その猫が人間になって、俺の頬から流血させて、どっかから分厚い本を持ってきて、長い説明を始めた。

 

 なるほど、理解出来た・・・って出来るかぁ!!

 

 「・・・アンタ、さっきから一人で何ごちゃごちゃやってんの?」

 

 おっと、俺とした事が、軽く取り乱してしまった。 

 「・・・お前は何者だ??」

 

 1番気になる事をどストレートに質問。

 

 「だから、私は猫半獣のミィ。動物恋愛相談所の社員よ」

 

 「・・・その、ドウブツレンアイソウダンジョってのは何だ?」

 

 「何でカタコト言なのよ・・・動物恋愛相談所ってのは、私達半獣が人間の恋を応援する会社の事」

 

 「・・・何故、は、半獣が人間の恋を応援する?」

 

 「うーん・・・ぶっちゃけ、人間の心理について興味があるから」

 

 「・・・は?」

 

 「あのね、ほとんどの半獣は人間にキョーミを持つものなの。私の場合、人間の心理や考えにキョーミがあって・・・」

 

 「・・・・・」

 

 俺は改めてミィの方を見てみる。

 黄色い大きな瞳、茶色の短い髪、頭の側面(と、言うより上部)からは髪と同じ色の獣の耳、いわゆる猫耳。

 体は普通の人間と同じで人間の皮膚、人間の爪(にしてはやけに鋭い)、二足歩行の足に二本の腕。肉球のかけらもない。

 そして、腰の辺りからは茶色い尻尾。ちょうどズボンとシャツの間からにょろっと生えている。

 あ、ちなみにミィは変化した時から服、ズボン、靴は着用済み。

 

 「・・・何じろじろ見てんのよ」

 

 「・・・俺帰る」

 

 かばん持った、手提げのバック持った、よし帰ろう。

 

 「あ、ちょ、待ちなさいこら!!」

 

 俺は全力疾走!

 クラスで14番目に速いこの俊足を見よ!!

 

 「待ーちーなーさーい!!!」 

 背後から恐怖の声が・・・振り返えったら終わりだ俺、前だけを見て走るんだ!!

 

 ガブっ!!

 

 「ギャー!!!」

 

 なっ!?突然左足に激痛が・・・ってうわっ!!

 俺の左足に一匹の猫が噛み着いている・・・!

 このトラ柄猫はまさか・・・・・!!

 

 「はひははい!!(待ちなさい!!)」

 

 「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 なんじゃこりゃ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう何回路地裏を曲がっただろうか・・・

 

 俺はミィに連れられ、半ば強引にドウブツレンアイソウダンジョに連行されている途中だ。

 目の前には猫、左右はビルの壁、下はマンホールだらけの細いアスファルトの道。

 ・・・俺、無事に帰ってこれるかなぁ?

 

 「はぁ〜着いた!ここが本社よ」

 

 どれどれ・・・って、ただの廃ビルじゃねーか!

 

 「ここは滅多に人間が来ないから、経営にはうってつけなのよ」

 

 「滅多にって、これじゃ人が相談に来ないだろ?んなんで儲かるのか?」

 

 路地裏のまた路地裏、こんな所に建てたって人は気付かないだろ。

 

 「あのね、半獣は自らが決めた仕事の客以外には存在を明かしちゃいけないの。じゃないと世界が大混乱に陥るわ」

 

 「んじゃ、客として半獣の存在を知った人がばらしでもしたら・・・」

 

 「そんな事、だれも信じないでしょ」

 

 何だかあいまいだなぁ・・・。

 

 「とりあえず、社内に入るわよ」

 

 「・・・なんか怖いな・・・」

 

 えーい信良、男ならこのくらいで怖がるな!!

 自らに喝だ!!

 

 「・・・あのさ、その社内にはお前以外にどんな半獣がいるの?」

 

 これだけは聞いておかないと。

 ライオンなんかいたらパクっといかれそうだし。

 

 「えーと・・・狐に烏に犬にクリオネ」

 

 「クリオネ!?」

 

 なんと言う微妙な生物・・・

 でも、人間を襲う動物はいないみたいだ。

 では、いざ社内へ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3階建てのボロビルの2階に相談所はあった。

 

 「ただいま!!」

 

 ミィが勢いよく扉を開ける。

 

 「お、お邪魔します・・・」

 

 そーっと中を伺う。

 

 「おう、ミィ。帰ったか」

 

 「あ、社長!お客さん連れてきたよ!!」

 

 社長?誰それ?あんたが邪魔で中が見えない。

 

 「でかした!いまから茶入れるから」

 

 社長?の声が遠ざかっていくのが分かる。

 

 「さ、アンタ。中に入って!!」

 

 「あ、ああ・・・」

 

 この部屋の第一印象、

 なぜ窓ガラスがわれてるの!?

 第二印象、

 獣臭い・・・

 第三印象、

 部屋の入口のすぐ脇にでっかい水槽あり。

 中にはクリオネが一匹のみ。

 こいつがアレか?先程話しに出たアレか?

 

 「おう、坊やが客かい??」

 

 この声はさっきの社長の声!!

 振り返った俺が見たものは・・・

 

 黒いスーツ、黒髪七三分け、目つき鋭い、革靴、背中からはでかい黒い翼・・・・コイツ多分烏だ。

 

 「俺はこの動物恋愛相談所の社長、ブラック・クロウソード、烏半獣。よろしく」

 

 ぶ、ブラック・クロウソードが名前!?中二のネーミングセンス・・・

 

 「はあ・・・」

 

 何と答えればいいのやら・・・

 

 「あ、お客!?」

 

 お、なんだ?今度は部屋の奥から元気そうな少年が走ってきたぞ?

 

 「おいらポチ太郎!よろしくな、客!!」

 

 ポチ太郎って、ハ〇太郎のパクリか?・・・ってそれ以前に礼儀がなってねぇ!!

 ポチ太郎・・・犬だなこりゃ。

 犬耳にフリフリ尻尾。多分パピヨンか何かだろう。

 

 「こらポチ太郎、お客様にその態度は失礼ですよ」 

 また何かきた・・・

 うーん、黄色っぽい耳にふんわりした尻尾。

 

 「私はフコンと申します。よろしくお願いします」 

 フコン・・・コン・・・あ!狐だ!!

 ポチ太郎とはまた180度違う、大人しそうな女性だな・・・

 

 で、残るは・・・多分・・・

 

 バシャっ!!

 

 うわっ!水槽の中に人がおる!!

 あ、この幼児みたいなちびっこはまさか・・・

 

 「あたしはジョニー山田よ。よろしくね」

 

 頭に生えるその触感らしきもの・・・クリオネか・・・ってジョニー山田って何!?

 

 「ミィ、ポチ太郎、フコン、山田、みんなウチの社員だ」

 

 ブラック・クロウソード・・・めんどいからブラックさんでいいや。何?そのどや顔?

 

 「そう言えば、まだ君の名前聞いてなかったね」

 

 「か、川口のぶ・・・」 

 「川口信良15歳男性、松山中学校三年三組在籍、自宅住所は〇〇県〇〇市〇〇〇マンション201号室にて、父、母、弟一人、妹一人との5人暮らし。趣味は散歩、果物大好き、数学が得意」

 

 ・・・俺、今名前言おうとしたら・・・何か個人情報が聞こえたんだけど。

 何かジョニー山田がファイル開いて音読してるんですけど。

 個人情報なんですけど・・・

 

 「何なん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・帰りてぇ」

 

 さっきからツッコミばっかで疲れた。

 

 「つまり、川口君はその・・・寄居さんの事が好きなんだ」

 

 「はい」

 

 ブラックが俺に質問を問い掛け、疲れ果てている俺は抵抗する気力がなく、素直に洗いざらいに喋ってしまった。

 真理子さんへの気持ちの事とかを・・・

 

 「って事は、今回、川口君とその寄居さんをくっつける事が俺らの仕事になる訳だ」

 

 ブラックはここで茶をすする。

 隣ではフコンが器用にメモをとっている。

 一応、なんか相談所っぽい雰囲気が流れてる。

 

 ・・・隣のソファーではミィが猫の姿で熟睡中、ポチ太郎とジョニー山田はあっちでDSやっている。

 

 前言撤回、相談所っぽくない。

 

 「よし、分かった。じゃあ早速作業に入りますかな」

 

 あ、ブラックが烏に変化した。結構でけぇ。

 

 「じゃ、いまからその寄居って奴のストーキングをしてくる。フコン、留守任せたぞ」

 

 「はい」

 

 ブラックはわれた窓ガラスをくぐり、外へ飛んで行ってしまった。

 

 「・・・あの、フコンさんだっけ?」

 

 「あ、はい」

 

 薄い黄色のふわっとした長めの髪、透き通るような瞳、細く色白な体。狐耳に狐尻尾。

 結構綺麗だ。

 

 「俺、もう帰っていいのか?」

 

 「あ、構いません。どうぞお気をつけて」

 

 じゃ、と返事をし、やっとこさ相談所から解放。

 もう夜だし。

 

 半獣か・・・

 

 何か信じられないなぁ・・・

今回のこの小説、一応短期連載の予定でいます。

しかし、結構人気があったり、アクセス数があったりしたら長期連載になるかも。

全ては人気次第と言う事です。




次回、ストーリー本格始動

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