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結章 XXXX年 XX月 XX日
ある家に手紙が来る。
その手紙を、玄関から出てくる主婦が受け取る。手紙を渡す際、送り主が不明だと告げる。
主婦は少し困惑したが、宛先が娘の名前だと言うことに気付く。しかも文字が娘の字と一緒なのだ。こんな偶然、あるのだろうか?そんな想いを残したまま、主婦は家に戻る。
リビングに戻ると、今にも眠たそうに朝食を食べる娘がいた。主婦は娘に手紙を渡し、こう告げる。
「その手紙、誰から送ってきた者なのか分からないらしいわよ?あなたの知り合い?」
その問いに、娘はブンブンと首を振った。そう、と主婦は言うと、台所へ戻った。
娘は、食べていたパンを皿に置くと、ティッシュで手を拭き、手紙を開ける。
封を開け、中の手紙を開く。そして、その手紙には、優しくも綺麗な字でこう書かれていた。
『拝啓、あなたの見る世界が、どうか光に満ちた世界でありますようにー』