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39. 剣王の称号を取った気の男

 

「それじゃあ、出発よ!」


 シャンティーが、元気に宙に舞い、高らかに宣言する。

 そう、今日は記念すべき、名門『犬の肉球』の活動が、本格的に始まる日なのだ。


 そして、『犬の肉球』の最初の目標は、塩太郎による剣王の称号の奪取。


 誰かが、新たに剣王の称号を得れば、世界中に居る冒険者達に、すぐに知れ渡るシステムになっているのだ。

 それを利用して、名門『犬の肉球』の再結成を、世間に知らしめる作戦なのである。


「ていうか、剣王って、どこに居るか分かってんのかよ?」


 塩太郎は、気になり質問をする。

 肝心な剣王が、何処に居るか分かんないと、探すのだけで苦労しそうだし。


「フフフフフ。剣王なんて4人も居るんだから、簡単に見つけれるわよ!」


「嘘だろ!? 剣王、4人も居るのかよ!」


 塩太郎は、結構、衝撃を受ける。


「居るわよ!剣王4人、剣帝3人、剣聖2人、剣神1人ね! そしてブリトニー・ゴトウ・ロマンチックによる名誉称号、剣鬼が、冒険者ギルドが発行してる剣士の称号ね!

 因みに、ハラダ・ハナが持ってる剣姫の称号は、剣の神が与える称号だから、冒険者の称号とは別もんよ!」


「俺は、取り敢えず、その剣王を一人捕まえて、ぶっ殺せばいいんだな?」


「そうよ! 基本、冒険者同士の殺し合いはタブーだけど、冒険者ギルドが発行してる称号の奪い合いの決闘は認められてるわ!

 まあ、現在は、死者を蘇生できる、エリスポーションと姫ポーションがあるから、決闘で殺した相手を、しっかり生き返らせるのが礼儀ね!

 まあ、それを守らないと、冒険者の資格を剥奪されちゃうんだけど」


 シャンティーが、冒険者ギルドルールを端折ってレクチャーする。


「ヨッシャー! 燃えてきたぜ!

 遂に、俺の時代がやってくる!まずは、剣王の称号をゲットしてやるぜ!

 クゥゥゥーー剣王サトウ! 良い響きぜ!」


「アンタ、何、剣王で満足しちゃってるのよ?

 アンタ、ハラダ・ハナを倒して剣神になるって言ってなかったっけ?」


「うっせーやい! お前みたいに、二つ名持ってる奴に、俺の気持ちなんか分かるかよ!

 勿論、剣神にはなるけど、初めての二つ名的称号を得たら、誰だって感動するだろうがよ!」


「というか、アンタ、まだ、剣王の称号もゲットしてないのに、何言ってんの?」


 シャンティーが、こいつアホじゃない?という顔をして呆れている。


「でも、剣王って、ムネオさんと同じぐらいの実力なんだろ?そしたら、余裕だろうがよ?」


 塩太郎は、余裕綽々で言い放つ。


「というか、アンタ、簡単に言うけど、ムネオを倒せるの?

 ちょっと、『犬の肉球』の盾役舐めてない?」


「だって、お前が、ムネオさんが剣王ぐらいの実力があるって言ってたんだぞ?」


「剣の実力は剣王レベルだけど、盾役のレベルは、相当なものよ!

 実際、剣聖でも、ムネオを傷一つ付ける事は、出来ないわね!」


 シャンティーが、とんでもない事をサラッと言う。


「そうなの!?」


「アンタね。名門『犬の肉球』の盾役、舐めてない?

 初代盾役は、現在も最強の一角と言われてるドワーフ王国の王様ドラクエルよ!

 因みに、盾役ランキングが有れば、1位ドラクエル、2位がドラクエルの娘のアン。そして、3位にムネオって所ね!

 まあ、アンとムネオの間には、相当な開きがあるんだけどね」


「エッ!?ムネオさんって、そんなに凄い人だったのか?」


 塩太郎は、初っ端から、ガブリエルとか赤龍アリエッタとかアンとかを見てたから、感覚がバカになっていたようだ。


「アンタ、アホ? ムネオは腐っても勇者の末裔。無駄にポテンシャルだけは高いのよ!

 何においても、標準以上の実力を発揮するの!

 それに、この私が子供の頃から、徹底的に鍛えてるのよ!

 その辺の少し才能があるくらいの奴らに、負ける訳ないでしょ!」


「ムネオさんって、本当は凄かったんですね?」


「カッハッハッハッハッ! 今頃気付いたか!

 まあ、剣の実力は、塩太郎よりだいぶ劣るんじゃがな!」


 気持ち良い男を絵に書いたようなムネオは、塩太郎の失礼な物言いを、豪快に笑い飛ばす。


 そんな、塩太郎とシャンティーとムネオのやり取りを、何が楽しいのか、いつもニコニコしながら見てるのが精霊アイドルの二つ名を持つエリス。


 そして、この少数精鋭4人が、新生『犬の肉球』だ。


「シャンティーちゃん! アリエッタちゃんが見えて来たわよ!」


 ずっとニコニコしてたエリスが、ヤリヤル城塞都市の上空を指差す。


「このまま、歩きで行くんじゃなかったのかよ?」


「バカね。ここから南の大陸まで、どんだけ掛かると思ってんのよ!

 最低でも、歩きで3ヶ月も掛かるのよ!

 私達には、そんな余裕は無いんだから!

 早く、ガブリエルに私達の実力を認めさせて、ベルゼブブ攻略レイドに参加させてもらわないといけなんだから!」


「というか、今から南の大陸に行くのか?」


 塩太郎は、驚き質問する。普通に、剣王が、西の大陸の何処かにいると思っていたのだ。


「アンタ、本当に常識無いわね!

 強い冒険者は、全員、南の大陸を目指すのよ!

 何故なら、南の大陸に高難度のダンジョンがたくさん有るから!

 南の大陸に行けば、お金も、地位も、名誉も手に入る。そして、王様にも、勇者にも、魔王にも、ダンジョンマスターにもなれる。まさに、南の大陸は、冒険者のパラダイス!」


「な……なんか、凄いな……」


 塩太郎は、よく分かんないけど驚愕する。


「アンタも、剣神になるんでしょうが?」


 シャンティーが、何言ってんだ?コイツって顔で、塩太郎を見ている。


「おお! 当たり前だい!」


「だったら、グズグズしてる暇なんかないんだから!

 とっとと、アリエッタの背中に乗る!」


「おおよ!」


 塩太郎は、ドキドキと興奮を抑えながら、これから起こるであろう冒険を思い描き、アリエッタの背中に飛び乗ったのだった。


 ーーー


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