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13. 物分りが悪い男

 

 どうやら塩太郎は、気色悪い色の水。ポーションというモノを掛けられて生き返ったらしい。


 因みに、塩太郎の魔法の鞄の中にも数本有ったが、それは姫ポーションという種類らしく、南の大陸は、『漆黒の森』の女王ガブリエル・ゴトウ・ツゥペシュが製作したものらしい。


 そして、今回、俺を生き返らせたポーションは、通称エリスポーション。


 エリスと光の妖精のシャンティーが、共同で製作してるらしく、人まで生き返らせるポーションは、この世に、姫ポーションとエリスポーションの2種類しか無いらしい。


 因みに、ガブリエルがダークエルフの女王で、エリスは、エルフの姫様。黒と白と覚えとけば良いだろう。


 兎に角、最高級ポーションは、魔力量が多く魔力の質が良い、エルフ種の王族しか作れない貴重なものであるようであった。


「じゃあ、そういう訳で、塩太郎は『犬の肉球』のメンバーに決定という事で、とっととダンジョンから出るわよ!」


 光の妖精シャンティーが仕切りだす。

 どうやら、この軍団のリーダーは、チビッ子い羽が生えた妖精らしい。


「あっ! ミカサ、あんた達は、頑張って、このダンジョンを今日中に攻略しなさいよ!

 そして、後、SSSS未攻略ダンジョンを2つくらい攻略すれば、きっとギルドランキング1位になれるでしょ!」


 シャンティーは、偉そうにS級ギルド『三日月旅団』に命令する。


 話によると、今回、エリスとシャンティーは、ギルドランキング1位を狙う『三日月旅団』の応援で、南の大陸に来てたらしく、いつもは、『犬の肉球』の本拠地、西の大陸はガリム王国の城塞都市ヤリヤルという街に居るらしい。


 まあ、どういう理由か分からないが、エリスは、『漆黒の森』の女王ガブリエルに命を狙われているらしく、滅多な事では、南の大陸には訪れないとの事であった。


「じゃあ、コレ!」


 塩太郎は、シャンティーに銀色のブレスレッドを渡される。


「なんだこれ?」


「それは、S級の冒険者ブレスレット。

 それが無いと、攻略したフロアーボス部屋に入れないからね!」


「くれるのか?」


「誰がやるか! バカチン! それは、ウチの元メンバーの冒険者ブレスレット!

 そのうち、復帰するかもしれないから、私が預かってんのよ!」


 とか、話してると、エリスが自分の鞄の中から何やら絵が描かれた紙を、数枚取り出す。


 そして、それを地面に置いて、


「我が契約に従い、いでよ! 色んな子!」


 と、呪文?を発すると、


 紙に描かれた絵が青白く光り輝き、そして、その描かれた絵の中から、色んな妖怪が出て来たのであった。


「なんじゃ! コイツら!」


 塩太郎は、いきなり紙の中から異形の妖怪共が現れたので、ビックリ仰天する。


「なんじゃ、コイツらって。この子達は、エリスが契約してる神獣や、上級精霊達よ!

 因みに、私も、エリスが契約する妖精の一人よ!」


「精霊って、角が生えてる馬とかが、精霊なのかよ?」


「ユニ子は、ユニコーン。神獣ね!」


「神獣?」


「日本人なら龍とか、九尾の狐とかなら知ってるでしょ? それと一緒ね!」


「それなら知ってるぜ! 伝説上の化物だな!

 ただ、馬に角が生えただけのコイツが、龍とか九尾の狐と同等には、思えねーんだけど?」


「まあ、こっちの世界でも、龍と九尾の狐は、ケルベロスと並び、神獣の中でも格が高くて滅茶苦茶強いけど、このユニ子も相当なものよ!」


「嘘だろ?」


 塩太郎は、ユニ子の頭をペシペシ叩く。


 ヒヒ~ン!


 バキッ!ガン!ドン!


 塩太郎は、ユニ子の後ろ足で腹を蹴られて吹っ飛ばされ、石壁にぶつかり、そして地面に落ちた。


「オゥェェ~」


 塩太郎は、あまりの衝撃にお腹の中の物を全て吐き出す。


「アンタ、やっぱり中々やるわね!

 闘気の基本が出来てるわ!

 普通、ユニ子に蹴られたら、お腹に穴空くものね!」


「それ、褒めらてんのか?」


「褒めてるのよ! その体に張ってる闘気、無意識にやってるのよね!

 蹴られる瞬間、お腹に闘気を集中してるのが分かったわ!」


「もしかして、お前が言ってるの、俺の体に張ってる赤黒い膜の事か?」


「そう! それそれ!普通の人間には、アンタみたいに自由に闘気使いこなせないから!

 しかも、アンタの闘気独学でしょ!

 どう考えても、あんたの職業 剣豪じゃないもんね!

 剣豪特有のオーラみたいのないもの!」


「剣豪じゃないって、お前舐めてんのか?

 俺は、こう見えて、相当強いぜ!」


「分かってるって! 私は職業の事言ってんの!アンタ多分、まだ剣士かなんかでしょ!

 普通、剣士が闘気なんか使えないから、闘気を使える時点で、アンタは相当異常なのよ!」


「何言ってんだ?侍が剣士なのは、当たり前じゃねーか!」


「アンタ、本当に物分りが悪いわね!

 本当に日本人? ゴトウ・サイトなんて、私がよく分かんない事まで、たくさん知ってたのに!」


「だから、ゴトウとか、ハラダとか、知らねーよ!

 俺は、佐藤だっての! 知らん奴の話してされても、分かんねーよ!」


 何度も言うが、塩太郎は知らない。

 変にゲームぽい設定がある異世界の職業や転職ルールなど、平成、令和の日本人じゃあるまいし、幕末出身の塩太郎に分かる筈もなかった。


 ーーー


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