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11. 光ってる人

 

「クッ……ここまでか……」


 塩太郎は、フロアーボスを倒してから、下の階層。紫タコ侍が蔓延る厄介な階層に移動して、約3週間戦い続けている。


 流石に、レベルアップと共に、体力が回復する事には気付いたが、肝心の出口?もう1つ下の階層に行く階段を見つける事が出来ずにいたのだ。


 まあ、また、下の階層に行くと、今以上に大変になるんだけど。


 そして、塩太郎は、3週間も同じ階層に居たので、レベルが頭打ちして、殆ど、レベルアップしなくなっていた。

 そこに来て、紫タコ侍の毒攻撃を受けてしまい、HPがドンドン消耗して行くという負の連鎖。


 そんな時、扉がある部屋を見つけ、思わず飛びこんだのが、所謂、モンスターハウス。


 手負いの塩太郎を、58匹の紫タコ侍が、手ぐすね引いて待ち構えていたのだ。


「こりゃぁ、本気にやべぇな……目まで霞んできやがるし……」


 何度も言うが、塩太郎の魔法の鞄の中には、最高級のポーションが何個か入っている。

 それを使えば、全く問題ないのだが、如何せん。塩太郎は幕末出身。ポーションの事を腐った水だと本気で思ってるのだ。

 そもそも、ポーションなどどいうカタカナ英語、幕末出身の塩太郎は知らないし。


「あぁぁぁ糞ぉぉーー! 折角、生き返ったのに、ここで死んじまうのかよ!

 俺は、早く悪魔を殺して、長州に帰らないと行けないのに!」


 塩太郎は、ヤケッパチで刀を振るう。


 しかしながら、流石は幕末伝説の人斬り、ヤケッパチでも、その一振一振に、濃い密度の闘気が込められており、紫タコ侍も迂闊に塩太郎に近付けない。


「とっとと、襲ってきやがれ! こんだけ倒せば、流石に鈴の音聞こえるだろ!」


 しかしながら、紫タコ侍は襲ってこない。

 塩太郎が、毒のせいで、ドンドンHPが削られている事を知っているのだ。


 ほかっておいても死ぬ相手に、わざわざ向かっていって殺されてしまうほど、紫タコ侍はバカではないのである。


「チキショー!かかって来いよ! 死に際の奴に、ビビってんのか!」


 塩太郎は、必死に刀を振るうが、如何せん、毒の影響もあり、朦朧として足が思うように動かない。


「やべぇ……また、耳の長い悪魔が見えてきやがる……」


 塩太郎の前に、前回、蛤御門の前で死にかけてたとき同様に、耳が尖った女が見えている。


「というか、今回は、血色がいい悪魔だな……」


 約1ヶ月間もダンジョンに居たせいで、思った事を、寂しさを紛らわす為に、一々声に出してしまう癖がついていた塩太郎が、いつもの癖で、思った事を口に出してしまう。


「誰が悪魔じゃー! ボケ! 助けてやろうと思ったけど、誰が助けるか!

 エリス、行くよ!」


 耳が尖ってる悪魔の隣りに居た、フワフワ浮いている、羽が生えた光ってる小さな女が、この世のものとも思えぬ、やけに目鼻が整った金髪碧眼の悪魔に言う。


「えっ? 助けてあげようよ! この人、なんか良い感じがする!」


「良い感じって、こいつが侍の異世界人の末裔だからでしょ!

 エリスは、異世界人に、本当に弱いんだから!

 ハァ~仕方が無いわね……。

 ミカサ! エリスの話聞いてたでしょ!

 タコ野郎共を、とっととタコ焼きにしてやって!」


「「イエッサー!!」」


 光ってる小さな人は、取り巻きのお付の者達に命令すると、お付の者達は、全ての紫タコ侍を、一瞬で皆殺しにしてしまったのだった。


「あの……大丈夫ですか? 今、傷を治してあげますから……」


 全てが終わると、金髪碧眼の耳が長い悪魔が、自分の鞄から、腐った水が入った瓶を取り出す。


 そして、瓶の蓋を開けて、塩太郎に振り掛けようとする。


「えっ!? ちょっと待て! そんなヤバイ色の液体、俺に掛けんじゃねー!!

 傷口が化膿したら、どうしやがるんだ!」


 塩太郎は、慌てて、ヤバい色のポーションを、悪魔の手から払い除ける。


「ちょっと!? あんた、何やってんの! 最高級のエリスポーションを、ヤバイ色の液体って、あんた今迄、どんなヤバイポーション使ってきたのよ!」


 なんか分からないが、光ってる小さな人が怒り出した。


「エリスポーション? そんなの知らねーよ!

 それ、どう見ても、腐った水じゃねーかよ!」


「えっ? あんた、一体、何言ってんの?

 ポーションを腐った水って、あんたハラダ家の侍じゃないの?」


 光ってる小さな人が、怪訝な顔をして聞いて来る。


「ハラダ? 何言ってやがる! 俺の名前は、佐藤だよ!」


「ハラダ サトウ?」


「ちげーよ! 俺の名前は、佐藤 塩太郎だ!」


「えっ?! 砂糖なのに、塩って……プッ!

 何?ギャグ? そんなふざけた名前が、この世に存在するの?」


「うっせー! 人の名前で笑うんじゃねーよ!」


「分かった。分かったわ。プフフフフ……兎に角、あんた、ハラダ家の人間じゃないのね?」


「だから、言ってんだろ! 俺は砂糖 塩太郎だって!」


「分かったわ! 確かに変だものね。ここの階層に来るまで、フロアーボスの部屋に結界が張られてなかったものね……。冒険者ギルドの決まりでは、フロアーボスをやっつけたら、必ず結界を張るのがルールだし、見たところ、あんた、冒険者ブレスレットも付けてないわよね?」


 光ってる人が、訳のわかんない事を言っている。


「冒険者ブレスレット? 何だそれ? 俺は、1ヶ月前に、この場所に飛ばされて来たばかりなんだよ!」


「ちょっと、待って! あんた……もしかして、異世界人の末裔じゃなくて、本物の異世界人?

 しかも、このSSSSダンジョンの下層に、一人で、1ヶ月間も居たですって!」


 光ってる人が、驚愕の表情をして、塩太郎に聞いてきた。


 ーーー


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