表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アグリニオン戦記  作者: 田丸 彬禰
第二十八章 滅びの道を選択する者たち
370/377

消えゆく王都 Ⅳ

 そして……。


「サイレンセストからの脱出希望者収容終了。我が軍の安全地域までの確認し、アリシア様及びホリー・ブリターニャ王女をお連れしました」

「戻りました。ペパス将軍」

「お疲れました。夫人。結局どの程度になりましたか?」

「二千百九十三人です」

「多くはない。だが、少ないとも言えないな」


 別の世界で言う禅問答のような言葉を呟いたペパスは、まずアンガス・コルペリーア、続いてアリシアに目をやる。

 そして、後方に控える伝令を見やる。


「狼煙。赤ひとつ」


 それから三ドゥア。

 砂時計によって間違いなく刻まれたその時間が過ぎたことを確認したところで、もう一度口を開く。


「狼煙。赤三つ」


 赤三つ。


 これは攻撃を開始する合図。


「魔術師長。お願いします」

「ああ」


 ペパスに声を掛けられたアンガス・コルペリーアはいつも通り愛想のない声でそう応じると、ホリーと護衛達に目をやる。


 ホリーは両親や弟のいる王都を正視しているものの、アラン・フィンドレイら護衛達は皆下を向いている。


 視線をサイレンセストに戻したアンガス・コルペリーアは杖を顕現させる。


 そして、ゆっくりと杖を振る。


 イペトスートに続いてブリターニャ王国のサイレンセストも敵国の攻撃を受け、駐屯軍を含めれば百万人とも言われたそこに住む者のほぼすべてが都と運命を共にした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ