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アグリニオン戦記  作者: 田丸 彬禰
第十七章 夜明け前
211/375

そして、誰もいなくなる

 フランベーニュで勃発した盛大な兄弟喧嘩。

 当然ながら、それはすぐに周辺諸国の知るところとなる。

 といっても、すべての情報を自国の情報網が手に入れたというわけでない。


 信じられないが、当事者が知らせたのである。


 フィーネがグワラニーにやったのもその一例ともいえる。

 ただし、その目的はまったく違う。

 フィーネは魔族軍の介入をおこなわせないようにしたのだが、他はあわせて支持と支援を要請したのだ。

 特に王太子側は顕著だった。


 当方の勝利は確実。

 だが、油断は禁物。

 勝利を盤石なものとしたい。

 そのために貴国の支持と支援をいただきたい。

 もし、公に支持の表明と軍資金の援助をおこなってくれれば、今後便宜を図ることを約束する。


 その言葉をアリターナの国王とアグリニオンの評議員に伝えたのである。


 もちろん送った方はすぐにでも望んだものが手に入ると思っていた。

 とくに後者については元々水面下で深く繋がっていたのだから当然といえば当然であろう。

 だが、すぐにやってくるはずの連絡はいつまで待ってもやってこない。

 痺れを切らし、再度の送った使者に対して返ってきたものは意外なものだった。


「これはあくまで国内の問題。他国が干渉すべきものではないと考える」


 つまり、中立宣言。


「くそっ。ダニエルが父上の名を語って手を回したに違いない」


 王太子アーネスト・フランベーニュは返書を破り捨てながら怒鳴り散らす。


「特に守銭奴ども。私が王になったときには貴様たちの特権をすべて剥奪してやるから覚悟していろ」

「同じく」


 兄の言葉に同意しながらもうひとりの王子は心の中呟く。


 もっとも王になるのは私だ。

 私兵の数は劣るが、その差はすでに傭兵で埋めている。

 そして、陸軍の支援も私の方が多い。

 つまり、今戦っても勝てる。

 あとはダニエルとの戦いで消耗を避けるようにすればよい。

 功を譲るとでも言えば、兄の子分どもは喜んで出かけるだろう。

 せいぜい派手に戦い傷つけあってもらいたいものだ。


「とにかく、あてにしていた軍資金が手に入らないのであれば、これだけの数をいつまでも遊ばせておく余裕はないでしょう。ダニエルを王宮から引きずり出す策を考えねばなりません」

「そうだな」


 自分の胸算用を完全に隠した弟の言葉に兄は大きく頷いた。


 一応、ダニエル・フランベーニュの名誉のために言っておけば、この件に関して彼は関わっていない。

 もちろんダニエルが何もしていなかったというわけではない。

 つまり、彼も兄たちと同じように王宮から支持と支援を要請していた。


 では、それが王太子たちの支持と支援が断られた理由なのか?

 答えはノー。


 アリターナはともかくアグリニオン国は別名守銭奴国家と言われるくらいに利に聡い。

 このような場合には必ず勝ち馬に乗る。

 そして、将来の大きな利益のために幾ばくかの投資をおこなう。


 その彼らがその程度の理由で中立を守るなどありえないことである。


 では、どういうことか?


 そう。

 その言葉とは裏腹に彼らはもう一方が今回の勝ち馬であるとしたのである。


 だが、これは少々無理がある。

 なぜなら、王宮を抑えたと言ってもダニエルが集めた兵は王太子側の十分の一どころか百分の一である情報は評議会の幹部にも届いている。


 この状況で勝つと予想できるはずがない。

 さらにいえば、彼らは苦い経験がある。


 博打的投資はろくな結果にならないということは身に染みてわかっている。

 だが……。


「カラブリタ。あなたは前回の失敗を忘れているわけではあるまい」

「もちろん。と言っても、失敗したのは天国に旅立った方々であって、私ではありませんが」

「そうであればなおさらこの提案がいかにも冒険的かわかるでしょう」

「そもそもこの数字のどこからダニエル王子を支持するという言葉が出てくるのか?その理由を聞かせてもらいたい」

「勘です」


 アグリニオン国、評議会。

 年長者たちが頭から湯気を出しながら食ってかかるのを面倒臭そうに払いのけていたアドニア・カラブリタはその言葉に続いてこう言い放った。


「この件に関して私の想像通りにならず、この国に不利益が生じることになった場合は、すべてを私の責任として構いません。抵抗はしませんので私の首を落とし、フランベーニュ王宮へ届けてください」


「ただし、私の言葉どおり、次期王位はダニエル王子のもとに転がり込んだ場合、フランベーニュに関わる商取引の八割はアドニア商会が承るということに同意していただきましょう」


 自らの命を張っているのだから、これくらいの利益を要求するのは当然ではあるが、現状ではどう見ても勝ちの目は薄いものにどうしてここまで賭けられるのか?


 当然ながら、そこでは披露しなかったものの、彼女がそこまで言い切った根拠がある。


 お忍びがやってきたある人物からの言葉。


 そして、やってきたその人物とは……。

 

 ブリターニャ王国第一王子。

 つまり、アリスト・ブリターニャだった。


 ほんの少し前のアグリニオン国の中枢アグリニオン国評議会の建物ウーノラス。

 その一室。


「まさか、こんなに早く再会できるとは思いませんでした。アリスト王子」


 苦笑いしながらそう挨拶したアドニアの前に座るアリストの背後には三人の護衛が立つ。

 四人ではなく、三人。

 そう。

 ひとり欠けていた。


「フローラさんがいないようですが……」


 軽い言葉に思えるが、そうではない。

 公にはアリストは魔法を使えない。

 それを補うのがフローラ・フローレと名乗るフィーネだったのだ。

 そのフィーネがいないにもかかわらず国外に出たはずのあなたがどうやってきたのか?

 アドニアの言葉にはそこまでの意味が含まれている。

 もちろんアリストはすぐに察する。

 そして、いつものように素晴らしい返しを披露する。


「彼女は所用があり、我々を送り届けた後に出かけました。もちろん帰りは迎えに来るでしょう」


 護衛のひとりを欠いたまま行動するなど怪しすぎる。


 アドニアの警戒装置が作動する。

 だが、相手は身元確かな者。

 特別それが害になるということはない。


 それよりも……。


 彼女にとって、そうまでしてやってきたアリストの目的の方がより興味深い。

 すぐにその疑いを脇に追いやる。

 そして、笑顔をつくり直すと口を開く。


「それで、アリスト王子はどのような要件でこの港町に来られたのですか?」


 そうは言うものの、このタイミングでブリターニャの王太子が突然やって来る理由など想像はつく。


 ブリターニャの非公式な使者として我が国の意向を確かめに来た。

 もしかしたら、もう一歩踏み込んでどちらかの支援を要請するということもありえる。


 もちろんこの時点で彼女の耳にはフランベーニュの王子たちのいざこざの情報は誰よりも多く入っている。


 ついでに言っておけば、実はこの時点ではアドニアも勝つのは間違いなく王太子側だ予想していた。

 ただし、支持や支援の対価はすべて空手形。

 それが実現されることはない。

 それは王太子のこれまでの言動からあきらか。

 余計な金は使う必要はない。

 形だけでも王太子のもとに軍資金を届けてお茶を濁す。


 それが彼女の方針。


 つまり、やや王太子よりの中立というのが彼女率いるアグリニオンの姿勢。


 その彼女の考えを百八十度変換させたのはアリストの言葉だった。


「当然ながらフランベーニュでの出来事はご存じですね」


 自らの言葉にアドニアが頷くのを確認すると、アリストは言葉を続ける。


「アグリニオンは今回の戦いの結果をどうなると予想しているのですか?」


 推測通りの言葉だった。


「今回の戦いは、始まってしまえば王太子側の勝利で終わると読みます。ダニエル王子が最悪の事態を避けるためには自らが抱える切り札を使い休戦に持ち込むしかないでしょうが、そうであっても、それで得られるのは自身の命だけ。手に入れていた権力はすべて失うことでしょう」

「すばらしい見識です」


 弟子の試験を採点するかのようにアリストはそう言い、続けて、問いの言葉を口にする。


「それで、アグリニオンの方針はどうなりますか?」


 アドニアは苦笑いする。


「以前他人の財布に手を入れてひどい目に遭いましたので、今回は様子見。これが私の意見。他の評議会の者もおそらく同じ意見でしょうからそう決まります」


「まあ、何をしないというわけにはいきませんから、多少の軍費は負担することになるでしょうが」

「ちなみに、要請は一方からだけですか?」

「いいえ。ダニエル王子からもありましたが、さすがにそちらに金を送ってもなんの利にもなりません。我が国は利を生まぬものに金を出す習慣はありませんので何も……」


「せっかくですから、ブリターニャの方針も聞いておきましょうか?」


 こちらの手の内をあきらかにしたのだ。

 そちらのカードも示すのがマナーでしょう。


 アドニアの間接的な要求にアリストが頷く。

 だが……。


「残念ながらブリターニャ王の意向は知りません」


 アリストは、あっさりと、だが、きっぱりと拒絶した。

 ただし、これには続きがある。


「ただし、私自身の意見は述べることはできます。それでよろしければお聞かせしますがいかがでしょう」


 ……面倒な。

 

 自身の意見として自国の立場を主張する。

 これはこの世界の外交交渉の際に使われる常套手段。


 アドニアは心の中で盛大に舌打ちした。


「では、聞かせてもらいましょうか。アリスト王子の個人的な意見を」


 相手は一国の王子。

 礼は尽くさねばならない。

 アドニアは感情を抑えてそう言うと、アリストは笑い、それから再び口を開く。


「まず、最初に言っておきましょう」


「勝つのはダニエル王子です」

「……なんと」


 アリストの言葉を聞き終えたアドニアはうめき声に似た言葉を口にする。


 双方が集めた兵は五万対千。

 しかも、ダニエル側の千人というのは最大に見積もってもという限定の言葉付き。

 実際にはその半数もいないと思われる。

 これは複数の情報を精査したもの。

 間違いない。


 心の中で算段し始めたところで行き当たったこと。

 それは……。


「もしかして、ブリターニャがダニエル王子につくのですか?」


 突拍子もないことではあるが、その兵力差をひっくり返し勝ちを言い切れるだけの軍などそれしか思い浮かばない。


「ブリターニャがダニエル王子に……」


 アリストは復唱するように呟き、笑みを浮かべる。


「さすがにそこまでは思いつきませんでした」


「違うというわけですか。では、ダニエル王子が勝利するという根拠は?」

「長年いがみあっているブリターニャに頭を下げなくてもフランベーニュ国内にはそれに見合う集団があります。ふたつばかり」

「……貴族と海軍ですね。ですが、両者がダニエル王子につくとは聞いていません」

「まあ、そうでしょうね。まだ、情報を流していませんから」


「ですが、あと十日もすればその全貌はあきらかになります」


「もし、まだ賭けが終わっていないのであれば、ダニエル王子に賭けるべきです。それも最大限に。大勝は間違いありませんから」


「ちなみに、私たちは臨時にフランベーニュの大貴族フィラリオ家に雇われています」


「そう。フィラリオ家はダニエル王子側で参戦します。ご存じだとは思いますが、彼の一族は現在フランベーニュの最大勢力。フィラリオ家が動いた瞬間、流れは一気に変わることでしょう」

「なるほど」


「ですが……」


「なぜそれを知らせに来てくださったのですか?」

「親愛の証というところです。ついでに言っておけば、私はあなたに勝ってもらいたいのであってアグリニオンに勝ってもらいたいと思っているわけではありません」

「つまり、ひとりだけ逆張りしろと……」

「そういうことです。ひとり勝ちを期待していますよ。アドニア・カラブリタ……」


 他の評議会員が全員退室した部屋で前日の密談の様子を思い返しながらアドニアは呟く。


「……時間がなかったために裏が取れぬまま賭けを始めてしまいました。アリスト王子が私を騙す理由がないというあやふやな理由だけで」


「これがもしガセだったらあの世でアリスト王子をもう一度殺すしかないです」


「まあ、彼は情報を与えただけで賭けを強制したわけでない。乗った私が悪いのですが」


 半ば強引に自らの意見を評議会の意見としたが、おそらく不満を持った者が王太子にこの情報を売りにいくことだろう。


「……まあ、私が彼らの立場なら同じことをしただろうし、あの情報がなければ負けはダニエル王子。沈む船から逃げ出す算段をしておくのは仕方がないことです。ん?」


「……当然アリスト王子もこのことは予想していたはず。それを避けるには全員に情報を開示するように念を押すはず。ですが、アリスト王子が言ったのはそれとは逆」


 そこまで思考を進めたところでアドニアは目を閉じる。


「……そうだ。アリスト王子はアリターナのチェルトーザ氏にも同じ話をしたと言っていました。彼ならこの難問を解けるかもしれません。相談してみましょうか」


「出かけます」


 アリターナ王国の都パラティーノ。

 アドニアがそう呟いていたちょうど同じ頃、彼女が頼ろうとしていた男もその情報をどう扱うべきか真剣に悩んでいた。

 アントニオ・チェルトーザ。

 有名な交渉人集団「赤い悪魔」の長とは思えぬ顔で。


「随分とお悩みのようですね」


 それはもう、執事であるファウスティーノ・オルバサーノが皮肉交じりに声をかけるくらいに。


 執事の男からやってきた言葉に苦笑いで応じたチェルトーザは大きく息を吐きだし、声を漏らす。


「……我々が手に入れた情報はすべてアーネスト王太子とカミール王子の連合軍が圧勝することを示している。ダニエル王子が唯一勝てるとすればまだ旗色のあきらかにしていない貴族と海軍がすべで味方になるときだ。だが、その動きはまったくないというのが我々の情報分析の結果だ」

「……そこにやってきたアリスト王子は、貴族の大部分と海軍はダニエル王子につく算段になっている。つまり、勝つのはダニエル王子。諸事情によりフィラリオ家の手伝いをすることになって重要な裏情報を手に入れたのでアリターナが道を踏み外さぬようその情報を世話になった礼を兼ねてチェルトーザ様にこっそりと教えに来た。アリスト王子はそう言ったのですね」

「そうだ」


「だが、この話は穴だらけで信用できない」


「問題はアリスト王子がなぜこの話を持ってきた?この時期に」

「ブリターニャの利が働いていると?」

「それしか考えられないのだが、サイレンセストに送り込んでいる者たちによれば、ブリターニャは放置で方針が確定している。軍も動く様子もないという」

「ということは、アリスト王子が単独で動いているということですか?」

「そうなるな」


「諸事情と言ったが、フランベーニュの大貴族とブリターニャの第一王子がどうやったら結びつくのだ?」

「調べさせますか?」

「そうだな」


「だが、それよりも重要なのは……」


「フランベーニュに対する方針を決めることだ。陛下よりアリターナはどう対処すべきか諮問されている」


「もう少し情報を手に入れるまで動かず中立を保つべきと言ってあるが、確実に勝てる王太子側に肩入れして恩を売るべきと主張している重臣たちも多いという。このまま黙っていれば陛下もその意見を受け入れる。だが、本当にダニエル王子が勝った場合は、アリターナは反乱軍に肩入れしたことになる。それがどういう意味か子供でもわかる」


「そうかと言って何も根拠がない今この時点でダニエル王子につくのはあまりにも冒険が過ぎる気もする」


「さて、どうしたらよいか」


「やはり、アリスト王子が伝えに来た理由を考えるべきか」


 様々な可能性を提示し動かしていたチェルトーザの思考が当然止まる。


「もしかして……」


「い、いかん。今すぐ王宮へ行く。誤った方針が決定される前に」


 アリストの言動を思い返しているうちにあることに行きついたチェルトーザは、即座に動き、公爵家のコネと「赤い悪魔」の看板を最大限に利用して、王への謁見を認めさせると、王と重臣たちの前で演説を始める。


 もちろん、それはアリストの謀略の概要とその対処法。

 すぐに信じることができずざわつく重臣たちを制したのは王のひとことだった。


「……予定していた王太子への支持と支援は取りやめとする。まずは中立を保ち、チェルトーザ家の次期当主が申したことが起こったらすぐにダニエル王子の支持を示せ」


 続いて王は不満顔が並ぶ重臣たちの席を見やる。


「王太子側が圧倒的有利な状況でダニエル王子支持を明確にせよというアントニオ・チェルトーザの主張はこの国を危険に晒すというおまえたちの言葉は理解できる。だが、王太子側が有利なのはチェルトーザだって知っている。それにもかかわらずダニエル王子を支持せよと言っているのだ。ここはこの者の言葉を信じるべきだろう」


「何と言っても、これまで何度も正しき道を示した『赤い悪魔』の長の言葉なのだから」


「恐れながら……」


 王の言葉が終わった直後、声を上げたのは侯爵で宰相でもあるアナクレート・バルドネッキアだった。


「フランベーニュ貴族の最大貴族であるフィラリオ公爵の一族がダニエル王子を支持してもほぼ互角。しかも、その大部分が私兵。陸軍が王太子を支持している以上やはり勝ち目はないと思われます。支持を示すのであれば、せめて海軍がダニエル王子に加わることを確認してからにすべきではないかと……」

「それでは遅いのです。宰相閣下」


 バルドネッキアの言葉を強引に遮ったチェルトーザはやや語気を強めて言葉を続ける。


「私個人としては今すぐにダニエル王子支持を表明したいくらいのところを最大限に遅らせた時期を示したのですからそれ以上の遅延はありえません」


「なぜなら、ダニエル王子の傍らにいて今回の件を描いたと思われる男は、王太子たちとの戦いの次を見ている。我々の力量を見たうえ、難癖をつけ相応のものを奪うつもり。そうならないためにも我々は素早く動かなければならないのです……」


「躊躇い、悠長に状況を待つなどと言っていたら、取り返しがつかないことになります。そうなった際は一族全員を殺したうえで自刎し、陛下に首を献上する。そう約束したうえで主張を続けてもらいましょうか」

「そこまで言うのなら、ダニエル王子が勝つことがならなかった場合はおまえが自刎するのだろうな」

「もちろんそのつもりです」


 とんでもなく難解な謎解きをおこない、王宮で頭の固い重臣たち相手に弁舌を振るい、半ば強引に王の決定を引き出したチェルトーザが自邸に戻ったのは昼食の時間がだいぶ過ぎてからだった。


「……この前会ったときに思っていたが、今回の件であらため実感した」


「アリスト王子はグワラニーとは別の意味で化け物。いや。同類と言ってもいいかもしれない。とにかくあの男の戦って勝てるにはグワラニーぐらい。少なくても我が国は無理だな」

「凡庸な私にはチェルトーザ様のおっしゃることが理解できかねます。出来れば私がわかるように説明をしていただきたいものです。チェルトーザ様」


 遅い昼食をとりながら独り言とも誰かに聞かせるものとも取れるその呟くに反応したファウスティーノ・オルバサーノに目をやり、それからチェルトーザは大きく息を吐く。

 もちろんこれは本人のいう凡庸さに呆れたのではなく、この策の深さに対するものだ。


「……その経緯というものはわからない。だが、ダニエル王子に肩入れすることになったアリスト王子は、フランベーニュの安定のために敵対するふたりの王子を完全に排除することを決めた」


「これまた何を根拠にしているかはわからないのだが……」


「確実に勝てる算段が出来たところでアリスト王子が我々のもとにやってきた理由はふたつ。早期にダニエル王子支持を表明させ国外から支持の流れをつくろうとした。だが、本当の理由はもうひとつのほうだ」


「戦いで破れ逃げ出したふたりの王子を我が国が受け入れないことを表明させる。逃げ場を奪うために」


「そして、それをおこなううえにアリスト王子はやったことは実に辛辣。まちがいなくこれはエフミだ」

「エフミ?」


 思わず思っていたことを口にしてしまったチェルトーザは相手がその言葉を理解できないことでようやくそれに気づく。

 だが、そこはこの世界最高の交渉官の称号を持つ男。

 何ごともないように見事なでっち上げをおこなう。


「かのアルフレッド・ブリタ―ニャが宗教弾圧をおこなったときに信者探しに使った手だと聞いた。聖者の絵や聖遺物を踏ませるという方法で」


 むろんアルフレッド・ブリターニャはそのようなことはやっておらず、それをやっていたのはアルフレッドやチェルトーザがこちらの世界に来る前に住んでいた国である。

 だが、アルフレッド・ブリターニャの悪名はこういうときに役に立つ。

 身分の上下を問わず等しく国民に苦痛を与えたというその男ならいかにもやりそうなその行為にオルバサーノは大きく頷く。


「つまり、ブリターニャの王族、その伝統の技というわけですか」

「……そうなるな。そして……」


「わざわざ警告したにもかかわらず王子が国に入れた場合、それを口実にフランベーニュはアリターナに攻め入る。実際には攻め入ると脅し、我が国に王子を始末させ、さらに内政干渉の対価などと言って大金を奪うということなのだろう。そうなった場合ダニエル王子が使った軍費をすべて我が国が負担させられることだってありえる」


「そうならないためにいち早くダニエル王子を支持し、国境を閉鎖したうえ、国内に入ってきた場合は罪人として処罰すると宣言しなければならないのだ……」


「まあ、とりあえずこれで最悪の事態は免れた……」


 実を言えば、今日はこれで店じまいとチェルトーザは思っていた。

 実際にそれだけの仕事はしたし、それにふさわしい疲労感もあった。


 だが、人使いの荒いらしい労働の神はそれを許さなかった。


 昼食後の休息はベッドでと考えていたチェルトーザにオルバサーノが来客を告げたのだ。


「……今は忙しいので出直せと……いや。来たのは誰だ?」


 面倒くさそうに追い返しを指示しようとしたチェルトーザは気づく。

 自分が疲れていることはオルバサーノも承知している。

 どうでもいい客であれば、指示しなくてもそうやっている。

 それをやらずにわざわざ部屋にやってきたということはそれなりの者が来たということを意味するということを。


「アグリニオンの姫です。至急話があるとのことですが……」


 アグリニオンの姫。

 つまり、アドニアである。

 もちろんチェルトーザはすぐに察する。

 彼女が来訪した理由を。


「すぐに行く。客間に通しておいてくれ」


 アグリニオンの姫。

 もちろんアグリニオン国の評議委員会議長アドニア・カラブリタのことである。


「要件は?」

「会ってから話すとのことです」


 そして……。


 ふたりが顔を合わせた瞬間、挨拶を省きすぐに話し始めたのはもちろんアドニア。

 彼女はすぐにも戻らなければいけない事情があった。


 あれだけの大口を叩いたのだ。

 逃亡は許さない。


 そのような周囲の目だ。

 もちろんアドニアはその部分を含めて話す。

 そして、その話を聞きながら、チェルトーザは確信した。


 ……確定だ。


 心の中でそう呟くと、チェルトーザはアドニアの話に割り込み、自分が午前中に王たちに語った話を聞かせる。

 当然アリターナの重臣たちの百倍ほど頭が回るアドニアはすぐさまそれを理解した。


「こうなってくると、この前アリスト王子がアリターナとアグリニオンを訪れたのが偶然なのかと疑いたくなります」

「本当ですね。あの時点ですでに計画があり、あれは再度の訪問の口実をつくるためのものだったと思えてきます。そして、ここまで念入りに策がつくられているということはダニエル王子の勝利は確定ということのようですね」

「まだ始まっていないうちから負けが確定している王太子たちは申しわけないのですが、そのようです」


「さて、他人のことはさておき、問題は内密に情報を渡された私たちがこれからどう動くかということですが……」


「チェルトーザ様の言葉で私の判断が正しかったということになったのですから、やはり早く動くべきでしょう。できれば、最初に名乗りを上げる功は私たちアグリニオンに譲ってもらいたいのですが、いかがでしょう」

「もちろん。そうしてくだされば、我が国の頭の固い老人たちも納得するでしょう。あのアグリニオンが動くということは間違いないのだと」

「あの利にあざとい守銭奴たちが動くのだ。ということですか」


 そう自虐的ジョークを口に笑いを誘ったアドニアだったが、直後表情を変える。


「では、そういうことで……」


「すべてが終わった後に、勝利者としてもう一度話がしたいですね」


 そういうと立ち上がり、一礼後、退室する。

 もちろん屋敷の外には護衛と転移するための魔術師を待たせている。


 そして、実は古くからの友人で同じときに同じ場所から異世界に飛ばされたふたりが密談をした翌日、突如、そして当初の予定より大幅に繰り上がってそれは発表される。


 商人国家、または守銭奴国家とも呼ばれるアグリニオン国の中心地セリフォスカストリツァ。

 その国のほぼすべてともいえる貿易港を見渡せる丘に建つこの国の意志決定機関評議会の建物、通称ウーノラス。

 そこで先日決定された事柄が公表され、全国民に知らされる。

 これがこの公示文となる。


「現在フランベーニュ王国で勃発している内紛については、我が国は常に王とともにあるダニエル・フランベーニュ第三王子殿下を支持する。そして、魔族との戦いの最中にもかかわらずフランベーニュ国王から権力を奪い、国を私物化しようと兵を集めた反乱の首謀者王太子アーネスト・フランベーニュと第二王子カミール・フランベーニュをフランベーニュ王国だけではなく全人類の敵を認定する。そして、ここに宣言する。ふたりの王子及びこれに与する者は我が国に立ち入ることを禁じる。万が一にも立ち入った場合、最高級の犯罪人として捕らえ次第斬首とする」


 もちろんこの宣言は多くの者にとって驚きを持って受け取られる。

 当然フランベーニュの間者や商人たちもそれを聞き、すぐさま本国へ伝える。


 だが、彼らの驚きはそこで終わりではなかった。

 アグリニオンでその発表がされてから二セパの時間が過ぎた頃、アリターナ王国の都パラティーノで国王からダニエル・フランベーニュ支持と支援が発表される。

 そして、最後にこの言葉がつけ加えられた。


「ふたりの王子及びこれに与する者は我が国に立ち入ることを禁じる。それにあたり、当面の間、フランベーニュとの国境をする封鎖する。それを破った者はどのような身分であってもすべてその場で処断するものとする」


 当然ながら、アグリニオンとアリターナがダニエルを支持するという情報はアーネストとカミール大いに激怒させた。


「なにが反乱の首謀者だ。アリターナのボンクラ国王が。それに守銭奴どももふざけたことを言いやがって」


「散々内輪もめに関わらないなどと言っておきながら、寝ぼけたことを」

「まったくです。馬鹿どもの無礼と不見識は必ず後悔させねばなりません。ダニエルを討ち果たした後はすぐさまアリターナに攻め込んで王族全員の首を斬り落とし、そのまま守銭奴国家に乗り込んでセリフォスカストリツァを火の海にしてやりましょう。兄上」

「おう」


 不仲という噂が嘘のようにふたり揃って気勢を上げる。

 だが、ふたりの心のうちはそれとは正反対の気持ちが支配していた。


 これだけ兵力差があるなかでダニエルの支持を表明するとはどういうことだ?

 特に損得勘定だけで動くアグリニオンが何も始まらないうちにこれだけハッキリとわずかな兵しか持たないダニエル支持を打ち出すのはどうもおかしい。


 もちろん両国がダニエルを焚きつけたのなら話はわかる。

 簒奪成功の暁には裏からフランベーニュを支配するという算段が成り立つのだから。

 だが、実際はそうではない。

 では、海軍や貴族どもの支持をダニエルが手に入れた情報を掴んだのかといえば、奴らがダニエル支持を決めた様子はない。

 それは鍵を握るフィラリオには陣営に加わるように要請して断られているのは確認しているのだから間違いない。


 とにかく、軍資金の調達が厳しくなったからには多数の兵を抱えたまま陣を敷いたままではいられない。


 なるべく早くダニエルを蹴散らし、王宮に入らねばならない。


 そう。

 ふたりにとって大軍は武器であるとともに、足枷にもなる。


 そして、ダニエルが王宮から出てこないこの状況は後者の割合が徐々に高まっていく。

 当然焦りも出てくる。


「このまま兵が飢えるまでここに留まるわけにはいきません。もしかして、ダニエルの策とはそれなのでは?」

「あり得るな。そういうことならやることはひとつ。奴が出てくる気がないのならこちらから出向くしかだけだ。ただちに軍を……」

「お待ちください」


 ふたりの王子が王都へ進軍し、王宮を囲む算段をし始めたところで声を上げたのは陸軍の幹部たちであった。


「軍を王都へ入れてはならぬという陛下より命があります」

「それにここで軍を王都に入れては本当にこちらが賊軍になってダニエル王子に正統性を与えていますことになります」


「では、どうすればいいのだ。兵を集めたのは戦うためであってタダメシを食わせるためではないのだぞ。バレードン将軍。モルレ将軍」

「そのとおり。そこまで言うのならこの状況を打開する策を示してもらいたい」


 もちろん、すぐさまやってきた王子たちの反論に対する将軍たちの答えはない。

 当然である。

 バレードンたち陸軍幹部も現状に問題があるのは承知している。

 それがあるのなら、とっくに実行しているのだから。

 だが、このままでは王子たちが激発するのは避けられない。


「打開策は至急考案しますので、王都侵攻だけはお待ちを」


 ブリス・バレードンのこの言葉によってとりあえずこの日は状況確を確認するということで王子たちが折れ、それぞれの陣へと引き上げた。


 そして、翌朝。

 当番の少年兵の声で起きたアーネストはその光景を目にし驚愕する。

 そして、王太子アーネストの目の前に広がった光景。


 それは……。


 ハッキリとわかるくらいに減った自軍だった。


「あの情報だけでこれだけ減るのか……」


「だが、それでも減り過ぎだろう」


 同じ頃、もう一方の王子もその様子を見て呻いていた。


「……勝ち馬に乗り褒美をもらうつもりでやってきた傭兵どもが逃げ出すのは理解できる。だが、この数はそれだけでは済むまい」


 そして、状況を確認したカミールはもう一度呻く。

 呻かざるを得ない。


「私の私兵まで逃げ出したのか……」


 そう。

 一晩で多数の兵が陣から消え、逃亡したのである。

 その数一万五千。

 約三分の一が消えたことになる。

 しかも、確実に入る褒美目当てだけで参加した傭兵や冒険者、王子たちの腰巾着をしていた貴族だけではなく、王子たちの私兵からも多数の脱落者が出ていた。


 つまり、昨日の二か国の声明はそれだけ影響力が大きかったのである。

 特にアグリニオン国のものは。


「あの守銭奴たちは絶対に負ける側に賭けることはない」

「そのとおり。それにもかかわらずあのようにハッキリとダニエル王子を支持しているということは……」

「勝つのはダニエル王子」

「それだけでない。ダニエル王子が勝てば敵側に加わっていた者はすべて賊。全員首を刎ねられる」

「冗談ではない」

「負けることが決まった王子に付き合って罪人になどなるほど給金は貰っていない」


 その前日まで威勢の良い言葉を吐いていた同じ口からそのような言い訳がましい泣き言が漏れ出し、誰からともなく闇に紛れて消えていった。

 それが昨晩の出来事となる。


 もちろん規律の引き締めはおこなわれる。

 だが、始まった逃亡は止まらない。

 次の番にはさらに五千人が消える。


 そして、ここでさらなる問題が発生する。


 このままではダニエル王子対陸軍という構図になりかねない。


 王太子軍に参加していた陸軍幹部がその最悪の事態を危惧し始めたのだ。


「申し上げにくいことではありますが、これ以上逃亡兵が出るようであれば、協力は難しくなります。そならぬよう自身の私兵については引き留めをお願いします」


 その夜、バレードンは、アラン・モルレともうひとりの将軍アディル・ポンティビーを伴ってふたりの王子を訪ねるとそう要請した。


 ただし、最悪の事態になっているのかといえば、そうでもなかった。

 実を言えば、この時点においても、フランベーニュ国内でダニエルに味方すると表明した者はいなかったのだ。

 そう。

 王太子側は大きく数を減らしていたものの、以前としてその優位を保っていたのである。


 もちろんアグリニオンとアリターナの宣言は知っている。

 だが、実際に戦うのは彼らではない。

 おかしな煽りに乗せられダニエル王子に味方し負け戦に巻き込まれるのは御免だという空気が流れていたのだ。

 それどころか、貴族の中にはあれはダニエル王子派の貴族たちをあぶり出すための王太子側の罠で、異国からの甘い言葉も実は王太子側からの要請だと考えていたという意見は意外に多くの支持を集めていた。

 たしかに何の根拠もないまま唐突に出されたあの宣言はそう考えると辻褄が合う。

 疑心暗鬼の塊である当事者たちがそう思うのも納得はできる。


 これは自身の命や財産を賭けたもの。

 絶対に勝ち馬に乗らなければならない。

 正義や勢いだけで旗色をあきらかにするわけにはいかないのだ。


 内心は敵だけではなく味方であるはずの陸軍に対しても怒り狂っていたものの、表面上は何事もなさそうに構えていた王太子アーネスト・フランベーニュと彼の弟の唯一の救いもこちらから逃げた兵がダニエル側に流れているわけではないという点だった。


 五万が三万に減ったものの、相手はどう見ても千人人未満。

 これでも十分に勝てる数字なのだ。


「たしかに数は減ったが、腰抜けどもが消えたおかげで食い扶持が減ったから逆に助かった」


 一時はうろたえたものの、側近たちに告げられたその数字で精神は持ち直しそう大見えを切っていた。

 だが、王太子たちも強がりもここまでだった。


 例の宣言が出された三日後。

 ついに事態が動き出す。


 それは王宮から出された一通の命令書から始まる。


「フランベーニュ王国国王アルフォンス・フランベーニュが海軍司令官アデマール・ファールマイに命じる。アーネスト・ロシュフォール提督を指揮官にした一万の兵で王宮を警備せよ」


 フランベーニュ国王の名で出されたこの短い命令には多く意味が含まれている。

 まずこれが国王から海軍司令官への命令であること。

 王の署名入りの命令書を示されれば、海軍司令官として従うしかないのだが、これはあきらかにダニエル・フランベーニュにとって利のあるものであり、当然ダニエル・フランベーニュの意向によるものである。

 つまり、王は兄弟喧嘩の一方についたということになる。

 もっとも、この知らせを聞いた兄たちが口にしたとおり、ダニエルが王を幽閉し強制的に署名させたという可能性は捨てきれない。

 だが、それが確実ではないこの状況でそれを口にはできない。

 まして、実行しないとなれば、王命に従わない者として断罪されかねない。

 疑いつつも命令は実行される。

 そして、当事者たちの、渋々動いたという心情など誰にも理解されず、海軍の動きはこのように受け止められる。

 

 海軍はダニエル王子についた。


 それが固唾を呑んで見守る者たちの意見であり、対立している者たちの意見でもある。


 一応王都は中立地帯であるため、王太子側、ダニエル側双方の関係者の邸宅が多数存在しており、お互いにそこを拠点に諜報活動をしている。

 そこから、ダニエル側の動きが王太子たちに逐一伝わるわけなのだが、この情報は最重要事項としてすぐさま伝えられる。

 あの命令は王を拘禁したダニエルが書かせたものであると言ったものの、これを聞いた王太子側の者たちの神経穏やかというわけにはいかなかった。

 そのタイミングはアグリニオンとアリターナの宣言直後。

 様子を伺っていた海軍がそれによって大きく舵を切ったと感じたのはやむをえないことであろう。


 さらに王宮の警備は本来陸軍の管轄。

 実際に現在も陸軍が王宮の警備をしている。

 それにもかかわらず海軍に王宮に来るように命じる。

 これはこのあとにどのような命令が王宮に駐屯している陸軍兵に出るのかは火を見るよりあきらか。


 当然それは実行され、陸軍は王宮から排除される。


「もし、これがダニエル王子の意志ではなく陛下の意志であった場合、陛下は陸軍を自身の敵とみなしたということになるのではないか」


 バレードンの心に不安が過る。


「そして、海軍がダニエル王子側に加わったことで兵力差は一気に縮まった。しかも、王宮にやってくるロシュフォール提督の兵とはミュランジ城で魔族どもを叩きのめした者たち。その力は本物」


「それを見た貴族たちがこぞってダニエル王子側に付けば兵力差は逆転する。つまり、我々は正当性、数、質。そのすべてでダニエル王子に後れを取ることになる」


「……本当にこの状態で戦って勝てるのか?いや。それ以前に戦っていいのか?」


「だが、このまま何もしなければじり貧になるだけだ。何か手はないものか」


 実をいえば、この時点で彼の中にはある有効な手段が思い浮かんでいた。

 だが、それは軍人にとっての禁じ手。

 バレードンはそれをすぐに封印した。

 だが、そう時間を置くことなく、彼はその封印を解くことになる。

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