第4話
さらに二年後。
そして今日!生まれてから5年が経ち、俺は5歳に!!
ついに!ついに!ステータスを教会で見れるらしい!まー、俺はすでにいつも見れるけどね。ということで近くの教会に両親と共に来ている。
父さんと母さんが話しかけてきた。
「れお、レノード!今日はおまえのステータスが見れるんだ!楽しみだな!俺は昨日から楽しみで夜しか眠れなかったわ!」
「れな、レノード。私も楽しみなのよ。特に固有スキルがあれば貴族でも有利に立てることもあるしね~。ま、無くても構わないわ。大事な息子が元気に育てばそれでいいわ。」
「僕もタノシミタデス」
というか、なぜ名前をレノードにした!?いいづらいだろ!?カミカミじゃないか!それに聞こえづらいし!貴族の挨拶で『え?もう一回お名前を』とか言われるだろ!?また最初から長々言うことになるんやで!?
という感じで教会に入り、神父の元へ。
教会は白い建物で、中央奥にある祭壇っぽいところに神父が立っていた。後ろは一枚の大きなガラスが張っていて、女神の像がある。
「今日はよろしくな!神父さん!」
「今日はお願いしますね。」
「こんにちは。辺境伯家嫡男レノード・フォン・アイールです。」
神父は一瞬顔を呆けてから
「、、、、、、ほうほう、まだ小さいのに随分礼儀正しい子で。」
と言った。
やっぱり大人びてしまうよな。しゃーない。
「ではさっそく始めましょうか。女神クルーシス様。この子に加護あれ。」
随分短い詠唱だな。あっさりしている。魔法でないから詠唱ではないか。
「では、ステータスとおっしゃってみてください。」
「ステータス!」
~ステータス~
名前 レノード フォン アイール
年齢 5歳
所属 ナガール王国辺境伯家嫡男
種族 人族(幼少期)
魔法属性 無
魔力値 17万5千
ースキルー
武術系
「剣術Lv3」「体術Lv2」「踏ん張りLv5」
「岩投げ(石投げ)Lv1」「忍び足Lv4」
「岩蹴り(石蹴り)Lv2」「バランス感覚Lv6」「回避Lv5」
身体能力強化系
「身体強化Lv7」「暗視Lv5」「遠目Lv3」
「鷹の目Lv4」「頑強Lv2」「嗅覚強化Lv4」
「聴覚強化Lv3」「持久Lv2」
魔法系
「無魔法Lv2」「無詠唱」「魔力操作Lv7」
「魔力感知Lv5」「魔力探知Lv5」「高速詠唱」
「詠唱省略」
文明系
「礼儀作法Lv4」「観察Lv9」「歌唱Lv5」
「演技Lv10」「ダンスLv5」
耐性系
「斬撃耐性Lv3」「打撃耐性Lv4」
「痛覚耐性Lv1」「苦痛耐性Lv6」
特異系
「挑発Lv4」「気配遮断Lv7」「思考加速Lv10」
「罠探知Lv2」「並列思考Lv10」「解錠Lv2」
「直感Lv4」「気配探知Lv6」「気配察知Lv4」
「危機感知Lv5」
ー固有スキルー
「可能性の種」「スキル昇華8」「感覚適応」「感覚遮断」「知恵之身」「限界突破」「アイテムボックス」「忍耐之人」
ー称号ー
お吐きマン 出して戻すバカ 苦痛をものともしない者 数学者 転生者
、、、、、、この称号本当イヤだな。完全にヤバい奴じゃないか。
お吐きマンなんて、魔力増幅のために吐いてしまっただけだしな。もー慣れたけど。吐いて戻すバカはないだろ!?確かに1回吐いて、でも流動食だからそのまま飲み込んだけどさ!これ誰にもみせられないよ!?
あ、やっぱスキルは結構あるな。ちなみに固有スキルとの区別のために一般スキルと呼ぶこともある。
剣術や斬撃耐性などの武術系スキルや耐性系スキルは父さんと手合わせしていたら身についたものだ。最近始めたばかりだからレベルは低いが。というか問答無用で攻撃してくるから当たるのがめちゃ痛い。()はどうやら進化前のスキルを表している。暗視は夜に明かりを消して、起きてずっと何かを見ていたらレベルが上がった。明かりを消したら人は基本寝るので暗視は意識しないとレベルが上がらない。たまに夜眠れないときはそうしている。遠目は遠いところを見ようとして10分したらスキルが発現した。固有スキル「可能性の種」を持ってもそれだけかかるとは、持ってなかったら大変だったぞ。他のスキルは貴族の作法を学ぶのがイヤで魔法を学びたく屋敷中を逃げ回り、使用人の罠を避けて扉のカギを開けていたらこうなっていた。
思考加速と並列思考は算術スキルと暗算スキルがLv10になり複合し、派生したものだ。中学レベルの方程式を解いたら、思考加速と並列思考のスキルにまで進化した。その後に高校レベルの数学でLv5に。一般的な高校三年の理系が、学ぶレベルの数学を解いてみたらレベルが限界まで上がった。数学者なんて絶対嘘だろ。この世界にも天才はいるはずだぞ、、、。
ま、ラッキーかな。しかもこの二つのスキルは強すぎる。この世界の人の思考の限界は同時に魔法を3つか4つ発動するくらいだ。なのにスキル思考加速で発動時間を1/100に短縮しながらスキル並列思考で100個まで同時発動できる。おそらくこの世界の数学はあまり進んでいない。きっと中学レベルまでじゃないか?いつかは本を出そうと考えている。二ヒヒ。
閑話休題
そして神父が言った。
「な、なんですかこれは!神童ですぞ!この固有スキルの数と、一般スキルの数!い、一体どんな教育を!?」
「俺はなにもしてねーよ。少し鍛えてやっただけだ。こいつが勝手に何かやってたんだろ。ま、貴族のダンスはまだ下手っぴだがな!!俺もだけどな!ガハハハ!」
「まー、確かにそうですわね。魔法の基礎を少し教えてだけで。あとは勝手に勉学に励んでいましたもの。」
なんか色々言われてるが大体合っているから何も言えないわ。
「この子は二人目の神童ですな!いや~こここまでなにかあると、将来逆に大きな災厄とか起きそうですな~。後で神に祈りますか。」
おい!フラグみたいじゃないか!さっそく立てるなよ!?
「とりあえず帰るか?レミーナ。」
「帰りましょ、ガイス。」
「そうですね、僕も疲れました。」
ちなみに父母それぞれの名前はガイス、レミーナだ。父さんは筋肉モリモリ大男で、少し強面寄りの金髪ハンサムだ。母さんはおっとり金髪美人だな。
「いや待て。この称号だけよくわからないぞ?」
父さんが俺のステータス画面に指を指しながら言った。そこには転生者と書かれている。
まずいぞ。これを正直に言ったら必ずめんどうくさいことになる。だがここにいる人は誰もわからないようだ。
俺はこの家族を気に入っているし、好きだし、関係を壊したくない。もし言ったとしても、普通に受け入れてくれるのではないかとも思う。だが俺は前世で家族が物心つく前にはいなかったんだ。だから怖い。俺は今逃げているのかもしれない。でも、それが悪いことにつながるわけではないと今は思いたい。それに、大人になってからさりげなく暴露すれば何も問題ないだろう。それに貴族社会にこれから入るのだから。言われもしないことを言われるのは嫌だしな。今は知らないふりをする方が賢明だろう、そう、きっと。
「僕もそれはわかりません。」
「そうか、なら屋敷に戻って他のステータスのことも話そうか。」
そう父さんは返した。
心に一抹の罪悪感を感じながら俺は家族と一緒に屋敷に戻るのだった。