第2話
あれから3年後。
本や家族の話からわかったことは、この世界は中世ヨーロッパのような時代で大きな町でも十分な危険性があること。だが生活の質は魔法により発展した。糞尿はある程度溜めれば火で消せるし、水で流すこともできる。夜も火や光の魔法で付く。料理も火や水を、、、火魔法便利すぎだろ。そしてそのせいで町にはまだ一度も行ったことがない。
この世界には神が普通にいると信じられている。女神クルーシスが最も知られている。というか他の神を知らない。神は生活のいろんなところにいる、とも考えられている。日本の考えに近い。実際スキルとして現れたり、加護として現れたりするのだから合っているのかもしれない。
食べ物は動物や植物、魔物なども食べられる。この前はオークを食べた。知能がある生き物を食べるのには少し抵抗があっ、、なにもなかった。
この世界にも時間の概念が存在している。
1日24時間、1週間6日、1ヶ月30日、1年12ヶ月360日 休みは週一。
それも安定した職場でないとほとんどないに等しい。曜日もナシ。呼び方は1日目、2日目。それだけ。
時間の知らせは毎日鐘が2時間おきに、6時から鳴らし始める。
今俺らが話しているのは共通語モダン語。
大陸共通らしい。古代人は違う言語、つまり古代語を使っていた。言葉の違いだが、第六感は魔力で第七感が直感。
つまり、俺の第六感がうずく!というのは魔力のことだ。みんなしっかり俺の第七感がうずく!って言おうな!誰に言っているんだろうか。
お金については貨幣で取引が行われる。文明はそこまで発展していないので大まか。平民はキリの良い、安い値段で値切りをし、貴族は大盤振る舞いをするために細かい鉄貨などはあまりつかわない。
お金の単位 ゴールド
鉄貨 10円
銅貨 100円
大銅貨1000円
銀貨 10000円 一万
金貨 100000円 十万 (ゴールド)
白金貨10000000円 一千万
平民は金貨らへんからほぼ使わなくなる。なので白金貨はよく上級貴族、王族しか使わない。
戦争はここ数百年は起きていない。国同士が合併してある程度大きな国ばかりなので、お金の価値も安定している。
ここ数年で魔法についても調べた。
魔法を発動するときはイメージだけで問題ないが、一般的な発動方法は最後にイメージ補助のための詠唱をしてから発動。その時だけ魔方陣が浮かび上がる。ちなみに無属性魔法は属性変換がないので魔方陣が浮かばず、スキル魔力視がないと見えないので、イメージができない人が圧倒的に多い。なので全く派手ではない無属性魔法の不人気さにさらに拍車をかけることになる。レノードはアニメを前世で見ていたので基本無詠唱で魔法を使える。だが属性魔法が使えないので無詠唱もクソもなかった。
そして無属性魔法はやっぱり不人気だ。なぜだ!!!!
そして属性魔法使いたかった。ぴえん。
あと冒険者ギルドや商人ギルド、そして執事・メイドギルドがあるらしい。それについてはまだ調べてない。いつか必ず経験するからまだいいと考えた。
俺は今日も書斎に引きこもろうとしたが、、、メイド達がいた!
「坊ちゃま!!」「あれ、どこ!?」
俺は屋敷中を逃げ回った。
俺はスキル忍び足、回避、見切り、気配遮断を使い、俺に貴族教育させようと必死になるメイド達から逃げた。
よしよし!すこし遠回りになったが、急がば回れだな。慎重に回ればどうってこと無い!、、、という訳でもなかったこともある。
まず親には絶対見つかる。今の持てるスキルをフル活用しているのに必ず何でも無いように見つかる。おかしい。レベルも固有スキル「可能性の種」でかなり上がったはず。つまり両親の方がそれらのスキルに関してレベルが高かったり、対策スキルがあるということだ。あ、そういえば父さんも母さんも昔冒険者していたことを俺に話すよな。
ん!?冒険者!?待て待て!普通冒険者から辺境伯まで上りつめるか!?なぜ、気づかなかった!?魔法のことしか考えてなかったからか!きっとそうだな。うん。
まず貴族やこの国について説明しよう。
この国には、というよりほとんどの国が絶対王政で政治が成り立っている。その部下みたいなものが貴族なのだがその中でも序列がある。もちろん一番上が王様。次に公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵になる。その次に準男爵と騎士爵がある。最後の2つは特別なので後で説明する。公爵は元王族しかなれない。侯爵から下は功績を残せばなれる。だがほとんどの上位貴族は国を興した時に協力した者の子孫ばかりで、功績を残せてもせめて子爵になれるかどうかだ。つまり上位貴族になっている親は並大抵のことではない何かをしたということだ。
説明を続ける。準男爵と騎士爵は貴族であって貴族でない。まず領地がない。なので国からもらえる年金が極端に少ない。そして子爵、男爵も少ない方なので他の上位貴族からお金をもらっている者もいる。節約すれば十分足りるはずなのだが。上位貴族は伯爵家以上だな。お金をもらうそこの子飼い、つまり付き従うということだ。そして派閥が生まれる。今このナガール王国には王族派と貴族派がいる。もちろんどちらの主張にもちゃんとした言い分がある。じゃないと王族への反逆行為になるからな。簡単に言えば王族派は王を中心に栄えようという主張。貴族派は王はもちろん必要だが、貴族もいるから国が成り立っているという主張。表向きはね。裏、というより公然の秘密だが貴族派はとりあえず財力、権力が欲しいのだ。
閑話休題
そうか、冒険者から上位貴族になるのだから相当スゴい冒険者だったんだな。マジか。そういえばこの屋敷の執事とメイドも元冒険者の集まりだったような。だからなんか猛者みたいなオーラがあるのか。
こうして一巡り、いや三巡りくらい思考をした俺は書斎に入った。