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第4話 王都家政学園
「ここはどこだろう……。」
受付の守衛さんに中に入れてもらった後、僕は迷子になっていた。
「人の姿が見えない……。」
学生はいないのかな。
「おーい、誰かいませんかー!」
……誰もいない。
どうしよう。
「うるさい!こっちは大変だっていうのに。」
「わっ!」
お、女の子?
学生さんかな。
でも、よかった。
ここがどこなのか聞いてみよう。
「あの、ここはどこなんでしょうか?」
「ここは中庭。学生なら知ってるでしょ。」
「いや、僕は……。」
学生じゃない、と言おうとして。
「あっ、新入生か。ごめんごめん。」
さえぎられてしまった。
「いや、新入生でもなくて……。」
「折角だから、この学園を案内するよ!」
「あっ、ちょっと。」
行っちゃった。
「こっちこっち。」
とりあえず、追いかけないと。
「ま、待ってよー。」
僕はここの学生でも新入生でもないのに……。