ドラゴンの契約者
「うっ………………うーん?」
見慣れない天井、いやこれは見慣れない水と言った方が正しいだろう。辺り一面、水に包まれた場所。あちこちに水の通路があり少し不格好でそれでも神秘的な場所だ。
(どこだここ?俺は何をして……………そうだ!あの龍と戦って勝ったんだ。その後、どうなった?)
「おぉ。起きたか…人間の子よ」
ザッッ
(どういうことだ?さっきまで戦っていたのに)
「俺を、ここに連れて来て何をするきだ!」
「そう警戒するでない」
「俺をここに連れて来た理由を話してもらおう」
「お主をここに連れて来たのは……………そのー……えっとー………」
「何だ?早く言ってみろ!」
「だから!お主には、わしの契約者になって欲しいのだ!」
「…………………はっ?」
「二度も言わすな!この誇り高いわしの口から言っているのだぞ!」
「じゃあ、いいです。遠慮しときます」
俺は、全力な笑顔で返す。
「なんだと…………!?」
[聞き間違いか?いまこのわしが断られたように聞こえたのだが……………]
「えーーだってー。自分から頼んでおいてそんな態度だし。頼む時には、もうちょっと言い方ってもんがあるんじゃないの?」
「別に頼んでなどない!仕方なくしてあげようかなと………………」
「えっ……………もしかしてだけど、乙女?」
「何を言うか!このわしが乙女などありえぬ!断じてそんなことはない!」
(あっ………………(察し))
「ほら。人に物を頼む時には、なんて言うの?」
「うっ………わしと」
「わしと?」
「契約を……その…」
「その?」
「して」
「ちゃんと最後まで言って」
「してください」
「よく出来ました」
「後で覚えていろよ」
「そう言えば契約って言ったて何をすればいいの?」
「わしにあんな恥をかかせて、それを知らぬと言うのか!?」
「うん。だって俺、この世界に来てまだ二日しかたってないし」
この日、龍のメンタルは驚きと悔しさでボロボロになったとさ。
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「この世界に来た?」
「うん。来たって言うよりは、自分がいた世界で死んで創造神様に連れてこられたって言ったほうがあってるかな………………」
「創造神様に会ったのか!?」
「そうだけど……………そんなに驚くことなの?」
「当たり前だ!わしらは太古の昔、創造神様から作られた。その創造神様を慕っているのは当然だ!」
「普通の龍じゃないの?」
「わしらを、その辺のトカゲと一緒にされたら困る。わしらは世界に三体しかいない伝説の龍である。わしらの他にも、わしらとは反対の幻の竜がおる。」
「わしは、水と氷を司る龍。あと炎と風を司る者と光と闇を司る者達がいる」
(名前そのままなんだ)
「まぁ。それを倒してしまうお主の方が伝説だな」
「その、なんか……………ごめん」
「別に良い。怒ってなどおらぬ。むしろ嬉しく思った」
「何で?」
「わしらが伝説と言う事は、実質この世界最強と言う事だ。だからわしよりも強いお主しで会えてよかった」
「そうなんだ」
「話は、逸れたけど契約はどうやってするの?」
「契約するものに名前を付ければ良い。相手の了承が必要だがな」
「分かった」
「良い名前を頼むぞ」
「うーん」
!!
「カイなんてどうかな?」
「カイ?」
「海みたいに青く透き通った鱗をしているから。海を言い変えてカイに」
「カイか…………気に入ったぞ。その名前!」
「良かった〜」
「我カイは、そこの者を主として何があってもこれから先共に生きていくと誓う。我と主に祝福を」
ぽわぁ〜〜
「おぉ!?」
「これで、契約は完了だ。今後ともよろしく頼むぞ。我が主」
「おう。こっちこそよろしくな!カイ」
今日この世に新たな絆が刻まれた。