表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/17

2

「はじめまして、クライス嬢。アラン・マイルズです。今日は貴方に会うためとはいえ、突然の訪問となったことをお許しください」


おっふ。なんでだよ。なんで、マイルズ公爵家の御子息様がいるのよ。てかこいつ今さらっと、親の留守狙ってきましたよーーって言ったよね。言ったよねぇ!

性格わっる。


サーーラーー?貴方知っててあえて”お客様”呼びしてたわね。私が仮病で逃げないために!

わざわざ旦那様の留守時は〜とか言っちゃってさっ。

さすがにここまで来て逃げるわけにはいかないわ。

とりあえず、この固まってしまった表情をなんとかしないとね。


「ふふ、驚きましたわ公爵様。私のようなものにどのようなご用件でしょうか?」


マイルズ様は一瞬驚いたように目を目開いたかと思うとまた普段のにこやかな顔に戻した。


ま、当然よね。さっさと用件行って帰ってくださーいって遠回し?にいったんだもん。えへ。


「すまない、クライス嬢といえば王族の主宰の場であっても滅多に見かけることのない美しい深窓の姫君と言われてるほどだからつい不意をついてみました」


ふーーん。ま。確かに私は社交嫌いだから体弱いアピールしまくって引きこもってます。

けど、それがなにか?てか、理由になってないのよ、きた理由に!


「まぁ、では私の顔を見て用件は済まれたようなので、公爵様はそろそろお帰りになられるということなのですね。本日はお会いできてとても楽しかったですわ」


サーーラーー。お客様のお帰りよーーーー。


「くっ。くくっ。怒らせたのであれば申し訳ない。では、こちらも担当直入に言わせてもらうとね。クライス嬢、私と婚約して欲しい」


「お断り致します」


間髪入れずに笑顔には、しっかり笑顔でお返しした。公爵様は私の返答を全く気にせずティーカップを持ち上げ紅茶を飲む。

そして、一息つきゆっくり話し出した。

ちくしょう、絵になるなこのイケメンめ。


「まぁ断ってもらっても構わないんだ。私はただパートナーを探しているだけだからね。今日を狙ったのも正式なものだと君の意思を問わず成り立ってしまうなと思ったからです」


いやらしい男ね。なんか君のためとか言ってなすりつけてきたし。それにわざと人の興味を引くような喋り方。はいはい、乗ってあげますともその見え見えの作戦に。


「ではお優しい公爵様は一体なにを望んでいらっしゃるのですか?」


私の返答に満足したように公爵様は頷いてから話出す。


「私に愛を求めないこと。それさえ守って頂ければ、公爵家での自由な暮らしを約束します」


ま、じ?え、そんなことでいいの?

そんなの喜んで引き受けるに決まってますぅぅ!!


「公爵様。そう言うことでしたらそのお話、謹んでお受けいたします」


「え?」


「え?」


公爵様が驚いて漏らした言葉に私も驚き繰り返した。


…?なに、いきなり?

この回答待ってたんじゃないのこの人。意味分からないのですけど。


さすがの私も戸惑っていると、彼は少し動揺しながらも「では、この話を進めさせていただきますね」といってささっと帰ってしまった。


なんなのだあの人は。自分から言い出したことに私が乗っかると思わなかったと言う顔。じゃー言うなよ!来るなよぉ!


アラン・マイルズ様といえば四大公爵家のうちの一つであり、代々騎士の家系である。先ほどの彼は騎士団長を務めている。燃えるような黒髪にサファイアのような目を持つ美男子だ。

そんな雲の上の人がなーーぜに私を?


疑問に疑問が深まるマドレアであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ