落ち着けセリヌンティウス
「メロスくんさぁ!! 政治とかよくわかんないんでしょ?! じゃあさあ!! 黙っとこうよ!! ねえ!!!」
「……ごめん。……ほんとごめん。」
「まあまあ! セリヌンティウスくん! ほら! ワシもう怒ってないから! ね?」
セリヌンティウスは激怒した。
セリヌンティウスには竹馬の友にメロスという男がいた。
メロスはよくも考えずにいたずらに騒ぎを大きくしようとする悪い癖があった。
故にセリヌンティウスは、(やだなぁ、メロスくんとは竹馬以外では関わらんようにしとこ!)と思っていた。
「え? なんで? 百歩譲ってさあ! 王に楯突くのは良いよ? なんで僕のこと身代わりにしようとしたの?! おかしくない?!」
「いや、あの、妹が、その……」
「あんまりその百歩は譲って欲しくないかなぁ。 いやもうワシ怒ってはないけどね! いやホント! ぜんぜん!」
セリヌンティウスはおこだった。
激おこよりももうちょっとおこなくらいだったが、片仮名が付くほどのおこで無かったのは不幸中の幸いだった。
「あれ? メロスくん妹いたんだっけ?」
「いやあの、なんていうか、精神的な妹というか」
カタカナが付いた。