強くなる為に
強くなると言っても、どうしよう、空手とかでいっかな、大会とか出て優勝すれば中城もきっと……
よし空手にしよう なんとなく強くなるといったら武術を習うのが1番じゃねえ?
なんて考えた俺は、次の日の放課後、家の近くの空手道場に来ていた。
すいませーん 空手習いたいんですけど、
お? 入門希望者かい?うちは初心者大歓迎、
ここは今、将来空手の世界一になる可能性があるルーキーが居てね、日向涼って言うんだけど知らない?
日向涼? どっかで聞いたことあるような……
あっ、そう言えば……
そう言えば前に、テレビの特集で見たことがあった気がする
将来の空手の金メダリスト日向涼 彼の突きは世界を狙える!とかなんとか、家の近くの道場に居るって見てちょっと気になったんだよな、15分後位にはもう忘れるくらいどうでもよかったけど
日向涼……強いのかな?いや、テレビで特集されてるくらいだし、まあ強いんだろう……
ひ、ひ、日向涼が中城にもし、告白したら、中城はOKするのだろうか、いやいやまさか、でも、強い人が好きって言ってたし、え、大丈夫だよね?中城はそんな奴には惚れないよね?、って、何を考えてんだ俺
あのー?
ここの道場主?っぽい人が顔を覗かせてくる
あっすいません、日向涼って人は何歳なんですか?
えっと、たしか14才って言ってたな、
俺と同い年か……
それじゃ、日向君と少し手合わせしてみるかい?
えっ 俺空手とかやったことないんですけど、
いきなり手合わせとか勘弁してくれ、
そっかそっか、ならやっぱり手合わせしよう!!
は?いやいや、初心者って言ってるでしょ
初心者だからこそだよ、日向涼君という強さを体で感じ、そして日向涼君を目標にして、頑張って欲しいからね。日向くーん
いやいや、そんないきなり、
どうしました?
こいつが日向涼か、なんか……俺の嫌いなやつっぽそうだな、イケメンで身長高いなんて、
今日体験入門希望の、えーっと
四宮です
四宮君って言うのか、日向君、四宮君と手合わせをお願いしたい、
は?、なんでこんな明らかに弱そうなやつと俺が手合わせしないといけないんですか?
俺は冬の地区予選に備えて練習しないといけないのに……
日向は明らかに面倒臭いといった顔で拒否をする
なんだこいつ、まあ弱いってのは間違ってないけど、いきなり失礼なやつだな、
まーそう言わずに、新しいライバルになるかもよ?
はぁー、まあ、少しだけなら……
これ手合わせする流れなの?
まあ、将来有望の空手家と手合わせ出来るなんて、
いい機会だし、やってみるか、
それじゃ、始め!!
僅か一瞬だった、
日向は一瞬で間合いを詰めると同時に腹に突きを加え、蹴りを行う、
俺は僅か3秒で吹っ飛んだ、
勝負あり!!
まじかよ、俺ってこんなに弱いのかよ
なんだよ、なんかあんのかと思ったけどやっぱり弱いじゃん、
クソっ、こんなにも実力差があんのか まあしょうがないだろう 俺は初心者なんだし相手は将来の金メダリストなんだし、
だが、ここで不意に浮かぶ、中城と日向がイチャつくシーンが、
中城、どうだい?俺の強さは、将来金メダリストの男だぜ? お前のハートも正拳突きするぜ♡
日向君、凄い……私の心、黒帯で締め付けられちゃう!!
うわぁぁぁぁぁぁぁぉぉぁ!!
何を考えてんだ俺!!そんなこと無い、中城はこんなやつには惚れない、大丈夫だ!!
私、強い人も好きなの
やばいやばいやばいやばいぞ、
頭から離れない、中城の言葉が!!
おーい、四宮君?大丈夫?
強くならなきゃ……こいつよりも、こいつよりも強く、強く、
あの、すいません、また出直します!
そして俺はお辞儀をし、速攻で家に帰った
どうしたんだろ、日向君、彼と手合わせしてどうだった?
そう問いかけると、日向は
どうも何も、見てたでしょ、俺が軽くあしらっただけですよ、
んー、やっぱりいきなり手合わせは不味かったかなぁ、せっかくの入門希望者だったのに、嫌な思いさせちゃったかなぁー
強くならなきゃ!!強く、
家に着いた俺は、とにかく考えた、あいつに勝つ方法を、
俺にはとにかく筋肉が無い、まずは筋トレだ、
それから、技を身につけないと……それから……
俺はとにかく考えた、そして考えた結果、あるひとつの答えにたどり着いた。
俺がグータラ過ごしていた時間、全て筋トレと走り込みに使おう! 時間を有効活用するんだ、トイレに行ってる時だって、ダンベル持って腕の筋トレができる!!授業中はずっと空気椅子をしよう!!
今まで8時間睡眠だったけど半分の4時間睡眠にして
残りの4時間を走り込みに当てよう!!
そうだ!!あれはこうして、これはこうして…………
この時の俺は本当に頭がおかしかったのかもしれない。他人から見たらアホの極みだろう、
おかげで、人間が本来備わっている、力を制御するブレーキが…………外れてしまったのだから
あいつに負けて、強くなろうって決めて、1年が経った、
今の俺は、上半身に100キロの重りと、下半身に200キロの重りを常時付け、授業中は常に空気椅子をしながら、技のイメージトレーニング、休み時間になったら逆立ちで屋上に行ってはイメトレした技を練習、チャイムがなる2分前に逆立ちで教室へ戻る、完全に変人扱いされてるが関係ない、
中城はそんな俺を見てどうしたの?と聞いてくるが、強くなる為だと言ったら、笑顔で頑張れと言ってきた。もう最高に元気でた、加賀からは精神科行けとか言われるがお前はどうでもいいや
そして今は独自の瞑想法と鍛えた筋肉を使った呼吸法により、超ショートスリーパーになり、1日1時間の睡眠で元気になるようになったおかげで、今までの睡眠時間を全て修行に使える!!
そんな修行を1年間も続ければ、当然体調にも変化が訪れる。
なんか、気持ち悪い、頭痛え、風邪か?
でも修行を休む訳には行かない、強くならなくちゃ行けないんだから、そうだ!! こんな体調の日だからこそ、今までの2倍負荷を掛けよう!
そして更に1年が経ち、中学の卒業式が終わり、
高校生になった、
昔は自分の学力によって高校を選んでたらしいが、宇宙人が侵略した今の時代は違う、健全に育って欲しいという国の方針で高校も義務教育になり、自動的に家の近くの高校に入学することになっている。
そして、高校1年のクラスは……
俺、加賀、中城、そして、あの日向が、同じクラスになった。