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朝ドラ「まんぷく」の物足りなさ

作者: とみた伊那

 今回の朝ドラ「まんぷく」は面白い。その前の「半分青い」より十倍面白い。


「半分青い」はつまらないドラマだった。

主役の女の子は片耳が聞こえないので障がい者が頑張る話かと思ったら、そうでもない。

漫画家になる話かと思ったら、途中で挫折。

主役の女の子は漫画家をあきらめた後百円ショップで働き、変な男と結婚して別れる。

その後実家に戻って親と弟が貯めたお金を使って五平餅屋を始めるけれど、すぐに辞める。子供にスケートを習わせたいというだけの理由で東京で変な商品を作って売るけれどうまくいかない。

最後に幼馴染の扇風機の研究開発を手伝う、というストーリー。

何をやりたいのかちっとも分からないドラマだった。


 今の「まんぷく」は、主役の福ちゃんがあまり美人でないところに親しみがわく。そして見ているうちに、だんだん福ちゃんが可愛く見えてくるところが、役者さんのうまさだろう。


 しかし楽しく見ていながら、少しずつ沸き上がってくる物足りなさは何だろうか。週ごとのタイトルは

「ちがうわ、萬平さん」

「萬平さんは、そんな人ではありません」など。

そのタイトルに現れているように、福ちゃんはいつも萬平さんを助けている。

夫の萬平さんがGHQにつかまった時「萬平さんは悪い事をする人ではありません」と訴えに行く→妻だから当たり前。

萬平さんが栄養食品の開発で悩んでいる時に「昆布を使ったらどうでしょう」とアドバイスをする→いかにも作ったようなエピソード。

周囲の人もGHQの人に向かって「あの夫婦は良い人です」と不自然に福ちゃんを持ち上げる→そもそも福ちゃんは逮捕されていない。

よく考えるとストーリーを引っ張っているのは萬平さんで、福ちゃんはひたすら良妻賢母の道を進んでいるだけ。


 少し前の朝ドラ「朝がきた」では、仕事をしない夫に代わって活発な妻が店を切り盛りして激動の維新を乗り越えて店を守ったという話だった。

「まっさん」では、外国から来て異文化の中で頑張る妻が主役だった。

それらと比べて、福ちゃんはひたすら夫を立てて支え続けるだけでストーリーが進む。

一度萬平さんが「福子が社長をやった方がいい」と言った時、これで福ちゃんが活躍するのかと期待した。それに対して福子は「みんな萬平さんが好きなのよ。萬平さんが社長でないとダメ」と、ひたすら夫を持ち上げて終わった。


 良妻賢母を否定しているのではない。それは女性の立派な生き方だ。

 ただ朝ドラのヒロインとして、時代が逆戻りしているような感じがしている。ひたすら夫を支え、子供を産み育て、夫と一緒に頑張って働くタイプ。「女はかくあるべし」という、男にとって便利な女性像を見せられているような感じがする。


 ドラマのヒロインは、やっぱり見ている人があこがれるようなタイプがいいな。一見普通っぽいけれど、これからこういう生き方をしたいと思えるような女性。明るく力強く。そしてハッピーエンドで終わるような。

 では自分が書いている小説には明るく力強いキャラクターが登場して、幸せなままで終わるものがあるのか!

 えっ……と。


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