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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

完結するまでかえれません~とある神童の嘆きあるいは遺書~

作者: 水虫と油虫

助けて


汗ばむ手を震わせ、奥歯がカタカタとなる視界がヤバい小刻みに揺れる、今まで一度しか潤ませなかった瞳からじんわりと涙が滲む

周囲に広がる歓声が五月蝿い


助けて


私は心のなかでもう一度そう叫ぶ、『天下無双』『神の子』『戦女神の再来』そんな名声を持つ自信は今この時、第二の人生で15才の誕生日、たった今吹き飛んだ


第二の人生とは、あれだ『異世界転生』、便利な言葉だ、そもそも私は俺だった。はたちまで生きて事故でポックリ(トラックじゃ無かった)


神様(一つ上の世界の人?)は言った「一つ下の世界を主人公として完結させて来て、そしたら今の世界で生まれ変われるよ」


どうやら俺達人類が産み出しすぎた世界(物語や漫画)が未完のままの状態になってるのが非常によくないらしい、収束しない世界が増えすぎて魂が足りないとかなんとか


とにかく、物語にどっぷり浸かっていた俺は二つ返事で転生者になったのだ


そこからの俺の波瀾万丈な異世界生活は始まる


ベースは日本の作品らしく日本語、金髪碧眼の美人な女性が日本語で赤ん坊だった俺を呼んだときは戸惑ったし、すわ巨人かと思ってテンパり泣いたのは(結果的には良かったとしても)恥ずかしい記憶だ


俺はどうやらある王国の第三王女らしい、身なりのよい侍女の人達が俺の両親らしい人にお祝いの言葉を言ってるときに知った


女性として産まれたのも驚いた、逆にこっちは生まれ直したせいか、さほど違和感はなく俺と私は混ざりあった


言葉が分かるアドバンテージは凄まじく、この世界は人類と魔族が戦い続ける剣と魔法の異世界ファンタジーだと分かった、つまり私はこの世界で魔王なりなんなりを倒せばいいらしい


そして魔法、魔法である。私は嬉々として魔法に手をつける


流石に零歳児が魔法をぶっぱなしたのは国の一大事だったがそれは主人公補正すぐさま国の賢者様を教師とし

八歳にして聖魔法を中心に炎氷雷の攻式、空地海の防式の魔法を破竹の勢いで習得した、既に戦術兵器並みである


これには国も動く動く、王女といえどぜひ魔導騎士隊にと詰め寄られる、がここで新事実が発覚、人間の素質を見極める国宝が告げる



どうやら私には魔法の才能はないらしい……



いやいやいや、大陸一と言われたお師匠様が、私に会えたことを感涙して初対面で失神したのに、才能なしとはこれいかに


流石に国王である父様すら疑うなかほんの試しにと握った聖剣は


私に 『空間』 を割らせた、はいはいチートチート


そして私は最強の矛と盾、無限の機動力、時間を切り裂く時間停止能力を得た


既にこの時点で魔王は倒せると私が思うなか、誰もが人魔の大戦の終結を夢描くなかふと


父様が、母様が二人の姉が、声を上げる


「娘(妹)はまだ八歳だ」


これには湧いた者達も一瞬口を紡ぐ、しかしそれでもと声は上がるが両親と姉達の涙ながらの、王族やその地位を鑑みない只の親としての懇願はある意味無責任なものそれでも私の家族は戦ってくれた(本当に勝てると思ってた私が大丈夫だといい続けたのが余計に同情を誘っていたのかもしれない)


そして私は本来この国で成人し神職であるクラス(職業、能力に大幅な上昇を得られる)を授かる15才をもって国の聖戦を率いる戦乙女としてその身を鍛える事になった


そこからは自身の未熟さを思い知ることになる、平和な国で過ごしてきた私には人を率いる力も戦の流れを見極める力も無かった

個人の力では抗いきれない軍の壁、一つ間違えば多くが犠牲になる。


物語がなんだ!私の背にはあまりに多くの命がのし掛かっているのだ


研鑽と修練の日々そしてそれは14才中頃に花開く

『超範囲空間知覚魔法』

国中の兵士の行動を把握する『魔法が下手な空間斬撃士』が本来たどり着けるはずがなかった境地

そこに私は至ったのだ


そして、私は15才になる


「これより成人の義を執り行う」


厳かな声に私はもう一度身を引き締める


場は少し慌ただしい、それもそのはず、私の成人の義に会わせるかのごとく今まで小競り合いを続けてきた魔の軍勢が大規模に動き出したのだ


それでも簡略ながら成人の義を行うのはこの時15の誕生日が神職を得る最高の日だからである


そして今日この時が聖戦の始まりである


「では、神託の宝玉に手を」

「はい!」


静謐な場に私の歩く音だけが、コッ、コッと響く、既に白銀の戦鎧を着込み兜の変わりの魔法具はさながらティアラのように光輝く、母譲りの金の髪色は姉妹の中でもよく姉たちから羨ましがられる、15に成長した身体はしなやかで剣の動きをより洗練していった


今から私は戦いにでる、初めは浮わついた感情だったでも、今は違う大好きなこの世界のため命をとして戦うんだ!


宝玉が光りその文字を写す


日本語ベースだからか漢字表記なのは姉達が成人したときに確認済みだ上の姉は『竜唱者』下の姉は『舞花術士』


私の能力を考えれば『天聖剣者』や『次元斬士』が当てはまるしかしあまりにも規格外の私には正直何が来るのか分からない、そしてそれは、浮かび上がる……


「これは、初めて見るな」

「えっ……」


宝玉に手をかざした私の反対側にいる父様が訝しげにその神職の詳細を調べる、私にもそれは見える鏡写しだが簡単な漢字だ中学生もしくは小学生すら読めるだろう


「なんと、聖属性の常時付与、士気力の大幅な上昇に、王家の力の一端の解放!?」

「…………え」


沸き立つ周囲、父様の読み上げる力はどれも破格だ私が欲しかった士気力の上昇ほぼこれで……………………と、当初の最大の弱点は無くなった、王家の力の解放により大幅な生命体の上昇……コワイ、魔王にも、コワイコワイコワイコワイ、そう魔王に聖属性がカテッコナイカテッコナイカテッコナイカテッコナイ効くように、イヤダタタカイタクナイ、ムリダヨゼッタイシンジャウタスケテヨウエネエサマシタネエサマ、ナンデセイメイリョクアゲチャウノ?ヤダヨセイゾクセイナンテアンマリイミナイヨ


「~?大丈夫かい?」

「は、はい!」

お父さんが呼んで我に帰った、まだ、まだ大丈夫、きっと


「ふふっ武者震いかい?それとも緊張したかな大丈夫、飛出した魔族はそう強くない『  』らしいから」

「!!?」


父様の話で私の嫌な予感は少しずつ確信に代わっていく、そうだ、神は初めなんて言った……?『完結』したら?


だれがハッピーエンドといった?魔王を倒したらと言った?言ってない……言ってたのは私だ


歯が鳴りすぎて口内を噛み血が出る、脇から汗が吹き出る心臓の音が五月蝿いいっそ剣を刺したい


「それではこれより 」


勝てる自身はあった今でも魔王なら倒せる、でもムリ現代の知識が、例え私の全力でも勝てないと警鐘をならす、なぜなら


「それではこれより『姫騎士』ユリア=フェン=アーデルヴァルトとともに聖戦を開始!まずは我が領土に踏みいる『オーク』どもを殲滅する」


なぜなら私は『オーク快楽地獄編~白濁に沈む姫騎士ユリア~』の主人公『姫騎士』ユリアなのだから


だれか、お願い、助けてください




最後の落ちを考えてパッと投稿、なろう初作品これでいいのか……

抜け道として『完結』しなきゃいいんですけど彼女が戦闘に出ると九割『完結』しちゃうベリーイージー(完結する)モードです神様優しいなぁ(ゲス顔)

『』書きの単語が分からなくても父様にも母様にも聞いちゃいけないよ

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