表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/35

☆6 オーク肉の串焼き屋お兄さんと素足の女の子



 


 洋服屋で買い物をしたあと、ピンク看板の宿屋に戻ってきた。 


 洋服を入れる袋を持っていなかったため、お祖母ちゃんに布袋を無料で頂いた。


 ありがとうございます。

 お祖母ちゃんに感謝です。


 収納魔法の存在を忘れていた。うっかりアクアである。


 今は、宿屋の自室にいる。

 ベッドやミニタンス、ミニテーブル、ミニイスと備え付けの物は木でできており、ほとんどがミニサイズだ。


 ベッドに、敷かれているシーツは臭いはしないものの真っ白というわけではなく、少し黄ばんでいる。

 


「ステリゼヒール」


 ベッドをとりあえず殺菌することにした。


 

 一応部屋全体にしておくか。


『ステリゼエリアヒール』設定レベル5

□説明

・ステリゼヒールの範囲が拡大した回復魔法の新技。

・ステリゼヒールが、大人ひとり分の大きさとすると、ステリゼエリアヒールは、範囲はバス2台分位の、効果を発揮する。


 

 

「ステリゼエリアヒール」


 殺菌完了。

 菌が殺された気がする。

 目に見えないから分からないけどね。


 ゴブリンの魔石のときは、ゴブリンはモンスターというだけあって、ばい菌だらけだったのであろう、目に見えるほどの菌が付着していたけど。


 基本的に冒険者は、魔石を触るときは手袋を嵌めてから触るか、水魔法で洗い流してから触るみたい、ばい菌への対策だって、もふもふガールズさんが言っていた。



 

〜夜ご飯〜


 新しい回復魔法の新技について、いろいろと試行錯誤していると、夕ご飯のことをすっかり忘れてしまっていた。


 ステータス画面を確認すると、19時10分。


 とりあえずピンクルさんに頼んで、ご飯を出してもらうのも迷惑かなと思い、外で買うことにした。


 近場のパン屋やくだもの屋、野菜屋などは閉まっていたが、串焼き屋は営業していた。



「へい、らっしゃい」


 元気なお兄さんが店員をしていた。


「こんばんはー、これは何の肉の串焼きですか?」


 今、焼いている串焼き肉を指さして聞く。


「これは、オーク肉の串焼きさ。食べると攻撃力が10分だけ上がったり上がらなかったりと言われている。まぁ、ホントに上がっているのかはステータス画面を見ないと分からないほどの微量だがな。実際、俺は食べても最近はあがってない」


 オーク肉、所謂いわゆる、マジックフードは、食べることにより6種の能力のどれか、はたまた複数の能力値が一時的に上昇を突破したりスキルや魔法が一時的に使えるようになる。

 このマジックフードやマジックドリンクの欠点は、飲み食いする回数により、効果が薄れていき、最終的にはゼロになるというところ。


 例をあげると、最初にオーク肉を食べたときは攻撃力が10上がったが、一定数を食べることにより、耐性が付き攻撃力の一時的上昇値は0に等しくなる。


 マジックポーション(薬)についてはこれは当てはまらない。


 そして、オーク肉を食べたとしても、部位により効果は変わるし耐性も別物となる。


 豚バラに自身が耐性ができたとしても、豚ロースを未だ食べたことがなければ豚ロースを食べることにより、何かの能力値は一時的に上昇する。



 マジック関連については大創造神様から説明を受けている。

 直接、あるいは間接的にでも、魔法に関連するからであろう。




 大創造神様の話を思い出しながら、オーク肉の串焼きを見る。

 豚肉ではなくオーク肉みたいだね。

 初のモンスター肉、正直避けたい気持ちもあるけど、今後異世界で生きていくためには避けては通れない道と言える。

 男は度胸だ。



「とりあえずオーク肉の串焼きそれを1本お願いします」


「はいよー。大銅貨1枚と銅貨5枚な」


 150円ほどか。

 日本では、100円以下で売っている焼き鳥屋もあるから、高く感じるね。

 まぁ、焼鳥の場合は値段と大きさ(量)が比例していれば文句はないけどね。


 大銅貨2枚渡して、お釣りを受け取る。


「ありがとう」


『ぱくりっもぐもぐ』

 

 口に入れて咀嚼する。

 うん、見た目通り豚バラみたいだね。


 薄っすらと塩味がついている。

 ホントにごく微量。極めて微量だけど。

 調味料高いのは異世界物ではよく聞く話だ。


 錬金術創造して、早めに調味料安定させようかな(笑)



「塩味ですか?」

 

 とりあえず、調味料の価値について、さり気なく聞いてみよう。


「おー、俺の店の味付けは塩だけさ。調味料は高いから少ししか使ってないけどな」


 やはり、調味料は高いみたいだ。

 直接調味料が高いかについて聞く前に教えてくれたお兄さん。


「あと、3本いただけますか?」


「あいよー」


 お兄さんは、焼き加減を再度確認したあとに、僕に手渡す。

 右手に串焼きを器用に3本持つ僕。


 左手で450円相当の大銅貨3枚と銅貨5枚をお兄さんに渡す。


「まいどありー、また来てくれよな」


 

 ステータス画面でマジックフードの効果を確認した。

 攻撃力が1%上がっていた



〜女の子発見〜


 豚バラの串焼きを食べ歩きしながら、街を見て回ることにした。


 1本目を食べ終わり、2本目を食べようとすると、物乞いをしている女の子を見つけた。


 様子を陰から見てみるが、物乞いなどこの街では当たり前なのか見慣れているのかわからないが、ほとんどの人が見向きもしていない。


 

 物乞いをしているのが、大人であり身体の異常がないのであれば助けることなどしようと考えないが、物乞いをしているのは小さな女の子、茶色の髪はボサボサ、身体は痩せ細っており、着ている服はところどころ破け黄ばんでいる。


 顔色も栄養が行き届いていないのか、良くない。

 靴など履いているわけもなく、素足だ。



「お嬢ちゃん、これ食べる?」


 3本買った、豚バラ(オーク肉)の串焼きを1本渡す。


「あっ、ありがとう。いいの??」


 下を向いていた女の子は、俺の問いかけに顔を上げると、お礼を言ってガサガサの手で串焼きを受け取る。


「ゆっくり食べなよ、急に食べるとお腹が、びっくりしちゃうからね」


 胃がびっくりするという表現が正しいのだろうけど、女の子に分かりやすいようにお腹という言葉に置き換えた。


『もぐもぐ』


 俺の言葉にうなずくと、味わいながら食べ始める女の子。



 

 


 


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ブックマークや評価点をつけていただけると励みになります。  よろしくお願いします
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ