☆2 異世界(アリア)
大創造神様から見送られて、異世界に転移した。
『あんまり、畏まらず気楽に発展してくれたら大丈夫じゃ、神は寿命がないのじゃから』とのお言葉を最後に見送られた。
俺は、見習いだが神様だ。
見習い神様異世界へ行くという感じだ。
種族:見習い神様
といったところである。
目を開けると青空が見えた。
俺は上を向いて寝ている形になっている。
雲ひとつない晴天だ。
道として作られている場所のすぐ近くの木の下にいるみたいである。
起き上がり立ち上がる。
周りを見渡す。
「木ばっかりだなー」
誰に言うでもない独り言を呟くが、誰からも返事は帰ってこない。
「ステータス オープン」
とりあえず、自身のステータスを見ることにした。
わざわざ、言葉にしなくても、心の中で念じても発動される。
ステータスオープンと言うと、ステータスウィンドウが視界に入る。
このステータス画面は、左側が6種の能力、その下にスキル、魔法、加護の名前、称号などが順番に並び、右側の上半分が日付、時間、曜日、右側の下半分がメモ欄と情報となっている。
メモ欄は、自身がメモしたい内容を思い浮かべることでメモできる。
メッセージ欄に、大創造神様からメッセージ入っていた。
スマートフォンにてよく見るメールマークがピコピコと点滅している。
因みに、メッセージは、神様しか送れない。
『最初に創造するのは、治癒魔法をおすすめするのじゃ』
メッセージにそう書かれていた。
「おすすめされたら、それ通りにするのが良いよなー!上司からの言葉だし」
俺は、大創造神様のお言葉通りに治癒魔法の技を創造した。
もともとこの異世界にある光魔法について新たな魔法新技を作った。
光魔法と回復魔法が同じくくりで大創造神様が創造していたからだ。
もともとあった光魔法は、
光魔法レベル1
ホーリーショートボール(光の小玉)
光魔法レベル2
ホーリーミディアムボール(光の中玉)
光魔法レベル3
ホーリービッグボール(光の大玉)
光魔法レベル4
ホーリージャイアントボール(光の巨大玉)
呪文名を唱えると手のひらの上にバニラ色の小玉が現れた。
順番に唱えてみた。
光の玉が目の前に大きく顕現していく。
【光魔法】
モンスターに大ダメージを与える魔法。
人に当てると治癒の効果がある。
光魔法をステータス画面で確認していると、大まかな内容が表記されていた。
とりあえず、歩きながら、魔法を作り、モンスターを見つけ次第討伐し、街か村などの人のいる場所に向かうことにした。
野宿は避けたい。
日本のような道路みたいに舗装などされていない凸凹の道を2kmほど歩いたと思う。
歩き辛い印象を受けた。
もともとあった光魔法は、ケガを回復するものであるため、疲労は回復してくれないようだ。
体力はRPGゲームのHPみたいなもので、敵からダメージを受けることで減る。
疲労とは別物みたいだ。
『タイアーヒール』
疲れをとる光魔法を作成した。
レベルは2で設定した。最大値はレベル10
因みに最初に作った光魔法は、
『ショートエリアヒール』
小さい範囲だが、光り輝く円の中に居ることで体力が、回復していく魔法だ。
なぜ、最初にこれを作ったのかというと、特に理由はない。
なんとなく、そうなんとなくだ。
人生はなんとなくが、多いと思う。
コンビニに行って、なにか買うとき、なんとなく視界に入ったものを買ってしまう、俺の人生はなんとなくが多い。
そんな流れで、光魔法の新技を作っていった。
「あっ、やっぱりステータスを覗き見ることができる鑑定魔法があるみたいだ」
異世界物のアニメを見たことがある俺は、ステータスウィンドウの創造見習い神様の欄にて、鑑定魔法の存在を確認した。
『鑑定魔法』
瞳で見た者のステータスを見ることが可能。
隠蔽魔法を覚えている者に対しては、鑑定魔法のレベルが隠蔽魔法よりも上の場合にしか発動しない。
「よしっ、隠蔽魔法レベル10作成っと」
今のステータスを見られると不味いもんね。
レベルは1なのに6種の能力は異常に高い数値。
そして、この異世界では未発見の光魔法レベル10なんだから笑
因みに、異世界での既存の魔法やスキルは全てレベル10が最上位だ。
俺が魔法やスキルを作成した瞬間に、魔法やスキルを扱う者のステータス画面に新技が表示されるという設定。
努力値や俺が付款した条件を満たした場合に新技が表示される。
そのため、魔力量(MP)をどれくらい消費するかを注意して設定しなければならない。
そして、他の魔法とのバランスも測らなければならない。
まぁ、大創造神様からは自由にして良いといわれたから、よっぽどのことがない限り、自分の思うように魔法やスキルを作ろうと考えている。
自身のお得意の『なんとなーく』の精神で生きていく。
因みに、作ったあとに途中で修正しても、異世界の者は不自然に感じないという安心設計だとか。
『神様、自由だなー』
そんなことを考えながらひとりで歩いていると、500mくらい先で馬車がモンスターに襲われていた。
道が直線上のため、すぐに把握できた。
周りには木ばっかりなので、馬車と人やモンスターがいることがわかる。
これが、日本であれば、500m先などごちゃごちゃしてわかりにくいと思う。
だけど、俺が歩いているのは街に繋がる一本道で周りには木ばっかり。
どうやら、馬車を襲っているモンスターは、いのししみたいなモンスター。
動物のいのししではないと思うのは、額のところに大きな角がはえているから。
色も紫色だし。
助けるべきかな?